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西馬音内盆踊りで有名な秋田県羽後町へ  日本三大盆踊りの町で踊りと西馬音内そばを楽しむ旅

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2023年7月27日

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西馬音内盆踊りで有名な秋田県羽後町へ 日本三大盆踊りの町で踊りと西馬音内そばを楽しむ旅

秋田県の南部に位置する羽後町では、毎年8月16日から18日の3日間、「西馬音内盆踊り」が開催されています。
岐阜の郡上おどり、徳島の阿波おどりと共に“日本三大盆踊り”と言われていて、流麗な踊りと勇壮な囃子の調和を目にすると、誰もが心を奪われること間違いなし。

また、羽後町にはこの土地のシンボルとして風格を保っている歴史的建造物が多く、内部まで見学できるスポットもあります。
ゆったりとした時の流れを感じながら歩ける羽後町で、非日常を体感しませんか?

羽後町ってこんなところ

羽後町ってこんなところ

秋田県内屈指の豪雪地帯でもあり、エリアによっては2メートルを超える積雪を観測する羽後町。そんな雪深い地で育まれた食と文化には、興味深いものがありました。

古くからのそば屋が軒を連ねるこの町では「西馬音内そば」が愛されていて、地元民に親しまれている老舗から道の駅まで、お店の個性が光る「西馬音内そば」が味わえます。

町産の黒毛和牛「羽後牛」や、地元のクラフトビールメーカー「羽後麦酒」なども有名なエリアで、絶品グルメを求めるなら立ち寄り必須の町とも言えるでしょう。

春から秋にかけて季節の移ろい感じられる田園風景や、地元のシンボルとして知られる歴史的建造物の佇まいなど、日本の原風景をじっくり堪能できるのもこの町ならではの楽しみ方です。

羽後町への行き方

歴史的建造物が点在する羽後町を観光する際、色々な場所を見て回りたいなら、車での移動が便利。バスなどの公共交通機関メインでの移動は少々時間がかかるので、レンタカーの利用も視野に入れよう。

日本三大盆踊り「西馬音内盆踊り」とは

日本三大盆踊り「西馬音内盆踊り」とは

「西馬音内盆踊り」は、この町で700年以上受け継がれている伝統ある盆踊りです。起源は鎌倉時代に源親という修行僧が始めた豊作祈願の踊りと、およそ400年前に山形城の城主である最上氏との戦いで滅んだ西馬音内城主・小野寺一族を偲び、臣下たちが行った盆供養の踊りが合流したものと言い伝えられています。

2022年11月には、西馬音内盆踊りなど24都道府県41件の民俗芸能「風流踊(ふりゅうおどり)」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に審議され、無形文化遺産への登録が正式に決定されました。

西馬音内盆踊りのここに注目①音頭とがんけ

踊りには「音頭」と「がんけ」の2種類があります。優雅で静かな上方風の「音頭」は、かつて北前船によって京都・大阪と経済的につながっていたことから、その影響が及んでいるのではないかと考えられています。

「がんけ」の名前の由来は、月光の夜空を飛ぶ雁の姿を連想した「雁形」から来ているとか。現世の悲運を悼み来世の幸運を願う「願生化生の踊り」が略され、「願化踊り」と呼ばれていたなど諸説あります。

亡者踊りとも称されることもあり、本来は娯楽の踊りではなかったと推察されています。現在の西馬音内盆踊りは、幽玄で美を感じる踊りを楽しむスタイルで愛されています。

「がんけ 盆踊り人形」。流麗な踊りをする女性たちの姿に目を奪われます

西馬音内盆踊りのここに注目②衣装

西馬音内盆踊りで着用する衣装は、数種類の絹布を左右対称にパッチワークのように組み合わせた女性用の「端縫い(はぬい)」と、男女兼用の浴衣「藍染め」があります。

端縫いは、各家々で祖母から母、そして娘へと代々受け継がれてきた貴重な布地を使われていて、唯一無二の歴史的な芸術作品でもあります。

西馬音内盆踊り会館に展示されている「端縫い衣装」。数点展示されていて、どれも色合いがよく魅了されます

西馬音内盆踊りのここに注目③囃子

囃子には「寄せ太鼓」、「音頭」、「とり音頭」、「がんけ」の4つの曲目があり、楽器は「大太鼓」、「小太鼓」、「鼓(つづみ)」、「鉦(かね)」、「笛」、「三味線」の6種類からなります。「地口」と言われる音頭の歌詞は、世情風情や笑い話、素朴なエロティシズムなど多彩な性格を持っています。がんけの歌詞である「甚句」は、格調高く情緒豊かな節回しが特徴です。

西馬音内盆踊り会館内では、「音頭」や「がんけ」、「盆踊り」の映像を鑑賞できます

日本三大盆踊り「西馬音内盆踊り」の2023年開催情報

開催日:毎年8月16日~18日
場所:西馬音内本町通り
時間:19:30~22:00(昨年度実績。今年度は未定)

日本三大盆踊り「西馬音内盆踊り」を年中楽しめる西馬音内盆踊り会館へ

日本三大盆踊り「西馬音内盆踊り」を年中楽しめる西馬音内盆踊り会館へ

「西馬音内盆踊り会館」は、盆踊りの活動拠点・観光拠点です。

館内には100年を超える盆踊りの衣装や藍染めの壁掛け、盆踊りの様子を人形で再現したものなどを鑑賞できます。

「盆踊り人形」。西馬音内盆踊りの臨場感が伝わる展示です

200インチの大型スクリーンで盆踊り資料映像を鑑賞できるほか、西馬音内盆踊りの定期公演(有料)も実施しています。また、西馬音内盆踊りをどなたでも体験できる「一般練習会」もあり、羽後町の歴史や文化を踊りで体感できるのはとても貴重な体験です。

「冷やがけ」スタイルで楽しむ!西馬音内そばのおすすめ店

羽後町で親しまれる「西馬音内そば」は、冬でも冷たいつゆをかけて食べる“冷やがけ”が代表的なスタイル。転作田で栽培されるそばを使い、製粉から製麺までこだわりがつまった麺が特徴です。

西馬音内そばのおすすめ店 そば屋 彦三

羽後町産のそば粉にこだわった、香りと風味を追求した無垢なそばを味わえる名店です。看板メニューの「かき揚げそば」は、そばが見えないほどの巨大かき揚げがトッピングされています!思わず写真を撮りたくなる1杯です。

そば屋 彦三の「かき揚げそば」。かき揚げには春菊、そばの実、桜エビが絶妙なバランスで入っている

西馬音内そばのおすすめ店 道の駅うご 端縫いダイニング

羽後町の観光拠点「道の駅うご 端縫いの郷」でも西馬音内そばを楽しめます!お好みのトッピングを選べるセルフ方式で、地元で採れた季節の食材も提供されています。

冷がけスタイルが一般的ですが、温かいそばも選べます

秋田県南部で採れた「せり根の天ぷら」も(提供内容は仕入れ状況により変更あり)

手打ちそばはほどよくコシがあり、鰹と昆布のつゆとの相性もバツグン。どのトッピングもおいしそうなので、迷ってしまうかも。「道の駅うご 端縫いの郷」では、おみやげやジェラートなどの販売のほか、予約制で楽しいそば打ち体験も。観光される際はぜひ立ち寄ってみてください。

自分で打ったそばは格別のおいしさ ※予約・問い合わせは羽後町観光物産協会(0183-55-8635)まで

西馬音内そばまつり

毎年10月下旬頃に羽後町活性化センターでは、西馬音内そば職人やそば打ち愛好家たちが自慢の腕を披露する、「西馬音内そばまつり」が開催されます。風味豊かな新そばを、「挽きたて」、「打ちたて」、「ゆでたて」で味わえるイベントです。

羽後町のお立ち寄り観光スポットのおすすめ3選

羽後町のお立ち寄り観光スポットのおすすめ3選 黒澤家住宅

羽後町のお立ち寄り観光スポットのおすすめ3選 黒澤家住宅

18世紀初頭は染屋として開業し、江戸時代後期には肝煎りを務めた黒澤家。現在も黒澤家が住んでいて、外観のみ見学可能です。(※内部見学は行っていません)

道路に面して細長い短冊状の造りなどは、秋田藩の典型的な町屋の建築様式となっています。

道路に面して見学しやすい「黒澤家住宅」。近くにある看板も要チェック

羽後町のお立ち寄り観光スポットのおすすめ3選 鈴木家住宅・染付蔵

羽後町のお立ち寄り観光スポットのおすすめ3選 鈴木家住宅・染付蔵

源義経の郎党、鈴木三郎重家を祖とした歴史を持つ家系で、母屋は1600年代後半の建築と推定されています。東北の鈴木という姓はここから始まったとされていて、全国の鈴木さんとの交流も行っています。

歴代当主が集めた陶磁器や浮世絵などが保管・展示されている内蔵も見学できます

内部見学:大人500円
内部見学のほか、1日1組限定(最大7名)で宿泊することもできます。※素泊まりのみ
<宿泊料金:1人15000円(4月~10月)、10000円(11月~3月)>

羽後町のお立ち寄り観光スポットのおすすめ3選 鎌鼬美術館

羽後町のお立ち寄り観光スポットのおすすめ3選 鎌鼬美術館

舞踏家・土方巽を被写体に、写真家の細江英公が撮影した写真集『鎌鼬』にまつわる展示や映像上映を行っている「鎌鼬美術館」。かつて明治時代の農豪が暮らしていた「旧長谷山邸」の土蔵を改修した美術館です。

写真集『鎌鼬』の初版本や羽後町田代を再訪した細江英公氏を追った映像作品などが楽しめます

入館料:大人300円、高校生以下は無料

羽後町のお立ち寄り観光スポットのおすすめ3選 旧雄勝線電車車両保存庫

羽後町のお立ち寄り観光スポットのおすすめ3選 旧雄勝線電車車両保存庫

昭和3年から昭和48年まで、羽後~湯沢間の輸送・交通機関として住民から親しまれてきた「雄勝線」。当時の西馬音内駅~梺駅の沿線であった元西地区の県道57号線沿いには、開業当初から晩年まで雄勝線で活躍した木造電動客車「デハ3」の車両保存庫があります。電車マニアには必見のスポットです!

歴史を感じる運転台

日本の原風景をまるごと楽しめる、秋田県羽後町

日本の原風景をまるごと楽しめる、秋田県羽後町

いかがでしたか?700年以上の歴史がある「西馬音内盆踊り」や古くから親しまれる「西馬音内そば」、この土地のシンボルとして輝きながら、現在も存続している「歴史的建造物」の数々…。これらを1日でまわるにはもったいない!

歴史・伝統・食・日本の原風景をまるごと楽しめる、秋田県羽後町。非日常を体験しに、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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