この秋は奥越ドライブ旅へ！紅葉＆花畑の絶景や新そばを大満喫しよう

国道158号はJR九頭竜湖駅の約5.5km手前で、九頭竜湖に分かれを告げます。大野市街へは中部縦貫自動車道九頭竜ICからアクセスできますが、秋は国道158号をそのまま進むのがおすすめです。

それは、次なる秋の絶景地・九頭竜峡を目指すため。大野市和泉地区から勝原（かどはら）地区へ続く一帯がこう呼ばれていて、瑠璃色の川と錦秋の木々がつくり上げた息をのむような紅葉を眺めることができます。

■紅葉の見ごろ：例年10月下旬～11月上旬

川の浸食によって生まれた九頭竜峡

＜「九頭竜紅葉まつり」も要チェック！＞

九頭竜湖や九頭竜峡の紅葉が見ごろを迎える10月下旬、JR九頭竜湖駅近くの九頭竜国民休養地では、九頭竜紅葉まつりが開催されます。

このイベントでは、地域の特産品や農産物の販売のほか、多彩なステージイベントなどが催されます。そばや九頭竜まいたけなどの秋のご当地グルメも味わえます。

■開催日時：2025年10月25日（土）・26日（日）の9:00～15:00

多くの露店が並び、たくさんの人でにぎわう祭り会場

大回廊の両側に並んだ黄葉したイチョウ

九頭竜川をさらに北へ進んだ先の勝山市内にも、おすすめの秋の絶景を見つけました。奈良の大仏を上回る大仏本尊（通称・越前大仏）がシンボルとなっている、臨済宗の寺院・清大寺です。石仏・金仏をあわせて1281体が安置された大仏の左右と後方の壁も、神秘的な空気に包まれていて必見です。

広大な境内では、コケとモミジの木々が織りなす紅葉風景が広がるほか、イチョウの葉が黄色く色づいた黄葉風景が楽しめます。五重塔の上部から一望できる、境内の紅葉と周囲の田畑が黄色く染まった秋の光景もみごとです。

■紅葉の見ごろ：例年11月中旬

拝観者は自由に入れる五重塔から見た秋の風景

像高が17mにも達する日本最大の座像

2025年11月末まで、大仏殿前が雲海に包まれる特別観覧を実施

夏のライムグリーンから秋の真紅へと色合いを変えるコキア

コスモス畑と一緒にめぐりたい、秋の絶景スポットがもう一つあります。道の駅 恐竜渓谷かつやま近くのかつやま恐竜橋下流右岸圃場に植えられいるコキアが、真っ赤に染まった紅葉です。

コキアは、モフモフとした見た目がかわいらしい植物。園内を覆いつくすように一面に広がる光景は、写真映えすると人気を集めています。

見ごろを迎える10月中旬には、道の駅で秋の収穫祭＆コキア紅葉まつりも開催。キッチンカーや露店が出店します。

■コキアの見ごろ：例年10月下旬

道の駅で行われたコキア紅葉まつり＆収穫祭の様子

大野在来のそばの花と荒島岳

福井県は全国的にも珍しく、代々受け継がれ各地の気候風土に合ったそばの在来種が残る在来種そば王国と呼ばれています。奥越エリアでも、大野市は大野在来そば、勝山市は勝山在来そばなどが栽培されています。

いずれの在来種も小粒ながら粘り気があり、風味豊かで食感のいいのが特徴。全国のそば通にその名が知られる存在です。
例年11月下旬ごろから新そばが出回ります。

こちらはそばつゆに大根おろしが入ったスタイル

一般的に「越前おろしそば」の名で知られる、そばに大根おろしをかけて食べるおろしそば。奥越エリアでも王道の食べ方です。

そばつゆや薬味が別添えだったり、最初からそばに合わせていたり、そばつゆに大根おろしが入っていたり、つゆが生醤油のみだったり……。お店によって提供されるスタイルはさまざまです。

おろしそばは1食の分量が少なめなのが特徴で、成人男性なら2、3枚をぺろりと食べるのが一般的。お店をはしごして食べ歩きを楽しむのもおすすめです。

削り節とネギをのせたそばに、大根おろし入りのつゆをかける「おろしそば」

「そば処 福そば本店」は、城下町・越前おおのの七軒通り近くにある人気店。大野在来を石臼で自家製粉したそば粉のみを地下水を使って手打ちした、十割そばが味わえます。

十割とは思えない強いコシと風味の強さが特徴で、大野在来のそばそのものがもつ甘みが感じられます。甘みを抑えたつゆとの相性も抜群！

レトロな長屋風にリニューアルされた店内

おろしそばと山かけそばがセットになった「山おろしそば」1180円

「そば処 梅林」は、おでんやご当地グルメのソースかつ丼なども提供する、昼夜ともに人気のお店。大野特産の上庄里芋を使った品々も味わえます。

そばは大野在来を使った二八そばで、甘めのつゆが特徴。名水として知られる近くにある御清水の湧き水のほか、大根やネギも県内産を中心とした素材を使うのもこだわりです。

店内は民芸調の造りの落ち着いた空間

そば湯も一緒に提供される「おろしそば」580円

そばの実（玄そば）を石臼で挽いて粉（そば粉）にする、製粉所が営むそば処「手打ちそば 八助」。明治28（1895）年の建物を使ったレトロな空間も魅力です。

勝山在来を使った二八そばは、少し不ぞろいな麺があるため食感が楽しく、香り高くコシのある逸品。つゆは出汁を加えず、大根おろしに水を足して醤油で味を調えただけというのも特徴です。

太い梁など歴史を感じさせる古風な店内

おろしそば、やまかけそば、そば寿司、天ぷらが付く「そばづくし」3000円

勝山の名所・平泉寺白山神社の門前にある「そば処 まつや」。店内から見えるコケ庭が美しく、秋には赤く染まったモミジも見事です。

地元・平泉寺産の勝山在来を使ったそばは、石臼で自家製粉した風味がしっかりと感じられる九割。山菜のぜんまいやたけのこ、大葉をそばと海苔で巻いた、オリジナルのそば寿司も人気です。

コケ庭が目の前に広がる囲炉裏のある店内

「奥越産里芋コロッケの芋ッ子バーガー」単品800円と「奥越里芋deのりしおバター」750円

大野市の上庄里芋、勝山市の勝ち山さといもという、固有品種の里芋が特産品になっている奥越エリア。秋に収穫時期を迎えて、お店ではさまざまな食べ方で提供されます。

なかでも「道の駅 恐竜渓谷かつやま」のカフェレストランでは、奥越産の里芋をたっぷりと使ったコロッケや明太子入りの里芋のペーストなどをサンドした、ご当地バーガーがおすすめです。

里芋を素揚げしてのり塩味に仕上げたメニューも人気。そのほか、おろしそばや奥越名物のソースかつ丼などのご当地グルメもそろっています。

恐竜の町らしく各所に恐竜のオブジェのある道の駅

煮干しをベースにしたスープが美味な「九頭竜まいたけラーメン」1090円

風味が高く高品質なことで知られる九頭竜まいたけは、大野市九頭竜エリアの特産品です。1年を通して食べられますが、きのこの季節にこそ味わいたい秋グルメです。

ひとつ目のおすすめ料理が、「道の駅 越前おおの 荒島の郷」のフードコート内の1軒、荒島テラスが提供している「九頭竜まいたけラーメン」と「うまいたけ餃子」。ラーメンには薄衣の大きなまいたけの天ぷらがのっていて、九頭竜まいたけを満喫できます。刻んだまいたけが入った餃子は、数量限定中という人気メニューです。

肉みそ入りで、タレなしでおいしい「うまいたけ餃子」500円

6軒の店舗が集まるフードコート

「まいたけ弁当」は各500円～

同じく九頭竜まいたけを満喫できる料理があるのは、九頭竜湖の西端に位置する「道の駅 九頭竜」。テイクアウト販売のみですが、まいたけ弁当が人気を集めています。

「まいたけ弁当」は、全面にまいたけが見える炊き込みご飯であること、肉系のおかずは入れないことなどがルール。地元の人が独自に生み出した、8種類の弁当と1種類の天むすがそろっています。

まいたけ弁当を購入してドライブの途中、紅葉を眺めながら屋外で味わうのもおすすめです。

動く恐竜のオブジェが出迎える道の駅

「あまたま」丼660円

他ではあまりお目にかかれない、ユニークな秋グルメ「あまたま丼」。「お食事処・旅館　あまごの宿」では、例年10月中旬に採卵する川魚・アマゴの卵（通称・あまたま）を使った料理が味わえます。

宿泊施設と食事処（予約がおすすめ）を兼ねていて、自家養殖したさまざまな川魚料理を味わうことができます。あまたまをじっくりと味わうなら、ご飯に卵をのせたシンプルな「あまたま丼」がイチオシ。2500円～の多彩なコース料理もあります。

コース料理の中でおすすめの「真味」5000円