【京都】紅葉の愉しみ方!明治の京都をたどる!
近世から近代へ、大転換期のメイン舞台ともなった京都。2018年は、ダイナミックな時代の息吹を伝える旧跡に、当時と変わらない秋の風景を訪ねてみたい。...
嵐山の中心から少し離れた奥嵯峨にたたずむ「祇王寺」は、『平家物語』のヒロイン祇王が、母、妹、そしてかつての恋敵であった仏御前とともに、念仏三昧の日々を送った寺。
初夏になると、ビロードのような苔が、鮮やかなイロハモミジと溶け合ってスピリチュアルな雰囲気を醸し出します。
また、趣ある茅葺の本堂には大きな丸窓があり、その障子に木々の緑が色とりどりに変化して映し出されるため「虹の窓」と呼ばれています。
緑のオーラに包まれてリフレッシュしたいときに、ぜひ訪れたいお寺です。また、近所の二尊院とセットで訪ねるのもおすすめですよ。
洛北の地に広がるのどかな山里・大原に「三千院」はあります。代々皇族が住職を務める門跡寺院として格式を誇りました。
寺には2つの庭園があり、それぞれ違った楽しみ方ができます。
最初に訪れる「聚碧園(しゅうへきえん)」は、客殿のお座敷から眺める鑑賞式の庭園。もちろん青もみじも庭木のひとつに使われています。
もうひとつの「有清園」は、杉木立と深い緑の苔、そして青もみじが美しい庭園で、本堂の往生極楽院をとり囲むように広がります。また、苔からは、わらべ地蔵という石仏が顔を出しており、これを見つけるのも庭園散策の楽しみです。
彼方にそびえる東山を借景として庭のデザインに取り入れた自然美あふれる「無鄰菴」。かつては、明治から大正時代にかけて元老として活躍した政治家・山縣有朋が、南禅寺近くに構えた別荘でした。
琵琶湖疏水から引き込まれた水は、三段の滝、せせらぎ、池へと姿を変えながら庭を潤します。陽が降り注ぎ、水が煌めく明るい庭は、それまでの日本庭園の概念をくつがえした近代日本庭園の傑作といわれています。
もみじも庭のいたるところで見られ、広い芝生でのびのびと枝葉を伸ばす青もみじ、渓流の脇でまるで山に植わっているかの姿を見せるもみじ、その表情はさまざまです。
母屋ではカフェも営業されているので、庭園めぐりの合間にどうぞ。
高野川と賀茂川が合流する一帯では、樹齢200年を超える木々の茂る森が残されています。
下鴨神社の参道はこの森の中をまっすぐに通り、ところどころの巨木にはしめ縄が掛けられています。そのことから、ここがただの森ではないことが感じとれます。
糺の森には青もみじが空を覆うように生い茂っており、真夏に訪れても涼しいのが、これからの季節うれしいところです。また、森に流れるせせらぎ「瀬見の小川」では、水鳥が羽を休める姿を目にすることもできます。
神社の楼門近くには茶店もあるので、一息つきながら門前菓子を味わってみましょう!
嵐山の中心といえば「渡月橋」。9世紀頃に架けられたのが始まりとされる全長155mの橋です。
かつては対岸の法輪寺へ向かう橋として法輪寺橋と呼ばれていましたが、亀山上皇の「くまなき月の渡るに似る」との言葉より渡月橋というロマンチックな名が付きました。
青もみじが茂る青々とした嵐山は、さまざまな色合いの緑が複雑に混ざり合い、絵画のような濃淡を見せてくれます。
この嵐山を背にした渡月橋、そしておおらかに流れる大堰川の姿は、京都を代表する風景として、平安時代から今日まで愛され続けています。
嵐山からトロッコ亀岡駅まで、約25分のレトロ電車旅はいかが?
山合いを蛇行しながら流れる保津川が作り出す景観は、切り立った渓谷や岩場など変化に富みます。社寺を彩る雅な風景とはひと味違う、ありのままの自然美に心が打たれるかもしれませんね。
渓谷を縫って走る列車からは四季折々の景観が楽しめ、車窓からは青もみじが茂る緑の世界を間近に見ることができます。
また、嵐山から亀岡駅までは30を超える小さな橋が架かり、なかでも長さ84mの保津川橋梁からの眺めは壮観そのもの!
さらに、亀岡から嵐山への帰路は、船で川下りを楽しむのもおすすめです。
銀閣寺から熊野若王子神社まで続く琵琶湖疏水沿いの約2kmの小径が「哲学の道」。哲学者の西田幾多郎が、思索にふけりながら散策したことが名前の由来だそう。
日本画家・橋本関雪の夫人が寄贈したという450本の桜に青葉が茂り、青もみじの緑が深みを増す頃は、散歩にも絶好のシーズンです。
疏水に泳ぐ大きな鯉に目を向けたり、ときおりやってくる水鳥を観察してみたり、せせらぎにきらめく木漏れ日に包まれながら、のどかに歩いてみましょう。
哲学の道周辺の青もみじスポット
●【京都の青もみじ×参道】 安楽寺
●【京都の青もみじ×絶景】 永観堂
●【京都の青もみじ×フォトジェニック】 南禅寺 水路閣
●【京都の青もみじ×庭園】 南禅寺 天授庵
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