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【白谷雲水峡】屋久島の神秘の森で元気をチャージ!

まっぷるマガジン編集部

更新日:2022年4月6日

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【白谷雲水峡】屋久島の神秘の森で元気をチャージ!

宮之浦川の支流、白谷川の上流に広がる森。
標高600mから1050mに6.5㎞にわたって遊歩道が延び、
苔むした巨樹や天然水の流れなどが観察できる。
アップダウンもさほどなく、初心者でも気軽に楽しめるネイチャースポットだ。

白谷雲水峡コースデータ

【難易度】★★★☆☆
【所要】往路2時間45分・復路2時間3分(休憩時間+1~2時間含まず)
【距離】6.5km
【高低差】440m

白谷雲水峡コースデータ

天然水が流れる潤いに満ちたモスフォレスト

白谷雲水峡コースデータ

苔に覆われた巨樹

白谷雲水峡コースデータ

根の下にすっぽり人が入る三本足杉

白谷雲水峡コースデータ

人の何十倍もの大きさの巨大な辻の岩屋

白谷雲水峡コースデータ

人の顔のような株が迎えてくれる

白谷雲水峡コースデータ

森のなかで時折見られるヤクシカ

コースのポイント

ガイド’sアドバイス
奉行杉コースでは大小の石をつたって沢を渡る場所が多いので足運びは慎重に。奉行杉コースと楠川歩道では雨天による増水に注意。通行止めの場合もあるので、管理棟で情報を収集しよう。

初級者向けコース
アップダウンのきつい場所もあるが、高低差は比較的少なく、初心者でも歩きやすいコース。ただし、沢を渡る場所があるので増水時はとくに足元に注意が必要。

コースのポイント

多種多様な苔が見どころ
日本に産する苔約1800種のうち、600種もの苔が見られるといわれる屋久島。フォーリースギバゴケ、オオミズゴケ、ヒノキゴケなど、まさに苔の宝庫だ。

清流沿いを歩くルート
いくつもの沢を渡る道中は、せせらぎを聞きながら、マイナスイオンに満ちた森歩きが楽しめる。水が流れる岩場では、足元に注意して歩こう。

森の妖精に会えるかも?!
小雨が降っているとき、使い捨てカメラで森を撮影してみよう。まれに雫の中に2つの目が見える影が映りこむことがある。森の妖精に出会えたみたいで感動的!

いよいよ出発!最終チェック

コース概要
所要時間別にコースがあるが、最大の見どころとなる太鼓岩を目指す。往路は飛流落としを経由し、奉行杉コースへ向かう。そこから山道となるので、ピンクのテープを目印に歩く。復路は楠川歩道を経由してさつき吊り橋へ。。アップダウンのきつい場所もあるが、高低差は比較的少なく、初心者でも歩きやすいコース。ただし、沢を渡る場所があるので増水時はとくに足元に注意が必要。

トイレ
白谷広場、白谷小屋の2か所に設置。距離が離れているのでどちらも利用したい。念のため白谷小屋にはトイレットペーパーを持っていくと安心。

いよいよ出発!最終チェック

登山届・協力金
協力金として1名500円が必要。登山届の提出は不要。

休憩・食事
三本足杉、白谷小屋、苔むす森などにベンチが置かれている。ほかは沢のほとりや広いスペースを見て対応しよう。太鼓岩に行く場合は、辻峠で昼食をとるのがおすすめ。

アクセス
スタート地点となる白谷広場には、駐車場があるが、混雑期は満車になることが多いので、路線バスを利用するのがおすすめ。

【バス】
宮之浦港から白谷雲水峡行きで35分、終点下車すぐ。片道560円。
宮之浦港発 
8:10、8:15、10:15、12:25、13:05、13:40、15:30
白谷雲水峡発 
9:00、9:05、10:50、13:00、13:45、14:15、16:10
※2021年11月現在。時間は変更する場合あり。混雑時は臨時便も。要確認

【車】
宮之浦港から白谷広場まで車で25分。駐車場の収容台数は約50台。

【タクシー】
宮之浦港から白谷広場まで、所要時間は車同様、料金目安は約4000円。

森で見つけた植物たち

【開花時期】2~3月
オオゴカヨウオウレン
屋久島を代表する固有種のひとつ。雪の残る時期から白く可憐な花を咲かせる。

【開花時期】4~6月
サクラツツジ
低山帯から1700m付近まで分布する。淡いピンク色の花は遠目から桜のように見える。

【開花時期】5~7月
サツキ
鮮やかな朱色が目をひくツツジの仲間。川や滝など水場の近くに見られる。

【開花時期】12~2月
リンゴツバキ
ヤブツバキの変種。実が大きく、リンゴのように赤く熟すことから名が付いた。

森で見つけたコケたち

屋久杉や岩などに生える小さな苔は、豊かな森の象徴。屋久杉だけじゃなく、足元にある世界遺産の小さな宝物を見つけよう。

森で見つけたコケたち

ヒノキゴケ
日陰地の腐植土に群生する。5cmから10cmほどの大きさで、フカフカの葉が特徴。

森で見つけたコケたち

オオミズゴケ
高い保水力で水を蓄える。湿度の高い森林の林床から湿原まで生息。

森で見つけたコケたち

フォーリースギバゴケ
登山中によく目にする苔。糸のような細かい茎と葉が、樹木や岩の絨毯のように敷き詰められている。

森で見つけたコケたち

ホウライスギゴケ
屋久島の森で見る確率が高い苔。類似のコセイタカスギゴケよりも低地に分布。

森で見つけたコケたち

ケチョウチンゴケ
うちわのような葉が特徴的。葉に光を当ててルーペで見ると、細胞がはっきりと見える。

森で見つけたコケたち

ヤクシマゴケ
日本では屋久島にのみ生息する。標高1000m以上の湿った花崗岩の表面などで見られる。

白谷雲水峡

住所
鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦
交通
宮之浦港から種子島・屋久島交通白谷雲水峡行きバスで40分、終点下車すぐ(冬期は運休あり)
料金
森林環境整備推進協力金=500円/(15名以上は団体料金400円)

太鼓岩を目指して神秘の森へ、トレッキングスタート!

杉と苔、そして清流が作り出す自然美が訪れる人々を魅了する白谷雲水峡。玄関口の白谷広場から滝を眺めつつ登山道を進めば、いくつものユニークな杉の大木に出会える。白谷小屋を過ぎると、白谷のぬしと呼ばれる七本杉が現れ、さらに先にはすべてが苔に覆われた苔むす森に着く。神秘的な風景は白谷雲水峡のハイライトだ。ここまで来たなら、山々の大パノラマが広がる太鼓岩まで足を延ばそう。帰りは江戸時代からの歴史がある楠川歩道で戻る。

【START】1.白谷広場

園内マップを片手にスタート!
白谷雲水峡の入り口。ここで準備運動をして、管理棟で協力金500円を納めたらトレッキングを開始。観賞ポイントや参考タイムを表記したマップがもらえる。

【START】1.白谷広場

トイレ、駐車場を備える入り口

【START】1.白谷広場

出発前に園内マップでポイントをおさえよう

2.憩いの大岩

巨大な花崗岩の一枚岩
屋久島を象徴する巨大な花崗岩の一枚岩。登山道はこの岩の上を歩いていく。意外と滑らないが、なるべく平らなところを選んで歩こう。

2.憩いの大岩

登山道は巨大な花崗岩を登っていく

3.飛流落とし

豪快な水しぶきと瀑音が響く
花崗岩の傾斜を滑り落ちる落差50mの滝。歩道脇のベンチからも見ることができ、滑走する水量は年間ほぼ変わらず、豊かな森の水を物語っている。

3.飛流落とし

せまい渓谷を流れる大迫力の滝

4.二代大杉

奉行杉コースで最初に出会う大木
一代目の切り株に、新たな杉が着生して生育している様子が見られる。根の部分は空洞になっている。力強い幹の流れは間近で見ると圧巻だ。

HISTORY
倒木・切り株の更新強風や大雨などにより倒れた木や、伐採された切り株に、新たな杉が芽吹いて生育すること。白谷雲水峡では、二代大杉、びびんこ杉、三本槍杉、二代くぐり杉・くぐり杉、と更新の杉が多い。

推定樹齢/不明
樹高/32.0m
胸高周囲/4.4m

4.二代大杉

一代目の上に二代目が成長した典型的な二代杉

5.三本足杉

今にも動き出しそうな三本足の杉
三方向に分かれた根が大地に踏ん張る足のように見えるユニークな形。転石もしくは枯死した親木をまたぐように生育したことで、根の下はくぐれるほどの広さがある。

推定樹齢/不明
樹高/25.0m
胸高周囲/3.9m

5.三本足杉

まるで三脚のように立つ

見どころ
根元の空間は転石もしくは親木が流出した後

6.びびんこ杉

肩車をしているようなシルエット
びびんことは、鹿児島の言葉で「肩車」を意味。江戸時代に伐採された切り株に新たな杉が生育したもので、肩車をしているように見える。胸高周囲は白谷雲水峡内では最大だ。

推定樹齢/350年未満
樹高/20.0m
胸高周囲/9.0m

6.びびんこ杉

公募で命名された小杉

7.三本槍杉

槍のように鋭い幹が名前の由来
斜めに倒れた杉の幹から二代目の杉が天に向かってまっすぐ3本伸びている。そのうち1本は本体が成長したもの、2本は着生したものと考えられている。倒木更新の中でも珍しいケース。

着生とは?
着生とは、土壌に根を張らず、他の植物などの上で生育することで、栄養分をその植物から取る寄生とは異なる。屋久杉は水分を含んだ苔に覆われているものが多く、その苔に他の植物の種子が付着し、成長するため、多くの着生植物が見られる。

推定樹齢/不明
樹高/25.0m
胸高周囲/2.7m

7.三本槍杉

倒木の先端から1本、途中から2本の杉が生える

8.奉行杉

どっしりと構える老樹
白谷雲水峡で最大といわれる杉。太い幹の根元には苔がびっしり生え、ゴツゴツとした木肌はまるで人の顔のようだ。名は見回りにきた奉行がここで休憩したことからついたといわれる。

推定樹齢/不明
樹高/24.0m
胸高周囲/8.5m

8.奉行杉

着生樹が右上に伸びている

見どころ
人の顔に見える木肌は右側の部分!

8.奉行杉

清冽な水が流れる沢を渡って進む

9.二代くぐり杉

切株更新でヒノキの木が生える
一代目は杉の切り株で、空洞化しているのでくぐることができる。その上に着生して育っているのはヒノキ。

9.二代くぐり杉

株の中から空が望める

10.くぐり杉

森の奥へいざなう杉のトンネル
倒木更新後、倒木が朽ちて根元に空洞ができた杉。二股に分かれた根がどっしりと木を支え、登山道はその空洞を通る。くぐるとご利益があるといううわさもある。

推定樹齢/不明
樹高/22.0m
胸高周囲/3.1m

10.くぐり杉

登山道をまたぐ杉の下を進む

10.くぐり杉

白谷小屋方面と楠川歩道の分岐に出たら辻峠を目指そう

世界遺産登録20周年記念杉

世界遺産に登録されて20年となった2013年に、それを記念して4本の杉が新たに命名された。一般公募で付けられたユニークな名前と、その特徴的な姿は注目だ。

世界遺産登録20周年記念杉

【世界遺産登録20周年記念杉❶】
シカの宿
ぽっかりと空いた空洞にシカが雨宿りする姿をイメージして付けられた。

白谷小屋でひと息入れて、緑一色の苔むす森、最大のハイライト太鼓岩へ

白谷小屋で休憩したら再出発。小屋を出てすぐ、「白谷のぬし」と呼ばれる七本杉に挨拶してから森の奥へ。徐々に深まる森に期待を寄せつつ傾斜を上ると、視界が開けて緑一色の空間が現れる。ここがうわさの苔むす森だ。日光を求めてよじれたヤマグルマや、根元に転がる花崗岩まで、見るものすべてが苔に覆われている。深呼吸すれば、森が浄化した清冽な空気が実感できるはずだ。苔むす森を堪能したあとは、開けた場所にベンチがある辻峠で昼食にしよう。ここをあとにすれば、目的地の太鼓岩まであと少し。奥深い森を抜けると、一転して180度に渡る山々の大パノラマが広がる太鼓岩に着く。岩の上を叩けば、名前の由来になった太鼓のような音色が聞こえるはずだ。復路は楠川歩道を直進し、江戸時代に伐採した杉を運んだという古道を通る。

11.白谷小屋

水分補給&休憩ポイント
トイレと水場があり最大40名を収容する避難小屋。急なスコールの雨宿りにも活用したい。休憩を兼ねて小屋の外にある水場で水分補給をしよう。

11.白谷小屋

トイレ&休憩スポット
登山道から少し入った場所に建つ

12.七本杉

「白谷のぬし」と呼ばれる大杉
折れてしまった幹のあちらこちらから7本の枝が伸びていることから名づけられたが、今は折れてしまった枝もある。まっすぐに立つ雄大な姿から「白谷のぬし」と呼ばれている。

推定樹齢/不明
樹高/18.0m
胸高周囲/8.3m

12.七本杉

堂々たる幹には多くの着生植物が見られる

見どころ
見上げると枝が四方八方に広がっているのがわかる

13.苔むす森

マイナスイオンに満ちた森で深呼吸
日光を求めてよじれた樹木や倒木、根元に転がる花崗岩まで、視界に飛び込んでくるものすべてが苔に覆われた幽玄な空間が広がる。動物の鳴き声や沢のせせらぎも聞こえず、静寂そのもの。宮崎駿監督の映画『もののけ姫』のモチーフになった場所ともいわれている。

13.苔むす森

思わず足を止めてしまう緑一色の空間

13.苔むす森

【世界遺産登録20周年記念杉❷】
武家杉・公家杉
2つの巨樹を武家と公家に現して命名。左は苔の鎧をまとった武家、右が白銀の樹皮が美しい公家。

13.苔むす森

【世界遺産登録20周年記念杉❸】
かみなりおんじ
雷に打たれた杉。その姿に年老いたじいさんをイメージしたんだとか。

14.辻峠

トレッカーたち憩いの空間
苔むす森からしばらく上ると開けた辻峠に到着。ここまでくれば、太鼓岩まであとひとふんばり。広々した空間に木製ベンチがあり、ゆっくり休憩できる。

14.辻峠

休憩スポット
足を休める登山者たちの交流の場にもなっている

15.太鼓岩

巨大な花崗岩から 感動のパノラマを一望
辻峠からさらに急勾配を進むと、ゴール地点の太鼓岩へ。まるで天空に浮かんでいるような一枚岩に立てば、標高1050mの壮大なパノラマを目にすることができる。ゴールにたどり着いた達成感とともに、雄大な景色をカメラにおさめておこう。

15.太鼓岩

4月中旬には山肌を淡いピンク色に染める山桜を眺望

15.太鼓岩

森を抜けて現れる迫力のパノラマに感動
混雑を避けるため、太鼓岩への道は上りと下りのルートがあり、一方通行。女神杉は下りのルートで見ることができる。

15.太鼓岩

【世界遺産登録20周年記念杉❹】
女神杉
巨木に幾重もの根が絡みつく杉。しなやかなシルエットから女体をイメージ。

太鼓岩

住所
鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦
交通
宮之浦港から種子島・屋久島交通白谷雲水峡行きバスで40分、終点下車、徒歩2時間15分(冬期は運休あり)
料金
森林環境整備推進協力金=300円/(15名以上は団体料金は250円、屋久島山岳部保全募金は1口500円)

帰り道も必見!

楠川歩道

江戸時代には男性が平木にした杉を下ろし、女性が食料を運んでいたという歴史ある道。奉行杉コースと楠川歩道の分岐点から約10分、苔むす森にも負けないほど緑一色の沢が現れる。

楠川歩道

増水時は渡渉できなくなるので要注意

+αで見に行きたい

弥生杉

コース入り口からすぐ右に分岐する遊歩道を30分ほど登ると、白谷雲水峡最長寿の屋久杉、弥生杉が現れる。推定樹齢3000年の堂々とした姿が間近に迫る。体力に余裕があれば立ち寄ってみよう。

弥生杉

周囲は根元を保護するために木製の歩道が整備されている

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