

更新日: 2026年2月16日
日光・湯西川温泉の冬イベント「かまくら祭」を大満喫!ライトアップの絶景や雪遊び、オールインクルーシブ宿もご紹介
栃木県日光市の湯西川温泉は壇ノ浦の戦いに敗れ、落ち延びた平家の一門が川沿いに湧く温泉で傷を癒やし、そのまま隠れ住んだと伝わる歴史ロマン漂う秘湯です。湯西川をはさんで14軒の温泉宿や民家が並び、冬はすっぽりと雪に覆われます。そんな豪雪地帯の強みを活かした冬の風物詩が「湯西川温泉かまくら祭」です。
今年33周年を迎え、1月30日から3月1日まで、平家の里、沢口河川敷、湯西川水の郷スノーパークの3会場で開催します。期間中は夕方から大小のかまくらがライトアップされ、幻想的な風景が出現します。日中はそり遊びや雪だるま・かまくら作りなどの雪遊びを楽しむことも。
お気に入りの温泉宿に泊まり、冬でしか体感できない特別な時間を過ごしてみましょう。
目次
かまくらと竹灯籠の夜灯が「平家の里」を彩る
東京・浅草駅から東武特急リバティに乗り、約2時間30分の湯西川温泉駅で下車。路線バスに乗り換え、25分ほどで湯西川温泉の旅館街に到着します。さっそく湯西川かまくら祭の会場の1つ「平家の里」を訪ねました。
平家の里は平家落人の生活様式を後世に伝えるため、村内の茅葺民家を移築・再現した民俗村です。建物内では、人形や武具などを使って平家の歴史を紹介したり、山仕事の道具、機織り機、特産品の木杓子(きじゃくし)の道具などを展示したりしています。

平氏の栄華を築いた入道姿の平清盛像
通常は朝から夕方までの開館ですが、かまくら祭期間内は21時まで延長です。日没後に再入場するとこんもりと雪に覆われた茅葺き民家がライトアップ! 昔話の絵本に出てくるような昼間の風景とはガラリと変わり、何やら異世界に彷徨い込んだ雰囲気です。
ギュッギュッと雪を踏みしめる感覚も楽しい園路にはミニかまくらが並べられ、その中に灯されたロウソクの火が足元を照らします。

平家の里には4基の大型かまくらがあります
ほどなく現れるのが、高さ3メートルほどの大型かまくらです。畳を敷いたかまくらは中に入ることができます。冷たい風や人の話し声などを遮るためか、外よりも少しだけあたたかく、静かでした。

大小の円から暖色系の灯りがもれる竹灯籠
最奥の茅葺民家には「平家あかり」と呼ばれる竹灯籠(たけとうろう)や竹鞠(まり)が飾られています。
竹灯籠は青竹に穴を開け、その中に光源を入れたもの。大小の円が並んだり、図柄になっていたりして、雅やかな雰囲気を醸します。海外旅行者も思わず歓声を上げ、夢中で写真を撮っていました。
住所/栃木県日光市湯西川1042
営業時間/9:00〜21:00(ライトアップは17:30〜21:00)
定休日/無休
料金/510円(営業時間内入退場可)
ミニかまくらが光の列としなる「沢口河川敷会場」
沢口河川敷会場は金・土・日曜の限定ですが、スケールの大きな夜灯が楽しめます。河川敷には、約500基のミニかまくらが整然と並んでいて、夕方前から各旅館の代表者が集まり、ロウソクの灯りを1基ずつ入れていきます。ミニかまくらの中でゆらゆらと揺れる炎は心を落ち着かせ、見飽きることがありません。

沢口橋から眺めると光の列に見えます
湯西川に架かる沢口橋から会場を見下ろすと、幾筋もの美しい光の列が見えました。2009年には「日本夜景遺産」、2023年には「関東三大夜灯(よあかり)」と「栃木七灯(しちとう)」に認定されています。
住所/栃木県日光市湯西川(沢口橋付近)
時間/ライトアップ17:30〜21:00
定休日/月〜木曜
「湯西川水の郷スノーパーク」でおもいきり雪遊び!
湯西川温泉かまくら祭は、おもいきり雪遊びを楽しめるのも魅力です。日帰り温泉やレストランを備える湯西川水の郷では3月31日まで「湯西川水の郷スノーパーク」を開設しています。

子どもは寒さを忘れて、そり遊びに大喜び
スノーパークは観光センターから大吊り橋を渡った湯西川南岸にあり、巨大な雪だるま、かまくら、雪山などがあります。一番人気はそり遊び。雪の斜面をプラスチック製のそりで一気に滑るもので、子ども同士で競争したり、親子で一緒に滑ったりと、明るく元気な声が絶えません。

観光センター側に無料の足湯があります
スコップなどの貸し出しもあり、巨大なかまくらを作る家族も見られました。子どもよりも親の方がノリノリで作業していたのは微笑ましかったです。おもいきり雪遊びを楽しんだ後は日帰り温泉へ。スノーパークの入場料には観光センターの温泉入浴料も含まれています。
住所/栃木県日光市湯西川473-1
営業時間/10:00〜15:00
休館日/水曜・2月12日休
入場料/1200円(そりレンタル料・水の郷観光センター入浴料込み)
地元の方々の心意気がかまくら祭を支える
湯西川温泉かまくら祭は今年33周年ですが、どのような歴史を重ねてきたのでしょう? 湯西川温泉かまくら祭実行委員の一人で、湯西川館の顧問女将である伴弘美さんにお話を聞きました。
「いまでこそ賑わっていますが、湯西川温泉は関東屈指の豪雪地帯で2月は閑散期でした。うちの両親もこたつに入って、のんびりと半てん(防寒着)のつくろいなどをやっていたものです。しかし、湯西川ダムの建設をきっかけに旅館組合などが奮起して、雪国らしいイベントで地元を盛り上げようと始めたそうです」

大型かまくらの雪が固まったら木枠を外します
当初は大型かまくらが主体でしたが、2004年に地域の子どもを楽しまそうとミニかまくらを作り、ロウソクの火を灯す企画を行ったところ大評判となり、次第に来場者が増えていきます。
「大型かまくらの中でバーベキューをしたり、雪の舞台でファイヤーショーや琵琶の演奏をしたりと、いろいろな催しをしましたね。私も音楽に合わせて着物を着ていく“着付舞”を披露しましたが、足袋の裏に氷がついて滑る、滑る(笑)。ヒヤヒヤしましたが、いい思い出ですね」

木枠を外した後は表面を削って形を整えます
大型かまくらは木枠を組み、重機で雪を入れて大人3人で踏み固める作業を1日がかりで何度も繰り返します。1日半ほど置いて、雪が引き締まったら木枠を外して形を整えたら完成です。

ミニかまくらの灯りは1基ずつ入れていきます
ミニかまくらも同じ要領で、漬物樽に雪を詰めて踏み固め、地面にひっくり返して漬物樽を外した後、スコップで穴を開けます。ミニかまくらはロウソクの熱や強風で崩れることも多く、期間中はたびたび作り直すそうです。
「毎年1回くらいは大雪が降って、沢口河川敷会場のミニかまくらが完全に埋まってしまいます。その時は各旅館から人を出して、すべて作り直します。大変ではありますが、お客様のためならば頑張れますよ」
コロナ禍で中止期間もありましたが、近年は大型ホテルのスタッフも積極的に参加され活気を取り戻しつつあるようです。
すべての料金を含んだ「亀の井ホテル 日光湯西川 オールインクルーシブホテル」
最後に湯西川温泉で話題の宿を紹介しましょう。今年、オールインクルーシブ化1周年を迎えた「亀の井ホテル 日光湯西川 オールインクルーシブホテル」です。

客室は和室(写真)、ツイン、和洋室があります
オールインクルーシブとは、宿泊料金に朝夕の食事代、ラウンジ・レストランでのドリンク代、アクティビティ代などが含まれた宿泊プランのこと。ホテル滞在中は追加料金を考えず、思う存分にくつろげます。

ドリンクやおつまみは客室に持ち帰ってもOK
具体的にみると、ゲストラウンジには生ビール、地酒、ワイン、カクテル、ハイボールなどのアルコールをはじめ、コーヒー、ソフトドリンク、ソフトクリーム、ミックスナッツなどのおつまみなど、約30種類が用意され、セルフサービスで味わえます。(一部、時間限定あり)

大人も大好きなソフトクリーム
アクティビティでは、温泉たまご作り、卓球、ダーツ、テーブルゲーム、バドミントン、電動レンタサイクル、コミックなど。季節限定ではかまくら体験、星空観察、花火体験などがあります。
今年2月中旬から屋内でのアーチェリー、氷上スポーツのカーリングにヒントを得たカローリングも加わりました。

チェックイン時に生たまごをもらい温泉たまごを作ろう

アーチェリーは矢の先が平たく安全に遊べます
風呂は男女別の大浴場と露天風呂が各1つ。無色透明の湯は単純温泉でサラリとした肌ざわりです。古くから湯西川温泉は弱アルカリ性で肌表面の汚れや余分な皮脂を落とし、肌がすべすべになることから“美肌の湯”として人気があります。入浴時間は15時〜24時・5時〜9時。

大浴場に木の香りが漂うサウナも併設

冬は露天風呂から雪見が楽しめることも
そして、もっとも気になるのは食事でしょう。朝食・夕食ともにビュッフェで、レストランでいただきます。
平家落人の里・湯西川温泉らしく各テーブルに囲炉裏があり、夕食では栃木県産いっこく野洲どり、ばんだい餅、焼き湯波、イワナ、エビなどを炭火であたためながら味わうことができます。

好きな串料理を選び、囲炉裏であたためよう
また、自在鉤には大鍋が下がり、自分好みの野菜、肉などを煮込んでいくオリジナル鍋も野趣に富んでいます。栃木県産ヤシオマスの刺身、鬼怒川産鯉の洗い、湯西川産の生湯波、きのこたっぷりの鹿鍋など、そのほかの里山料理もおいしく大満足です。

味噌仕立ての鹿鍋。鹿肉はクセがなく柔らかいです

お造りもマス、コイなど里山らしいです
夕食後に小腹が空いてもご安心を。毎夜、ロビーにて「地獄めぐり夜鳴き担々麺」(21時〜22時30分)がふるまわれます。赤地獄(四川担々麺)、黒地獄(黒ごま担々麺)、白地獄(白ごま担々麺)の3種類がありますが、月替りで1種類の提供になるので、どの担々麺が味わえるかは当日のお楽しみです。

たまごの食べ比べ。全種たべる猛者もいるそう
朝食ではたまごの食べ比べに注目! 日光御養卵、那須御養卵などの5種類のブランドたまごが用意され、各テーブルでベーコンエッグに調理したり、たまごかけご飯にしたりして味わいます。新鮮な里山野菜サラダ、炭火で焼くパン、などもユニークです。

炭焼きパンは3種のパンから選べます
住所/栃木県日光市湯西川1033
料金/1泊1万5900円〜(2名利用の1室料金)
冬の湯西川温泉だからこその特別な体験を
平家落人伝説に彩られた湯西川温泉。今回は「湯西川温泉かまくら祭」を紹介しました。
大小のかまくらが作り出す、幻想的な風景が見られるのは冬だけの特権です。囲炉裏を囲んでの里山料理や美肌の湯と評判の温泉とともに、特別な体験をしてみてはいかがですか?その際はあたたかい服装でおでかけください。
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【筆者】内田晃
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自転車での日本一周を機に旅行記者を志す。街道、古道、巡礼道、路地など歩き取材を得意とする。日本旅行記者クラブ会員














