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高千穂の夜神楽を解説。見物スタイルから毎日開催の神楽もご紹介!

クロス編集事務所

更新日: 2023年7月31日

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高千穂の夜神楽を解説。見物スタイルから毎日開催の神楽もご紹介!

重要無形民俗文化財指定
高千穂に古くから伝わる夜神楽は、1000を超えるといわれる全国神楽のなかでも、数少ない国の重要無形民俗文化財。「天照大神の岩戸隠れ」が描かれた民俗芸能で、この地に舞い継がれる神話劇を通して神々の世界にしばしひたることができる。

【宮崎】高千穂・夜神楽名称解説

採りもの
高千穂の神楽は「採物神楽」の一種とされ、鈴や扇など、何を持って舞うかでその神楽の願いや登場者の性格をあらわす

おもて様
舞い手がつける面のこと。御神体そのものであり、神の魂が宿っているといわれる

彫りもの
神庭を囲む切り絵細工。陰陽五行や十二支などがモチーフ

天岩戸
天照大神が隠れている天岩戸。手力雄尊がいかにして天照大神を外に出そうか考えている

ほしゃどん
神楽の舞い手のことで、すべて男性。「奉仕者」が名の由来という

神庭
一般にしめ縄で仕切られた二間(3.6㎡)ほどの四方の空間をいう。舞い手以外は立ち入り禁止の神聖な場所
※上の写真は「高千穂神社 神楽殿」

【宮崎・高千穂】夜神楽に登場するおもな神々

【高千穂・夜神楽に登場するおもな神々】手力雄尊

天岩戸の洞窟に隠れた天照大神を探し出し、表へ出すために岩戸を放り投げた力持ち。おもて様が「手力雄の舞」の白から「戸取の舞」で赤に変わるのは、岩戸を持ち上げる際、渾身の力を込めて顔が紅潮した状態を表している。

【高千穂・夜神楽に登場するおもな神々】手力雄尊
【高千穂・夜神楽に登場するおもな神々】手力雄尊

顔色が赤に変わる

【高千穂・夜神楽に登場するおもな神々】天鈿女尊

天照大神を天岩戸から連れ出そうと、その前でおもしろおかしく踊ったといわれる女神。芸能の神様として知られ、荒立神社の祭神でもある。神楽での見せ場は「鈿女の舞」。愛らしく、優美に、軽やかに、多様な舞いが見られる。

【高千穂・夜神楽に登場するおもな神々】天鈿女尊

【高千穂・夜神楽に登場するおもな神々】伊邪那岐尊、伊邪那美尊

日本の国土、海、風など三十五柱の神々を生み、築いた国生みの男女神。「御神体の舞」では、秋の収穫を祝うための酒造りの途中、浮気心を出した男神が客席の女性に飛びつくなどのハプニングがあり、会場の人々からいっせいに笑いが起こる。

【高千穂・夜神楽に登場するおもな神々】伊邪那岐尊、伊邪那美尊

【宮崎】高千穂に伝わる神話「岩戸隠れ」

神代の昔、高天原を治めていた天照大神という太陽の神様がいました。その弟神、須佐之男尊は大変な乱暴者。いつも悪事を働き、天照大神を困らせていました。あるとき、須佐之男尊は天照大神の田を壊し、神殿を汚し、機織屋で神聖な衣を織っていた織女を死なせてしまいます。

怒った天照大神は、天岩戸の洞窟に隠れてしまい、世の中はすっかり真っ暗闇になりました。

困った八百万の神々は天安河原に集まって審議し、天鈿女尊を岩戸の前でおもしろおかしく踊らせたのです。岩戸の前がにぎやかなのを不思議に思った天照大神は、ほんの少し岩戸を開きます。

その瞬間、脇に隠れていた手力雄尊が岩戸を開き、天照大神を外へ出すと、再び世界は明るさを取り戻したのです。

【宮崎・高千穂】夜神楽について教えて!

早わかり&まるわかりQ&A

Q. 神楽って何?

神を迎えて行われる鎮魂の神事。宮廷において行われるものを「御神楽」、民間で行われるものを「里神楽」とし、日本の伝統芸能の原点と考えられる。数え方によって異なるが、現在、1000を超える地域で、それぞれの神楽が継承されている。高千穂の夜神楽は、昭和53(1978)年に国の重要無形民俗文化財に指定された。

Q. 高千穂の夜神楽とは?

高千穂の夜神楽は、天照大神の岩戸隠れの際に、その前で踊った天鈿女尊の舞いが起源といわれる。発祥は不詳ながら、平安末期と推定され、秋の収穫に対する感謝と翌年の豊穣を願って行われる神事として、毎年11月中旬から翌2月上旬に開催。各集落の神社から氏神様を神楽宿1※に迎え、全三十三番までの演目を奉納する。

※1)その年、氏神様を迎え入れる当番の民家。現在は公民館など公共施設で行う集落もある

Q. スケジュール、開催場所は?

「里神楽」と呼ばれる本式の夜神楽は、8地区で延べ20回ほど行われる。見学を希望する場合の場所やスケジュールは、高千穂町企画観光課(0982-73-1212)に確認が必要。観光客向けには、毎日開催の「高千穂神楽」がおすすめ。

【宮崎・高千穂】夜神楽の見物スタイルは3つ!

①地元人のための 地元人による里神楽

「里神楽」と呼ばれる本式の夜神楽は、11月中旬から2月上旬までの期間に開催。夜を徹して舞い踊る三十三番までの全演目を鑑賞することができる。基本的に戸を開け放った状態で行うため、防寒対策が必要。開催日は各地区によって異なる。

<里神楽見物の心得&マナー>
その一 初穂料 拝観料は提示されていないが、初穂料として人当たり焼酎2、3升、もしくは現金2000円から3000円が相場。
その二 便利&必携グッズ カイロ、ひざ掛けなどの防寒具/脱いだ靴を入れるためのビニール袋/温かい飲み物/軽食、菓子などの夜食/懐中電灯/カメラ
その三 トイレ休憩&食事休憩 神楽の奉納は、午後6時ころからスタートして翌日昼前まで、およそ15時間ノンストップ。トイレ休憩のための中座や途中退出はOK。食事も各自自由で、その場でとってもマナー違反にはならない。
その四 交通手段 カーナビで検索できない場所が多いため、土地勘のある地元タクシーでの移動がおすすめ。途中、夜中でも帰れるようにタクシーや宿の連絡先を控えておこう。
●宮交タクシー高千穂営業所 0982-72-2121
●神和交通 0982-72-9001

②毎年恒例の 夜神楽まつり

高千穂町内外を問わず、誰もが気軽に参加できるのが毎年恒例の夜神楽まつりだ。詳細は、それぞれの神社へ。

●天岩戸 夜神楽三十三番大公開まつり
11月3日10:00~22:00
場所/天岩戸神社
●神話の高千穂夜神楽まつり
11月22日18:00~22:30頃 11月23日10:00~23:30頃
場所/高千穂神社

②毎年恒例の 夜神楽まつり

「天岩戸 夜神楽三十三番大公開まつり」の様子

③毎日開催の高千穂神楽

高千穂神社の境内にある「神楽殿」では、通年、高千穂の夜神楽を鑑賞することができる。演目は三十三番のなかから、「天照大神の岩戸隠れ」にまつわる代表的な「手力雄の舞」「鈿女の舞」「戸取の舞」「御神体の舞」を上演。

<上演>毎日20:00~21:00
<予約>Web予約可(https://takachiho-kanko.info)当日12:00まで受付。現地受付は19:00より先着順。いずれも人数制限あり、要確認
<拝観料>1000円

※イベントの日程や内容は変更になる場合があります。おでかけ前に必ずご確認ください。

高千穂神社 神楽殿

住所
宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井1037高千穂神社内
交通
JR日豊本線延岡駅から宮崎交通高千穂バスセンター行きバスで1時間20分、終点下車、徒歩15分
営業期間
通年
営業時間
20:00~21:00(閉館)
休業日
無休
料金
拝観料=大人700円、小学生以下無料/

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