鹿児島ってどんなところ?エリアと基本情報をチェック!
九州の最南端に位置し、南北600㎞におよぶ九州本土と離島からなる鹿児島県。全国に先駆けて近代化を進めた薩摩藩の歴史、桜島をはじめとする雄大な自然、豊かな土壌と海域に育まれたグルメなど多彩な魅力にあふれ...
西郷隆盛の趣味と伝わるのが狩りと温泉。時間をみつけては愛犬を率いて狩り場にでかけ、鹿児島県内に点在する温泉地で疲れを癒やしたという。西郷どんが訪れた温泉地のなかでも、とくに贔屓にしたと伝わる4か所の温泉地を紹介。
西郷どん伝説がいくつも残る昭和レトロな温泉街 薩摩川内
鹿児島県内の温泉地のなかで、もっとも西郷隆盛にまつわるエピソードが多いのが、ここ。今の双葉旅館(旧五助屋)を常宿にして、その向かいの元湯(共同湯)に入浴したと伝わる。現在の川内高城温泉は、西郷が訪れた当時からすれば変わったものの、昔ながらの昭和初期のひなびた風情が郷愁を誘う。
西郷どん来訪時期
弘化元(1844)年頃、明治期 ※口伝により不詳
温泉の特徴
単純硫黄泉のpH9.0以上のアルカリ性が高い美肌湯
西郷どん逸話
若き日の西郷隆盛は、川内高城温泉の近くで農政・土木の仕事に携わっていた。その当時訪れた温泉地で使っていたという碁盤と碁石は薩摩川内市川内歴史資料館が収蔵。
川内高城温泉第1号の湯治宿であり、西郷どんが常宿にしていたという。現在は日帰り入浴のみの営業。宿泊は姉妹館の双葉屋で受け付け。
西郷どんが入浴したという共同湯は、なんとも味わい深い木造2階建てで、今も現役で営業中。
西郷どんが 足しげく通った贔屓の温泉郷はこちら 霧島
西郷隆盛がもっとも多く訪れたのが日当山温泉で、明治7(1874)年からは3年連続訪れている。入浴後の清涼感が特色で、皮膚表面がなめらかになると評判。小松帯刀や西郷隆盛のすすめで妻お龍とともに鹿児島を旅した坂本龍馬も、この温泉地に宿泊したことを日記に書き記している。
西郷どん来訪時期
慶応4(1868)年、明治2(1869)年、明治7(1874)~9(1876)年
温泉の特徴
炭酸水素塩泉、塩化物泉ほか。適応症はきりきず、皮膚乾燥症など
西郷どん逸話
日当山温泉滞在中、坊主頭の西郷どんを見たおばあさんが、僧侶と勘違いして「お寺をもっちょいやっとなあ?」と聞いた。西郷どんは愛嬌たっぷりに「桜島を持っとるが」と答えたとか。
創業文政8(1825)年の日当山温泉最古の共同湯。かつて地元では「元湯」と呼ばれていた。西郷隆盛が訪れたといわれる。
西郷隆盛が宿泊していた龍宝家の復元家屋を中心に、日本庭園、イベント広場などを整備している。
霧島連山の西方に湧く西郷どん絶賛の湯 霧島
少々ふくよかな体型で、皮膚病を患っていた西郷隆盛にとって、もっとも効き目があったと思われるのが、霧島連山西側の栗野岳中腹にある栗野岳温泉。西郷は、この温泉をたいそう気に入ったこと、のどかな山間の景色がすばらしいことを知人への手紙に綴っている。現在、この地には「栗野岳温泉 南洲館」が建つ。宿泊は2食付き1万880円から。
西郷どん来訪時期
明治9(1876)年
温泉の特徴
酸性・含鉄(Ⅱ・Ⅲ)-アンモニア-硫酸塩泉で、アトピー性皮膚炎、耐糖能異常(糖尿病)に効きめがある
犬13匹とともに平穏な温泉地暮らしを満喫 指宿
西郷隆盛が13匹の犬を伴い、約1か月間滞在した小さな温泉地。口伝によると、毎朝7時に起床して開聞岳周辺での狩りや読書などをして、のんびりと過ごしたという。集落の「区営鰻温泉」は、地元のいこいの場として親しまれている公衆浴場だ。
西郷どん来訪時期
明治7(1874)年
温泉の特徴
半透明の濁り湯で、泉質は単純硫黄泉。皮膚病や神経痛などに効能がある
西郷どん逸話
西郷隆盛は、鰻温泉を去る際、1か月滞在させてもらった福村家に、お礼にとシャツを残していった。このシャツの実物は、現在、「いぶすき西郷どん館」で公開している。
昔ながらの湯治湯風情
その昔、西郷隆盛が狩猟や湯治で逗留した温泉地。鰻池の近くに湧く、指宿市内唯一の単純硫黄泉で、レトロな雰囲気に人気が集まる。天然噴気のかまどで蒸した温泉卵が楽しめる。
西郷ゆかりの鰻温泉や、西郷隆盛逗留地跡などをめぐる「鰻温泉まち歩き」は、参加費500円、所要45分のガイド付きツアー。最後は温泉熱を利用した天然のかまど「スメ」の体験、試食が楽しめる。事前に予約が必要。
西郷隆盛は大の温泉好きで有名だが、訪れたほとんどの温泉に共通するのが、その効能。じつは、これには理由があって、股の間に皮膚病(像皮病)を患っていたためと考えられる。西南戦争の際は、馬にまたがることができず、駕籠や船で移動したというから、大きな悩みの種だったようだ。西郷どんが訪れた皮膚病に薬効の高い湯は、つまり肌がきれいになる「美肌の湯」。美肌をめざすなら、ぜひ参考に。
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