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【馬籠・妻籠観光】2つの宿場町を満喫! かつての旅人気分で探訪しよう♪

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2024年7月26日

【馬籠・妻籠観光】2つの宿場町を満喫! かつての旅人気分で探訪しよう♪

岐阜県馬籠(まごめ)と長野県妻籠(つまご)は、江戸時代の五街道のひとつ中山道にある人気の宿場町です。
かつて宿場町として栄えた歴史ある町には、現在も石畳の坂道沿いにみやげ店などが多く並んでいます。

そんな馬籠・妻籠観光のポイントや見どころを集約。
事前にしっかりチェックして、旅のプランニングに役立ててくださいね。

馬籠・妻籠観光のポイント① 馬籠・妻籠ってどんなところ?

まずは、馬籠・妻籠がどんなところなのかおさらいしましょう。歴史背景を知って訪れると、より楽しめること間違いなし!

中山道(なかせんどう)とは

江戸時代に整備された五街道のひとつで、東京の日本橋から京都の三条大橋まで、内陸経由で結ぶ。全長は約135里(約530km)、現在の東京、埼玉、群馬、長野、岐阜、滋賀、京都を通過する。厳しい山道が多かったからか、五街道のなかで最も多い69の宿場が設置されていた。

馬籠(まごめ)とは

馬籠(まごめ)とは
画像:photoAC

かつて多くの大名や旅人に利用された中山道43番目の宿場町。長野県山口村に属する地域だったが、平成の大合併により2005年に岐阜県中津川市に編入された。

山の尾根に沿って宿場が作られているため、急な坂道が多いのも特徴。山の斜面を登る石畳の坂道には、格子造りの民家や宿など、趣あふれる建物が軒を連ねる。

馬籠(まごめ)とは
画像:photoAC

また作家の島崎藤村の生誕地としても知られ、馬籠を舞台にした彼の作品には、実際に暮らしていた人々が登場するものも。作品や藤村ゆかりのスポットも見どころのひとつ。

島崎藤村とは?
1872(明治5)年に馬籠で誕生した作家(本名:島崎春樹)。彼の小説『夜明け前』や『嵐』、童話『ふるさと』などは馬籠が舞台となっており、当時を生きた人々が多く登場する。馬籠の路程には、藤村をはじめ多数の文学碑が点在している。

小説『春を待ちつゝ』の一節、『太陽のことば』碑(藤村記念館)

『初恋のうた』詩碑

妻籠(つまご)とは

妻籠(つまご)とは
画像:photoAC

中山道42番目の宿場町となる町。長野県木曽郡南木曽町に属する。中山道と伊那街道が交叉する山深いこの地は、古くから大きな賑わいを見せていた。

出梁造やうだつ、格子戸を用いた歴史ある建物は、早くから景観保存運動で守られており、1976(昭和51)年には日本で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定。工芸品を扱う店も随所に点在し、木曽の伝統文化にもふれることができる。

妻籠(つまご)とは
画像:photoAC

馬籠・妻籠観光のポイント② 馬籠・妻籠へのアクセス

【馬籠へ】
鉄道・バスの場合
名古屋駅から中津川までJR中央本線快速でおよそ1時間15分、中津川から馬籠まで北恵那交通バスで25分ほど。

車の場合
中津川ICから馬籠まで約15km。

【妻籠へ】
鉄道・バスの場合
名古屋から南木曽までJR中央本線でおよそ1時間35分、南木曽から妻籠まで南木曽町新交通システムバスで7分ほど。

【馬籠から妻籠へ】
バスの場合
馬籠から妻籠まで南木曽町新交通システムバスで約25分。
※馬籠〜妻籠間のバスは1日4本程度のため、時間を調べておくのがおすすめ。7月中旬~8月末は増便あり。

車の場合
馬籠から妻籠まで約10km。

馬籠観光のおすすめスポット6選

島崎藤村ゆかりの馬籠を観光する際にはずせないおすすめスポットを厳選。レトロな町歩きへ出発!

【馬籠観光のおすすめスポット1】藤村記念館

島崎藤村の作品と生涯をたどるミュージアム

島崎藤村の生家跡に建つ記念館で、作品原稿や遺愛品などを展示。藤村が少年時代に使用した隠居所は、岐阜県史跡に指定されている。作品原稿など、藤村にまつわるコレクションを実際に見ることができる。

【馬籠観光のおすすめスポット1】藤村記念館

正面の門をくぐった先が藤村の生家跡

藤村記念館

住所
岐阜県中津川市馬籠4256-1
交通
JR中央本線中津川駅から北恵那バス馬籠行きで30分、終点下車、徒歩7分
営業期間
通年
営業時間
9:00~16:45(閉館17:00)、12~翌3月は~15:45(閉館16:00)
休業日
無休、12~翌2月は水曜
料金
入館料=大人500円、学生400円、小・中学生100円/(障がい者手帳持参で割引あり、団体割引あり)

【馬籠観光のおすすめスポット2】清水屋資料館

島崎藤村の直筆原稿や書簡を展示

島崎家と親交の深い清水屋(原家)の家を利用した資料館。原家8代目の原一平は、小説『嵐』に登場する森さんのモデルとなった人物だ。藤村ゆかりの掛け軸や書簡を見ることができる。

【馬籠観光のおすすめスポット2】清水屋資料館

藤村が作品の構想を練ったといわれる部屋

【馬籠観光のおすすめスポット2】清水屋資料館

馬籠の宿役人でもあった原家。現在は国の登録有形文化財に

清水屋資料館

住所
岐阜県中津川市馬籠4284
交通
JR中央本線中津川駅から北恵那バス馬籠行きで30分、終点下車、徒歩4分
営業期間
通年
営業時間
9:00~17:00、12~翌3月は9:30~16:30
休業日
不定休(予約があれば開館)
料金
大人300円、小・中学生100円

【馬籠観光のおすすめスポット3】馬籠脇本陣史料館

脇本陣上段の間を復元

身分の高い役人の宿泊や休憩に使われた脇本陣、蜂谷家の跡地。当時の暮らしが再現され、木曽路の文化や制度が紹介されている。宿場町としてにぎわった往時の文化に触れることができる。

【馬籠観光のおすすめスポット3】馬籠脇本陣史料館

復元された上段の間

【馬籠観光のおすすめスポット3】馬籠脇本陣史料館

蜂谷家に残る古文書も展示される

馬籠脇本陣史料館

住所
岐阜県中津川市馬籠4253-1
交通
JR中央本線中津川駅から北恵那バス馬籠行きで30分、終点下車、徒歩10分
営業期間
通年
営業時間
9:00~17:00(時期により異なる、1・2月は要予約)
休業日
不定休
料金
入館料=大人300円、学生100円/(障がい者100円、団体30人以上2割引)

【馬籠観光のおすすめスポット4】永昌寺

島崎家が代々眠る菩薩寺

1558(永禄元)年に建立された臨済宗の古刹で、小説『夜明け前』には万福寺という名で登場。寺の裏手には『母を葬るのうた』の詩碑もある。藤村をはじめ、妻冬子、長男楠雄(くすお)、藤村の父らの墓標も並んでいる。

【馬籠観光のおすすめスポット4】永昌寺

1週間前までの予約で精進料理も味わえる

永昌寺

住所
岐阜県中津川市馬籠5358
交通
JR中央本線中津川駅から北恵那バス馬籠行きで30分、終点下車、徒歩10分
営業期間
通年
営業時間
境内自由
休業日
無休
料金
情報なし

【馬籠観光のおすすめスポット5】大黒屋茶房

小説でも描かれた栗こわめしを堪能

じっくりと炊き込んだ名物の栗こわめしは、艶やかでホクホクの食感が持ち味。藤村の初恋の人だといわれる、おゆふさんの生家でもある。

【馬籠観光のおすすめスポット5】大黒屋茶房

栗こわめし定食は3種類ある。ホクホクの栗とおこわのバランスが最高

【馬籠観光のおすすめスポット5】大黒屋茶房

和の小物を扱うギャラリーショップも併設

大黒屋茶房

住所
岐阜県中津川市馬籠4255-1
交通
JR中央本線中津川駅から北恵那バス馬籠行きで30分、終点下車、徒歩7分
営業期間
3月中旬~12月上旬(併設のギャラリーショップは通年)
営業時間
9:00~16:00(閉店16:30)
休業日
期間中無休、併設のギャラリーショップは原則無休
料金
栗こわめし定食(3種類)=1500円・1700円・2000円/ざるそば=800円/栗ぜんざい=800円/わらびもちと抹茶のセット=700円/

【馬籠観光のおすすめスポット6】茶房 四方木屋

散歩途中に和スイーツでほっと一息

藤村が息子のために移築した家を利用した茶房。和菓子とお茶のセットがそろう。手すき和紙の織染などオリジナルの民芸品も販売。

【馬籠観光のおすすめスポット6】茶房 四方木屋

栗ようかん抹茶セット

【馬籠観光のおすすめスポット6】茶房 四方木屋

手すき和紙の織染を使ったうちわ

【馬籠観光のおすすめスポット6】茶房 四方木屋

木曽馬が描かれた赤いのれんが目印。大正をイメージしたここちよい店内でお茶を味わえる

茶房 四方木屋

住所
岐阜県中津川市馬籠4257-1
交通
JR中央本線中津川駅から北恵那バス馬籠行きで30分、終点下車、徒歩7分
営業期間
通年
営業時間
11:00~16:00(L.O.)
休業日
不定休、1~2月は要問合せ
料金
栗ようかん抹茶セット=890円/うちわ=950円/

妻籠観光のおすすめスポット6選

木曽の伝統工芸を見たりふれたりできるのが妻籠観光の醍醐味。博物館や資料館を満喫したあとは、工芸品のおみやげチェックもお忘れなく。

【妻籠観光のおすすめスポット1】南木曽町博物館

生きた歴史を紹介する3館

代々妻籠宿問屋を務めてきた建物であり、案内人より囲炉裏端で昔の生活ぶりを聞ける「脇本陣奥谷」、江戸時代の建物を復元した「妻籠宿本陣」、木曽の歴史を紹介する「歴史資料館」の3館で構成。成り立ちや歴史を知ると、宿場町がより魅力的に見える。最初に立ち寄れば散策がいっそう楽しくなりそう!

【妻籠観光のおすすめスポット1】南木曽町博物館

脇本陣奥谷
1877(明治10)年に総檜造りで建て替えられた建物で、国の重要文化財にも指定

【妻籠観光のおすすめスポット1】南木曽町博物館

妻籠宿本陣
往時のままの豪壮な姿が忠実に復元されている

【妻籠観光のおすすめスポット1】南木曽町博物館

歴史資料館
宿場のあらましや保存の歩みが紹介されている

南木曽町博物館

住所
長野県木曽郡南木曽町吾妻2190
交通
JR中央本線南木曽駅からおんたけ交通馬籠行きバスで7分、妻籠下車、徒歩3分
営業期間
通年
営業時間
9:00~16:45(閉館17:00)
休業日
第2・4木曜、祝日の場合は開館(12月29日~翌1月3日休)
料金
3館共通券=大人700円、小・中学生350円/(障がい者手帳持参で本人と同伴者1名半額)

【妻籠観光のおすすめスポット2】妻籠郵便局・史料館

全国で最初に復元された黒いポスト

島崎藤村の小説『夜明け前』で開局当時の様子が描かれた妻籠郵便局を復元。約270点の資料が展示され、郵便の歴史を知ることができる。

【妻籠観光のおすすめスポット2】妻籠郵便局・史料館

復元された黒いポストは、現在も手紙を投函することができる

【妻籠観光のおすすめスポット2】妻籠郵便局・史料館

黒塗りの外観も珍しい

妻籠郵便局・郵便史料館

住所
長野県木曽郡南木曽町吾妻2197-5
交通
JR中央本線南木曽駅からおんたけ交通馬籠行きバスまたは保神行きで7分、妻籠下車、徒歩5分
営業期間
通年
営業時間
9:00~17:00(閉館)
休業日
土・日曜、祝日
料金
無料

【妻籠観光のおすすめスポット3】上嵯峨屋

庶民の旅をささえた建物

江戸中期の木賃宿を1969(昭和44)年に解体復元した、妻籠宿で最古の建物のひとつ。内部の中央が通り土間になっており、旅人は左手奥の座敷で雑魚寝した。町の有形民俗文化財に指定されている。

【妻籠観光のおすすめスポット3】上嵯峨屋

当時の木賃宿の様子がうかがえる

上嵯峨屋

住所
長野県木曽郡南木曽町吾妻妻籠
交通
JR中央本線南木曽駅からおんたけ交通馬籠行きバスまたは保神行きで7分、妻籠下車、徒歩8分
営業期間
通年
営業時間
9:00~16:45(閉館17:00)
休業日
無休
料金
無料

【妻籠観光のおすすめスポット4】光徳寺

高台の上にたたずむ気品ある古刹

石段を上がった高台に建つ寺院で、木曽七福神の霊場として恵比寿天が祀られている。人力車の原型といわれる車付きの籠など、文化財も収蔵。

【妻籠観光のおすすめスポット4】光徳寺

67段の石段の先にある寺院。城郭のような石垣と白壁に囲まれている

光徳寺

住所
長野県木曽郡南木曽町吾妻605
交通
JR中央本線南木曽駅からおんたけ交通馬籠行きバスまたは保神行きで9分、妻籠橋下車、徒歩4分
営業期間
通年
営業時間
8:00~17:00(閉門)
休業日
不定休(GW・盆時期・年末年始は営業)
料金
本堂拝観料=50円/

【妻籠観光のおすすめスポット5】茶房 ゑびや

築100年以上の古民家でひと休み

抹茶と栗きんとんのセットをはじめ、飲み物と甘味のセットが好評。昔ながらの雰囲気にほっこり。栗のお菓子にもさまざまな種類があり、どれも試してみたくなる。国内産の栗などを使った甘味のほか、みやげ用の銘菓も多彩だ。

【妻籠観光のおすすめスポット5】茶房 ゑびや

手作り寒天の歯ごたえがたまらないクリームあんみつ(左)と、夏期限定の氷ぜんざい(右)

茶房ゑびや

住所
長野県木曽郡南木曽町吾妻2176-1
交通
JR中央本線南木曽駅からおんたけ交通馬籠行きバスまたは保神行きで7分、妻籠下車、徒歩3分
営業期間
通年
営業時間
8:00~16:40(閉店17:00)
休業日
不定休(GW・盆時期・年末年始は営業)
料金
栗ぜんざい=500円/栗餡しるこ=700円/抹茶・お菓子セット=500円/

【妻籠観光のおすすめスポット6】丸田屋

曲げ物師が作る温もりあふれる伝統工芸

檜やサワラなど、木曽の木材を使った曲げ物の専門店。電子レンジで使えるものもあり、伝統の技を生かしつつ時代のニーズにも応える。木曽の曲げわっぱ「めんぱ」のほか、そばせいろや弁当箱、箸もそろい、楽しく買い物できる。

【妻籠観光のおすすめスポット6】丸田屋

電子レンジで使用OKのめんぱ

【妻籠観光のおすすめスポット6】丸田屋

長く使える漆塗りの商品も人気

丸田屋

住所
長野県木曽郡南木曽町吾妻2207
交通
JR中央本線南木曽駅からおんたけ交通馬籠行きバスまたは保神行きで7分、妻籠下車、徒歩3分
営業期間
3月中旬~12月中旬
営業時間
9:00~17:00
休業日
期間中火曜(GW・盆時期は営業)
料金
龍太めんぱ=3500円~/

馬籠・妻籠観光で往時に想いを馳せよう

馬籠・妻籠観光で往時に想いを馳せよう
画像:photoAC

宿場町としての面影が色濃く残る、馬籠と妻籠。

文豪ゆかりの町・馬籠で歴史と文学の世界に想いを馳せるもよし、
歴史的な景観がしっかり守られた妻籠で木曽の伝統文化にふれるもよし。

江戸情緒あふれる宿場町を、昔の旅人気分で思い思いに散策してみませんか。

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