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【京都】源氏物語・紫式部ゆかりのスポット10選!初心者も安心の王道スポットで平安時代へタイムトリップ! 画像:写真AC

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2024年3月14日

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【京都】源氏物語・紫式部ゆかりのスポット10選!初心者も安心の王道スポットで平安時代へタイムトリップ!

2024年の大河ドラマ「光る君へ」の放送で、かつてないほどの注目を集める「平安時代」、そして「源氏物語」とその作者「紫式部」。

物語の舞台となり、紫式部の生きた京都は、複数のゆかりの地があります。そこで今回は、源氏物語が好きな筆者が、京都でのおすすめのスポットを紹介します!

どこよりも詳しく、わかりやすく紹介しているので、平安時代や紫式部、源氏物語に興味のある方はぜひチェックしてみてください。

源氏物語&紫式部ゆかりのスポットを巡ろう〜嵯峨嵐山エリア〜

京都での源氏物語と紫式部ゆかりの地は、あちこちに点在しているため、車がないと全てを巡るのは難しいかもしれません。そのため、旅行初心者さんや車がない人は、スポットが集中しているエリアを巡るのがおすすめです。

まずは、京都を代表する観光スポット・嵯峨野と嵐山エリアにあるゆかりの地を紹介します!

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット①清涼寺

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット①清涼寺
画像:写真AC

源氏物語&紫式部ゆかりのおすすめスポット一つ目は、清涼寺です。

光源氏には複数のモデルがいるとされ、そのうちの一人とされるのが源融(みなもとのとおる)ですが、清涼寺(通称:嵯峨釈迦堂)は、彼の別荘・栖霞観(せいかかん)の跡地です。

さらに源氏物語の中では、光源氏が造営した「嵯峨野の御堂」がこの清涼寺。なお光源氏はここで出家し、晩年を過ごしたとされています。

清涼寺は桜や紅葉の名所でもあり、境内は広いので、お参りして庭園を散策してみましょう。宝物館が特別公開しているときは、ぜひ国宝の阿弥陀如来像をお参りを。源融の供養のために造られたため、「光源氏移し顔」とも言われています。

アクセスは、嵯峨嵐山駅より徒歩15分、市バスや京都バス「嵯峨釈迦堂前」下車、徒歩1分。

<筆者おすすめポイント&豆知識>

源氏物語好きライター
源氏物語好きライター
源氏物語の中では、絵合(えあわせ)、松風の巻で、清涼寺とされる「嵯峨野の御堂」が登場。若菜上の巻では、紫の上が光源氏の四十の賀のために、ここで薬師仏を供養しています。さらに光源氏が亡くなったあとに続く物語、宇治十帖の宿木(やどりぎ)の巻では、薫の君が「光源氏は嵯峨の院(※嵯峨野の御堂のこと)で晩年の2〜3年前に出家した」と語っています。

境内には「京料理 ゆどうふ 竹仙」があるので、嵐山観光で一息つきたいなら寄ってみて。ゆどうふのコース料理のほか、豆腐ソフトクリームやお抹茶とお団子などの甘味もいただくことができますよ。

京料理 ゆどうふ 竹仙

住所
京都府京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46清凉寺境内
交通
嵐電嵐山本線嵐山駅から徒歩15分
営業期間
通年
営業時間
10:00~16:00(閉店17:00)、17:00~20:30(閉店21:30、10~25名の予約のみ、要予約)
休業日
木曜、4・11月は無休(夏・冬期は臨時休あり)
料金
ゆどうふおきまり(昼)=3850円・4400円/ゆどうふ懐石(要予約)=5500円・7700円/

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット②大覚寺

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット②大覚寺

源氏物語&紫式部ゆかりのおすすめスポット二つ目は、大覚寺です。

嵯峨天皇の離宮(嵯峨御所)として建立され、後にお寺に改められた大覚寺。先ほどご紹介した源融は嵯峨天皇の皇子であり、大覚寺は清涼寺から歩いて15分のところにあります。

このエリアが嵯峨と呼ばれるのは、三筆の一人であった嵯峨天皇が由来ですが、広大な敷地面積を誇る大覚寺は嵯峨野エリアでも必見のスポットです。地図からわかるように、お堂エリアと大沢池エリアがあり、散策には時間がかかるので、参拝したい箇所をチェックしておきましょう。

源氏物語の中では松風の巻で、「建立した御堂(※清涼寺)が大覚寺の南」にあると記されています。

<筆者おすすめポイント&豆知識>

源氏物語好きライター
源氏物語好きライター
平安貴族の荘厳さを思わせる大覚寺の庭園は、日本最古の林泉(林や泉などのある庭園)です。こちらは嵯峨天皇ゆかりの地ですが、光源氏と同じように臣籍に下った源融とその父の関係は、源氏物語に通ずるものがあります。

平安時代や源氏物語の世界に想いを馳せてみたい、体感してみたい人におすすめですよ。

大覚寺

住所
京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
交通
JR京都駅から電車で約17分、JR山陰本線嵯峨嵐山駅下車。嵯峨嵐山駅から徒歩約20分
営業期間
通年
営業時間
9:00~17:00(閉門)、受付は~16:30
休業日
無休(寺内行事時は臨時休あり)
料金
お堂エリア500円、大沢池エリア300円(障がい者手帳持参で拝観料無料)

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット③野宮神社

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット③野宮神社

源氏物語&紫式部ゆかりのおすすめスポット三つ目は、野宮神社です。

縁結びとしても有名な野宮神社は、源氏物語においては、光源氏と六条御息所の美しい別れの舞台として有名です。

清涼寺や嵯峨嵐山駅からは徒歩12分と少し歩きますが、嵐山の竹林の小径の中にあるので、情緒たっぷり。小ぢんまりとした神社ですが、境内社は5つあり、良縁・子宝・学問の神様が祀られているため、1年を通して多くの人が参拝している人気スポットです。

すべての境内社をお参りしたあと、最後に神石の「お亀石」をなでながらお祈りしましょう。 一年以内に願い事が成就すると言われています。

<筆者おすすめポイント&豆知識>

源氏物語好きライター
源氏物語好きライター
平安時代、ここ野宮は、伊勢神宮へ赴く斎宮に選ばれた皇女が3年間身を清める潔斎の地でした。源氏物語の中では、六条御息所の娘(のちの梅壺の女御→秋好中宮:あきこのむちゅうぐう)が、斎宮に選ばれたため、親子で潔斎に入っていたところ、光源氏がお忍びで訪れます。長い間、六条を放置していた源氏ですが、いざ六条と離れるとなると惜しくなり、伊勢行きを止めにかかって、六条は心が揺らぐ…。と女性を振り回すシーンなのですが、このときの情景描写が源氏物語五十四帖のなかでも、とくに美しいとされ、好きな人が多いですよ。

そんな野宮神社の一番の注目ポイントは、物語にも登場する「黒木の鳥居」。クヌギの木をそのまま使用した鳥居は、日本でここだけの貴重なもの。静謐で神々しく感じられます。

野宮神社

住所
京都府京都市右京区嵯峨野宮町1
交通
嵐電嵐山本線嵐山駅から徒歩5分
営業期間
通年
営業時間
境内自由(社務所は9:00~17:00)
休業日
無休
料金
えんむすびお守り(根付け型)=500円/えんむすびお守り=500円/指輪御守=1000円/幸守り=500円/子宝・安産お守り=500円/

源氏物語&紫式部ゆかりのスポットを巡ろう〜宇治エリア〜

源氏物語&紫式部ゆかりのスポットを巡るなら、源氏物語の舞台として名高い「宇治」も見逃せません。実は光源氏を主人公する本編ではなく、源氏が亡くなったあと、子孫たちが主役として描かれる「宇治十帖」の舞台です。

宇治には平等院や三室戸寺などがあり、抹茶スイーツのお店も多く、京都でも人気の観光地なので、一緒に源氏物語ゆかりの地を巡ってみてはいかがでしょうか。

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット④宇治神社・宇治上神社

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット④宇治神社・宇治上神社

初めにご紹介する宇治エリアの源氏物語&紫式部ゆかりのおすすめスポットは、宇治神社・宇治上神社です。

宇治巡りをするのに欠かせない宇治神社と宇治上神社。このエリアには平安時代よりもはるか昔、古墳時代のころ、応神天皇の離宮があったとされています。応神天皇の皇子・菟道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと)は、宇治神社と宇治上神社のご祭神であり、宇治十帖に登場する姫君たちの父・八の宮のモデルとの説があります。

なお、宇治神社は本殿は鎌倉時代のものであるものの、なんと創祀1700年。古くより地域の産土神(うぶすな)として愛されてきました。

そして対の宇治上神社は、本殿は平安時代のもので日本最古。世界文化遺産に登録されています。この宇治上神社のあたりは、源氏物語では八の宮の邸宅がある設定なので、源氏物語の世界に想いを馳せるのにぴったり。

アクセスは、京阪宇治駅から8分のところに宇治神社があり、宇治上神社はすぐ隣です。

<筆者おすすめのポイント&豆知識>

源氏物語好きライター
源氏物語好きライター
源氏物語に登場する八の宮は、光源氏の異母弟にあたるものの、勢力争いに巻き込まれ、源氏とは疎遠に。さらに都にあった邸宅が火事に見舞われる災難に遭ったことが、橋姫の巻で回想で描かれています。

本編では出番のなかった八の宮ですが、都から離れた宇治に移り住み、宇治十帖では娘たちが光源氏の息子・孫との恋模様を繰り広げます。宇治神社と宇治上神社は「さわらびの道」を通り2分の距離。源氏物語には「早蕨(さわらび)」の巻があります。

ちなみに宇治神社では、しおり型の源氏物語おみくじがあり、作中に登場する和歌が詠まれているので、ぜひ引いてみてくださいね。

宇治神社の源氏物語おみくじ

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑤源氏物語「宇治十帖」古跡(モニュメント)

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑤源氏物語「宇治十帖」古跡(モニュメント)

次にご紹介する源氏物語&紫式部ゆかりのおすすめスポットは、源氏物語「宇治十帖」古跡です。

宇治には、宇治十帖の古跡やモニュメント(記念碑)が点在しており、巻名が石碑に刻まれ、それぞれの舞台と思われる場所に建てられています。

巻の順に挙げると、
橋姫、椎本(しいがもと)、総角(あげまき)、早蕨、宿木、東屋、浮舟、蜻蛉、手習(てならい)、夢浮橋(ゆめのうきはし)
と10箇所あり、全てを回るのは車がないと大変かもしれません。

なので徒歩で巡るなら、JRの宇治駅を起点、京阪宇治駅を終着点として、平等院や夢浮橋広場、宇治神社・宇治上神社、源氏物語ミュージアムを回る際に、夢浮橋、橋姫、宿木、早蕨、総角、椎本、東屋は通るので要チェック。

このほか、「夢浮橋ひろば」には、石碑のほか紫式部像があり、平等院と宇治神社をつなぐ「朝霧橋」のたもとには、源氏物語に登場する「匂宮(におうのみや)と浮舟」の像があるので、こちらも忘れずに。

<筆者おすすめポイント&豆知識>

源氏物語好きライター
源氏物語好きライター
源氏物語、宇治十帖の最後の巻である「夢浮橋」は、「橋」とついているものの現実にある橋ではありません。

1000年前の物語を象徴するような、現代にも通ずるような、世のはかなさや男女間の難しさを表しているのかも…と紫式部の伝えたいことを想像してみるのも面白いかもしれないですね。

宇治市公式サイト掲載の情報はこちら

橋姫神社

住所
京都府宇治市宇治蓮華46
交通
京阪宇治線宇治駅から徒歩10分
営業期間
通年
営業時間
境内自由
休業日
無休
料金
情報なし

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑥宇治市源氏物語ミュージアム

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑥宇治市源氏物語ミュージアム

続いてご紹介する源氏物語&紫式部ゆかりのおすすめスポットは、宇治市源氏物語ミュージアムです。大河ドラマの放送で、源氏物語や平安時代の世界観を知りたいと思っている人に特におすすめの場所です!

光源氏の邸宅・六条院の模型や、当時の貴族が乗った網代車(あじろぐるま)、当時の装束といったものが再現、展示されているほか、物語への理解を深めるために、音声や美しい映像・照明を存分に生かしたシアターや、アニメ、さらには、香道(源氏香)の紹介も。

源氏物語には、登場人物が約500人、和歌が795首も詠まれているため、物語全部を一度に理解するのは大変ですが、まずは宇治十帖から学んでみてもいいですね。

<筆者おすすめのポイント&豆知識>

源氏物語好きライター
源氏物語好きライター
模型や映像美など視覚に訴える展示のほか、珍しいのが香道の体験コーナーがあること。「源氏香」と呼ばれる香りの組み合わせを当てる遊びで、香の図は全部で52通り。物語の巻名で冒頭の「桐壺」と最後の「夢浮橋」をのぞいた52個が用いられています。クイズとなっている香りは毎日変わるとのことで、香りの聞き分けを正解する人は少ないようですよ。

源氏香自体は、後年になってできたものですが、平安時代の貴族は「薫物(たきもの)合わせ」と呼ばれる香の遊びをしていたので、ぜひ体験してみてください。

 

宇治市源氏物語ミュージアム

住所
京都府宇治市宇治東内45-26
交通
京阪宇治線宇治駅から徒歩8分
営業期間
通年
営業時間
9:00~16:30(閉館17:00)
休業日
月曜、祝日の場合は翌日休(年末年始休)
料金
大人600円、小人300円(20名以上の団体は大人480円、小人240円、宇治市在住の70歳以上の高齢者、障がい者等手帳持参で本人と介護者は無料、市外在住者で障がい者等手帳持参で本人と介護者は半額)

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑦平等院

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑦平等院

続いてご紹介する源氏物語&紫式部ゆかりのおすすめスポットは平等院です。

10円玉に描かれている、言わずと知れた平等院の国宝・鳳凰堂。世界文化遺産でもある平等院は、もとは平安時代随一の権力者・藤原道長の別荘地でした。さらに時を遡れば、源融の別荘地でもあったのです。

現在の平等院は、道長の死後、息子の頼通が寺院として改めて建立しました。阿字池に浮かぶ豪華絢爛な建物や庭園、そして当時は宇治川や山並みなどの景色も含めて、極楽浄土を再現しています。

京都の観光スポットとしても不動の人気を誇る平等院ですが、広大な敷地と荘厳な建物の造りには、思わずため息がもれてしまいますね。

<筆者おすすめのポイント&豆知識>

源氏物語好きライター
源氏物語好きライター
紫式部が仕えた中宮彰子(しょうし:藤原彰子・ふじわらのあきこ)の父が、時の権力者・藤原道長です。その道長の別荘地だったと考えると、平等院は平安時代の貴族社会の一面をうかがい知ることのできるスポットと言えるでしょう。

また、道長も光源氏のモデルの一人とされているので、もう一人のモデル・源融とともに、二人の光源氏ゆかりの地と言っても過言ではありません。

 

平等院

住所
京都府宇治市宇治蓮華116
交通
京阪宇治線宇治駅から徒歩10分
営業期間
通年
営業時間
8:30~17:15(閉門17:30)、鳳翔館は9:00~16:45(閉館17:00)、鳳凰堂内部拝観は9:00~16:10(拝観開始は9:30~)
休業日
無休(荒天時)
料金
拝観料(庭園+平等院ミュージアム鳳翔館)=大人600円、中・高校生400円、小学生300円/鳳凰堂内拝観料=300円/(25名以上の団体は大人500円、中・高校生300円、小学生200円、鳳凰堂内拝観料別途300円、障がい者手帳持参で本人と介護者1名拝観料半額)

筆者おすすめの源氏物語&紫式部ゆかりの地

ここからは、源氏物語が大好きな筆者がおすすめする源氏物語&紫式部ゆかりのスポットを、エリアにこだわらずにご紹介します!

京都にはたくさんの関連スポットがありますが、初心者さんでも行きやすいよう、バスや電車でアクセスできるところをピックアップしてみました。ぜひ巡ってみてください!

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑦渉成園(河原院)

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑦渉成園(河原院)

源氏物語&紫式部ゆかりのスポットとしておすすめなのが、京都駅からほど近い東本願寺の飛地境内にある庭園「渉成園」です。江戸時代に、徳川家光が土地を1万坪を寄進し、造営されました。後年、江戸時代後期には美しい建物や風景に、歴史家の頼山陽(らいさんよう)が「渉成園十三景」と名付けています。

平安時代を思わせる美しい渉成園は、実は源融の邸宅「六条河原院」があったとされる地でもあり、この六条河原院は、光源氏の邸宅「六条院」のモデルでもありました。

源氏物語の六条院では、春夏秋冬のそれぞれのエリアに分けて、庭園に趣向をこらす贅沢な造りだったため、現実の六条河原院も相当な大邸宅だったと考えられます。ちなみに渉成園は、六条河原院の一部とされていますが、雰囲気を味わえるのでおすすめです。

<筆者おすすめポイント&豆知識>

源氏物語好きライター
源氏物語好きライター
源融は百人一首では「河原の左大臣」の名で知られていますが、この河原院にちなんでいます。またこの周辺の塩竈町、塩小路通の名称は、源融が陸奥(みちのく)の多賀城国府として赴任したのか、訪れたのかで、現在の宮城県塩竈市とゆかりがあったためとされています。百人一首で詠まれた「みちのくの〜」の理由がわかった気がしますよね。

また源氏物語の作中では、直接名前は出てきませんが、夕顔の巻で、光源氏が夕顔との一夜を明かした「なにがし(某)の院」は、この六条河原院とされています。

渉成園(枳殻邸)

住所
京都府京都市下京区下珠数屋町通間之町東入ル東玉水町
交通
JR京都駅から徒歩10分
営業期間
通年
営業時間
9:00~16:30(閉門17:00)、11~翌2月は~15:30(閉門16:00)
休業日
無休
料金
庭園維持寄付金=大人500円~、高校生以下250円~/(ガイドブック贈呈)

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑧廬山寺

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑧廬山寺

続いておすすめしたい源氏物語&紫式部ゆかりのスポットは、紫式部の住まいの跡地といわれる廬山寺。この地は紫式部の曽祖父・藤原兼輔(かねすけ)が建てた邸宅があったとされています。廬山寺自体は、ここより北西にある船岡山に創建され、織田信長や豊臣秀吉の時代に現在の地へと移りました。

この地で源氏物語などの作品が執筆されたため、昭和の時代に白砂と苔が美しい「源氏庭」が造られ、今なお多くの人の心を癒しています。

アクセスは、市バス「府立医大病院前」下車、徒歩3分。京都御所のそばです。

<筆者おすすめのポイント&豆知識>

源氏物語好きライター
源氏物語好きライター
廬山寺は桔梗の寺としても有名で、源氏庭には1000株もの桔梗が植えられています。ぜひ見頃の初夏〜夏に参拝してください。優美で可憐な姿で出迎えてくれます。紫色に美しく染まる源氏庭に、より紫式部のおもかげを感じられるでしょう。

ちなみに奈良時代の頃には、桔梗は現在の朝顔とされていたため、源氏物語においても「朝顔=桔梗」の説がありますが、実は手習の巻で「女郎花、桔梗など咲き始めたるに〜」の記述があるため、平安時代には朝顔と桔梗は別物で、現代のものと同じと考えられます。

廬山寺

住所
京都府京都市上京区寺町通広小路上ル北之辺町397
交通
JR京都駅から市バス205系統四条河原町北大路バスターミナル行きで20分、府立医大病院前下車、徒歩3分
営業期間
通年
営業時間
9:00~16:00(閉門)
休業日
無休(臨時休あり、12月31日~翌1月2日休、2月1~9日休)
料金
大人500円、小人400円(30名以上の団体は大人400円、障がい者手帳持参で本人のみ100円引)

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑨上賀茂神社・片山御子神社(片岡社)

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑨上賀茂神社・片山御子神社(片岡社)

続いてご紹介する源氏物語&紫式部ゆかりのスポットは、1300年の歴史を持つ、京都最古の神社のひとつ「上賀茂神社」。この上賀茂神社の境内摂社で、片山御子神社(通称:片岡社・かたおかのやしろ)は、紫式部ゆかりの地として有名です。平安時代より良縁を願う人々の信仰が篤く、紫式部も参拝したとされ、和歌が残されています。

なお、源氏物語で上賀茂神社といえば、有名な「車争い」に触れたほうがよいでしょう。葵の巻に描かれる、葵の上(正妻)と六条御息所(愛人)の争いのことで、賀茂祭(葵祭)の前に行われる御禊(ごけい)の日に起きたものでした。光源氏が式の行列に参加するため、その姿をこっそりと見学しようとしていた六条の車を、正妻が押し退けた形となったのですが、まさに正妻と愛人のバトルといえますね。ちなみに葵祭は、現代まで1500年続く神社の例祭で、京都御所を出発し、下鴨神社を経て、終着が上賀茂神社です。

<筆者おすすめポイント豆知識>

源氏物語好きライター
源氏物語好きライター
京都駅からはバスで1時間と少し遠いのですが、京都を訪れたらぜひ参拝してほしい神社です。上賀茂神社は21年ごとの式年遷宮があるため、社殿は平安時代と変わらない姿を保ち、片岡山をのぞむ景色も1000年前と変わらないとされています。そして片岡社では紫式部ゆかりの地であることから、紫式部が描かれた絵馬を奉納することが可能ですよ。

余談ですが、百人一首の「風そよぐならの小川の夕暮れは〜」に詠まれている「ならの小川」は、奈良市の川ではなく、ここ上賀茂神社の境内を流れている御手洗(みたらし)川のことなので、鎌倉時代の歌ではあるものの、参拝時にはこちらも要チェックです。

片岡社(上賀茂神社)

住所
京都府京都市北区上賀茂本山339
交通
JR京都駅から市バス9系統西賀茂車庫前行きで40分、上賀茂御薗橋下車、徒歩3分
営業期間
通年
営業時間
5:30~17:00(閉門)、特別拝観は10:00~16:00、土・日曜、祝日は~16:30、春・秋期は9:00~
休業日
無休
料金
縁結び守=800円/結びの矢=300円/

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑩石山寺

源氏物語&紫式部ゆかりのスポット⑩石山寺

続いてご紹介する源氏物語&紫式部ゆかりのスポットは、紫式部ゆかりの地としてとくにおすすめしたい「石山寺」です。京都ではなく、滋賀県大津市にあるのですが、京都駅から石山駅までは約15分なので、ぜひ参拝してください。紫式部が「源氏物語の執筆を始めた地」とされています。才に溢れた紫式部が、中宮彰子から物語を書いて欲しいと懇願されたため、ここ石山寺に籠って7日間、観音様に祈り続けました。

石山寺の観音様は、清水寺と奈良の長谷寺とあわせて三観音とされ、平安時代、女性たちは観音様に願いごとを叶えてもらうために、石山詣(もうで)が流行していました。現在でいうパワースポットを訪れるのと似ているかもしれません。「蜻蛉日記」「更級日記」「和泉式部日記」にも石山寺は登場しています。

境内では「大河ドラマ館」と「源氏物語 恋するもののあはれ展」が開催されているので、あわせて見学したいところ。また、2024年9月まで、紫式部の似顔絵大賞も開催されています。

<筆者おすすめポイント&豆知識>

源氏物語好きライター
源氏物語好きライター
観音様に祈った紫式部は、琵琶湖に映った月に、貴公子が都の月を懐かしく思うというインスピレーションが沸いたようです。そのため、源氏物語の筆始めは、光源氏が左遷された須磨の巻であったとされています。ちなみに源氏物語では、四季を通して様々な月のシーンが描かれていますが、琵琶湖に映った月が関係しているのかもしれませんね。

なお、石山寺は花の寺としても名高く、とても広い境内は四季折々の花が楽しめるため、のんびり散策するのもおすすめです。そして石山寺をお参りしたあとは、名物の石餅をぜひお土産に。2024年1月から、土日のみですが、土佐光起筆「紫式部石山寺観月図」をパッケージにデザインした限定の石餅が販売されています。令和6年限定なので、ぜひゲットしてくださいね。

石山寺

住所
滋賀県大津市石山寺1丁目1-1
交通
京阪石山坂本線石山寺駅から徒歩10分
営業期間
通年
営業時間
8:00~16:00(閉門16:30)
休業日
無休
料金
大人600円、小人250円(障がい者手帳持参で無料、介護者1名半額)

源氏物語&紫式部ゆかりのスポットで平安時代から令和の現代へ紡がれる物語を知ろう

古典文学の最高峰、そして世界最古の長編小説「源氏物語」。政(まつりごと)に深く関わり、権力争いや人間模様、そして恋に悩む様は、1000年前も現代も、人間は変わらぬことを物語では示しています。

大河ドラマで紫式部の人生を垣間見たら、源氏物語の世界にもぜひ触れてみてくださいね。源氏物語&紫式部ゆかりのスポットめぐりを楽しみましょう!

文・やくしじ 紫

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