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LCCを利用して沖縄に安く行ける?ANA・JALとのトータルコストを予約時期ごとに比較調査! 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2021年9月17日

LCCを利用して沖縄に安く行ける?ANA・JALとのトータルコストを予約時期ごとに比較調査!

LCCで沖縄に安く行くためには、LCCの特徴や利用条件を熟知し、リスクも想定しておくことが大切です。

予約時期やトラブルの有無によってはLCCの方がトータルで高くなることも。

本記事では沖縄に直行便があるLCCとFSCの航空券料金、手荷物料金をあわせた運賃総額を比較の上で、LCCとFSCを選ぶ際のポイントを解説します。沖縄旅行を計画する時に役立ててください。

1.LCCの基礎知識

1.LCCの基礎知識
写真:123RF

LCC(Low cost carrier ローコストキャリア)とは格安航空会社を意味します。一方、JALやANAなど従来の航空会社をFSC(Full Service carrier フルサービスキャリア)と呼びます。

LCCはFSCに含まれるサービス・設備の廃止や有料化によってコストダウンを徹底し、安い運賃を提供するのが特徴です。しかし、LCCを利用するならデメリットをあらかじめ理解し、トラブル発生時には自己対応や追加コストが必要になることも想定しておきましょう。

2.LCCのデメリットとリスク

2.LCCのデメリットとリスク
写真:123RF

FSCに含まれているサービスや補償がLCCにはないため、以下のようなデメリットやリスクが存在します。

航空会社に起因する遅延・欠航時の対応

FSCなら自社便・他社便への振替や宿・食券などが提供されるのに対し、LCCの対応は自社便への振替程度。LCCは便数が少ないため翌日以降の振替になるケースがほとんどです。

細かい規則が多く臨機応変な対応は期待できない

LCCはコスト削減のため、基本的に最小限の人員しか配置しません。そのため、原則としてチェックイン締切時間や手荷物重量の超過などに関する規則が厳しく、わずかな超過にも融通がきかないのです。コールセンターの電話もつながりにくく、FSCのように親切で臨機応変な対応もないといわれています。

運賃以外にかかるコストが多い

LCCでは座席指定や搭乗便の変更、受託手荷物や機内サービスなどが有料の場合がほとんど。さらに、カード決済手数料や受託手荷物を事前予約しない場合の追加手数料、手荷物重量超過の追加料金なども発生します。また、利用者都合のキャンセルでは払い戻されないか、自社専用ポイントでの払い戻しのみが一般的です。

搭乗手続きや乗り継ぎがFSCより不便

LCCのチェックインカウンターや搭乗・到着ゲートが遠い空港が多く、手続きに不便な場合があります。乗り継ぎに必要な時間もFSCより長めです。

満2~3才から大人と同じ料金

航空会社や運賃種別によりますが、FSCにある小児運賃(3~12歳未満)がLCCには原則的にありません。

トータルコストがFSCより高くなることも

遅延・欠航時の補償が少ないため、トラブルがあったときは利用者負担で他社便や延泊の手配・購入を行うケースも少なくありません。場合によってはトータルコストがFSC利用時よりも高くつく可能性もあるのです。

3.LCCとFSCで沖縄便の価格差はどのくらい?予約時期ごとに調査

3.LCCとFSCで沖縄便の価格差はどのくらい?予約時期ごとに調査

一般的に運賃はLCCの方がFSCよりも安いですが、予約時期によってはFSCの方が安くなる場合もあります。価格が変動するポイントは主に以下の3点です。

 

  • LCCも連休や繁忙期には運賃が上がる(平日やオフシーズンがねらい目)
  • LCCは直前になるとディスカウント運賃が出やすい
  • FSCでも1~2か月以上前の早期予約には大幅な割引が適用される

LCCとFSCの価格差を知るために、羽田・成田・関空の3空港から那覇の直行便料金を、LCCとFSCで予約時期ごとに比較してみましょう。

【検索条件】
・2020年1月20日検索
・大人1名
・往復とも平日(往路月曜・帰路水曜)で出発の1週間前・1か月前・2か月前で検索
1週間前:1/27(月)-1/29(水)
1か月前:2/17(月)-2/19(水)
2か月前:3/16(月)-3/18(水)
・検索サイト トラベルコ https://www.tour.ne.jp/j_air/
・料金は予約サイトに支払う運賃の総額(消費税・空港使用料・手配手数料・カード決済手数料込)で、最安値と最高値を調査
・時刻表は2020年1月20日現在のもの

 

①羽田-那覇(JAL・ANA・スカイマーク)

※ソラシドエアが臨時便で直行便を運航する場合もあり

<1週間前>・・・最安値、最高値ともにLCCはFSCの半額以下!

スカイマーク 9910~14210円
JAL・ANA 21210~29510円

出発直前に予約する場合、LCCはFSCのほぼ半額以下です。

<1か月前>・・・最安値は同じくらい、最高値はLCCがFSCの半額以下

LCC 9410~16210円
FSC 9510~39110円

早期割引が適用されたFSC料金はLCC料金とほとんど変わらないです。ただし、最高値についてはLCCの16000円程度に対し、FSCでは40000円近くなります。連休やハイシーズンなどは1か月前でもFSCの早期割引運賃の空席がなくなる場合があり、その場合は、やはりLCCのほうが安いです。

<2か月前>・・・最安値はFSCだが、出発の時間帯に注意

LCC 9910~15210円
FSC 9310~20410円

出発の2か月前ではFSCの早期予約割引が大きいため、最安値はFSCになっています。
ただし、LCCより安いFSCでは那覇着が18:45、那覇発が11:25など、現地滞在時間がかなり短くなる時間の便でした。

日程に余裕のある旅行や出張なら良いですが、一般的な2泊3日の観光となるとメリットが少ないでしょう。1週間前・1か月前に予約する場合にも同じことがいえます。

②成田-那覇(ANA・ピーチ・ジェットスター)

<1週間前>・・・LCCはFSCの半額以下!

LCC 6300~10200円
ANA 27620円

出発直前に予約する場合、羽田と同様に、LCCはFSCのほぼ半額以下です。

<1か月前>・・・料金差は少ないが、ANAの便は時間帯に注意

LCC 8390~12900円
ANA 11770円

料金差は比較的少ないですが、ANAの成田-那覇路線は21:35那覇着・11:55那覇発と、短期観光旅行には向かないスケジュールのフライト1便しか設定がありません。

<2か月前>・・・便によってはほぼ同価格

LCC 8520~19500円
ANA 11870円

便によってはLCCのほうが高いかFSCとほぼ同額の場合もあります。ピーチの11:40那覇着・18:25那覇発の組み合わせなら、ANAよりも往復で4560円高くなりますが、短期観光旅行にも良いスケジュールです。

③関西国際空港-那覇(ANA・ジェットスター・ピーチ)

<1週間前>・・・最安値、最高値ともにLCCはFSCの半額以下!

LCC 6300~10090円
FSC 20460~25910円

他路線と同様に、出発間際の予約の場合、LCCはFSCのほぼ半額以下であることがわかります。

<1か月前>・・・ほぼ同価格

LCC 9000~14430円
FSC 9460~16660円

他路線と同様、出発の1か月前ではFSCの早期予約割引が大きい分、LCCとの差が小さくなっています。

出発1か月前の予約では、羽田・成田発着と同様に、FSCの早期予約割引運賃とLCCの最安値では、ほとんど同価格です。一方、最高値を比較すると、LCCがFSCよりも2000円程度安いことがわかります。

<2か月前>・・・最安値・最高値ともにFSCの方が安い

LCC 9070~23590円
FSC 8660~15960円

FSCでは出発1か月前よりも早期予約割引が大きく、最安値・最高値ともLCCより安くなっています。那覇滞在時間が長くなるフライトを選ぶとすると、LLCもFSCも15000円前後です。

全国各地からの沖縄行きのLCC運航スケジュール(発着時間・運行本数)は下記の記事で詳しく紹介していますので、そちらも参考にしてください。

4.各社の手荷物預け入れ料金も把握しよう

トータルコストでLCCとFSCを比較したいなら、各社の手荷物預入料金も把握しておきましょう。

ここでは、20kg未満のスーツケース1個を預ける場合にかかる料金をLCCとFSCで比較してみます。いずれも、最安の運賃種別を基準に片道分を記載します。

※ピーチとジェットスターは受託手荷物を依頼するタイミングによって料金が変わります。

 

【ピーチ】

700円(ネット予約)
2800円(コールセンター・空港カウンターで申し込んだ場合)

 

【ジェットスター】

15kgまでの料金を基準とし、超過分が1kgごとに加算される。

1600円(ネット予約 ※15kgまでなら1300円)
3600~7600円(空港カウンターで申し出た場合。15kgまで3600円+超過1kgあたり800円
4500~8500円(搭乗ゲートで預ける場合。基本料金4500円+超過1kgあたり800円)

 

【JAL・ANA・スカイマーク・ソラシドエア】

無料

スカイマークやソラシドエア、後述のスターフライヤーのように受託手荷物が20kgまで無料のLCCもありますが、一般的にLCCでは受託手荷物料金が発生します。特に、受託手荷物事前予約の有無で料金に差が生じる点に注意が必要です。

 

5.手荷物預入料金も含めたトータルコスト比較

上で紹介した各社の手荷物預入料金も考慮した上でLCCとFSCの料金差を検証します。

 

①羽田-那覇の場合

4社とも20㎏までは手荷物無料なので、予約時点で最安値の航空券を選べばOK

羽田―那覇線に就航している4社(JAL・ANA・スカイマーク・ソラシドエア)は20kgまでの受託手荷物料金が無料なので、予約のタイミングで安い航空券を選べば良いでしょう。運賃の差額が最大なのは出発1週間前で、差額は11300~15300円です。出発2か月前をみると、3社(JAL・ANA・スカイマーク)の最安値では差額がほとんどありません。

 

②成田―那覇、関空―那覇の場合

直前ならLCCの方が総額で2万円程度安い

出発2か月前なら総額ではあまり変わらない

出発1週間前の最安値はピーチの6800円(受託手荷物料金込みで8500円)なの
で、ANAの27620円との差額は19120円。
出発2か月前の最安値はジェットスターの8520円(受託手荷物料金込みで10120円)なので、ANAの11870円との差額は、わずか1750円です。関空の場合もほぼ同じといえます。

 

まとめ:直前ならLCC、1~2か月前ならFSCで予約するのがおすすめ

出発の1週間前など直前に航空券を購入する場合は、受託手荷物料金を払うことを考えても、LCCのほうが圧倒的に安い場合が多いでしょう。

しかし、出発の1~2か月前ではLCCとFSC間の差額が小さいため、受託手荷物料金を考慮すればFSCのほうがお得になる可能性が高くなります。さらに、サービスや遅延・欠航時の対応も考慮すると、早めに予約できる場合はFSCを選ぶほうが安心といえるでしょう。

予約時期ごとのトータルコストを考えたうえで、LCCとFSCを上手に使い分けて、お得な沖縄旅行を実現させたいですね。

 

※記事で紹介している各種料金は2020年1月20日現在、トラベルコで検索した結果です。
各社の運賃や手荷物料金、便は変更となる可能性がありますので、ご利用の際は必ず最新情報をご確認ください。

 

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