【鹿児島】島旅のポイント&基本情報をチェック!
屋久島や種子島からなる大隅諸島、奄美大島を代表に連なる奄美群島は、ダイナミックな自然を舞台に、島人たちの個性豊かな文化が息づく。 とくに屋久島が平成5(1993)年に世界自然遺産に登録され、さらに2...
更新日: 2024年4月9日
樹齢数千年ともいわれる神々しいオーラをまとった姿の縄文杉は、トレッカーの間でも憧れの存在。
屋久島をトレッキングするなら、縄文杉コースはぜひ候補に入れたいコース!
こちらの記事では、コースの概要や詳細のタイムスケジュール、トイレ&休憩情報などを完全ナビゲート。
道中は巨樹や巨岩、奇岩、潤いに満ちた沢など、感動と驚きの連続。
森の王者と呼ぶにふさわしい、貫禄に満ちた縄文杉に会いに行こう。
【難易度】★★★★☆
【所要】往路4時間25分/復路3時間55分(休憩時間+1~2時間含まず)
【距離】22.0km
【高低差】710m
早朝出発が鉄則
登山開始から下山開始まで4~5時間が目安。日が落ちる前に、安全に下山できるよう登山開始は6時から7時頃、縄文杉からは遅くとも13時には下山を開始したい。
縄文杉名物のトロッコ道を行く
コース中の約8割を占めるトロッコ道。無理に枕木を歩くと足に負担がかかるので、自分の歩幅で足を進めること。レールの外側は滑りやすいので、できるだけ内側を歩こう。
ガイドツアーもおすすめ
長い山道に自信がないなら、ガイドが先導してくれるツアーもおすすめ。自然や歴史について詳しく教えてくれ、何より安心して登山ができる。
3:30 起床・準備
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4:30 出発・登山弁当の受け取り(弁当は宿に届けてくれる場合もあるので確認を)
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5:00 屋久杉自然館で登山バスに乗り換え(行きのチケットを切り離したら、帰りの分は大切に保管を)
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登山口に到着
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5:35 朝食(登山口にある休憩スペースで朝食を済ませておこう)
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5:50 準備運動・トイレ(出発前にトイレと準備運動は必須)
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5:55 登山届提出
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6:00 トレッキング開始!
※3~11月の場合
ビギナーなら往復10時間は見ておこう。遅くとも朝7時までには荒川登山口を出発して、縄文杉への到着は11時から12時を目安に。最終バスに間に合うよう、時間配分を考えて行動しよう。
コース概要
コース前半のトロッコ道は、高低差の少ない平坦な道のりでテンポよく歩ける。大株歩道からは岩や木の根が行く手をさえぎる山道となり、随所に急勾配も。ウィルソン株より先からは途切れながらも木道や階段が足場となる。
トイレ
荒川登山口、小杉谷山荘跡、大株歩道入口の3か所にある。その他、観光案内所等で販売されている携帯トイレを使うためのブース(囲い)が数か所設置されており、木造のものとテントのような簡易型のものがある。紙は持参しておくと安心。
登山届
登山口に登山届の紙がある。事前に役場のホームページでダウンロードしたものに書いておくと手間が省ける。スマホから提出できるアプリ「コンパス」も便利。
休憩・食事
休憩の目安は小杉谷集落跡、大株歩道入口、ウィルソン株周辺など。朝食は登山口、昼食は大王杉付近以降にある木道の脇で、登山者の邪魔にならないように食べる。
アクセス
スタート地点は荒川登山口。登山口へは環境負荷の軽減や混雑緩和のため、3~11月はマイカーの乗り入れは不可。屋久杉自然館から荒川登山バスに乗り換えよう。屋久杉自然館までは車や路線バスでOK。
【バス】
屋久杉自然館から荒川登山口までは35分。往復1400円で事前購入がおすすめ。券は空港、宮之浦、安房の観光案内所などで販売。ただし、12月から2月は運休し、宮之浦港から直行の路線バスが早朝1本運行(要確認)。
屋久杉自然館発
5:00、5:20(6月運休)、5:40、14:00
登山口発
6:20、15:00、16:00、16:30(6月運休)、17:00、17:45
※2023年11月現在。時間は変更する場合あり。要確認
【車】
12月から2月までは、荒川登山バスが運行しないため、登山口まで行くことが可能だが、積雪の場合もあるので、運転に慣れてない人は避けたい。
【タクシー】
安房港から荒川登山口まで、所要約40分、料金目安は約6000円。
登山口からすぐ始まるトロッコ道は、もともと伐採した杉を運搬するトロッコが走っていた線路。現在は、山に設置されたトイレなどの維持管理のために利用されており、運が良ければ走っている姿を見られるかも。小杉谷橋を渡った先の小杉谷集落跡でしばし休憩を。再びトロッコ道に戻り40分ほど歩けば、縄文杉コースの最初の著名木である三代杉に出会う。さらに45分ほど進むと橋の手前に仁王杉(阿形)が現れ、複雑にうねる幹は迫力がある。
【トロッコ道HISTORY】
伐採した杉を運ぶために造られた軌道で、大正12(1923)年に開通、昭和44(1969)年までは営業運転をしていた。現在は、登山道にあるトイレの維持管理やダムの保全、自然災害で倒木した木々や切り株の運搬などに利用されている。トロッコ道を歩く登山は、縄文杉コースならではの光景だ。
シーズン中は早朝にもかかわらず多くの登山客が集まる登山口。夜明け前の出発になる場合がほとんどなので、気温によって防寒着で体温調節を。ヘッドランプもあると便利。
コース前半はトロッコ道と呼ばれる運搬車輌用の軌道が続く。登山口すぐから始まり高低差の少ない平坦な道のり。途中には、トンネルや橋、伐採時の機関車などがある。
ガイド’sアドバイス
トロッコ道のレールより外側は滑りやすいので注意。道をゆずるときは、谷に落ちないよう、山側によけること。景色を見るときは足元が不注意になりやすいので、後方の登山者に注意しながら立ち止まってから観賞しよう。
小杉谷橋に到着すると、トロッコ道は左右に分岐。登山道としてのルートは右だが、左へ行くと山の安全を祈願した大山神社がある。登頂と安全を祈って参拝しておこう。
昭和35(1960)年には、500人以上が住んでいた集落の跡地。一角に平木葺き屋根の東屋やベンチがあり、休憩ポイントとしてひと息つく登山客が多い。
HISTORY
小杉谷は、大正12(1923)年から昭和45(1970)年にかけて行われた杉の伐採で栄えた集落。最盛期には133世帯が暮らし、商店や理髪店があった。現在は、小・中学校の跡地がある。
白谷雲水峡へと続く道との分岐点。辻峠を進めば白谷雲水峡の太鼓岩につながっている。標識には各スポットまでのコースタイムも表示されているが、険しい道のためガイドと行くのがベター。
かつて山小屋が建てられていた場所に、バイオトイレが設置されている。
トイレポイント
紙は設置されているが、自分でも予備を持っておくと安心
樹齢約1200年といわれる初代が倒れたあとに、二代目が生えたが、その二代目も約1000年育ったあとに伐採された。現在の木はその上に生えた三代目。代を重ねて成長を続ける杉のたくましさには感嘆する。
推定樹齢/350年(三代目)
樹高/38.4m
胸高周囲/4.4m
HISTORY
倒木(切株)更新とは雨が多く、湿度の高い樹林帯に多く見られる現象で、倒木や伐採された古木に生えた水分を含む苔から新たな世代の木が育つこと。三代杉は、更新を繰り返し現在の姿となったのだ。
寺門に立つ仁王像が名前の由来。幹のくぼみが口を開いているようなので、「阿形(あぎょう)」と呼ばれる。近くに「吽形(うんぎょう)」と呼ばれる杉があるが、2000年11月に倒れてしまった。
推定樹齢/不明
樹高/不明
胸高周囲/不明
長いトロッコ道が終わったら、いよいよ本格的な山道の開始。岩や木の根を越えて進むと、はじめに迎えてくれるのは翁杉。2010年に倒れてしまったが、立派な幹は今も残る。そこから5分ほど進むと有名なウィルソン株に到着する。広大なスペースがある、切り株内部に入って空を見上げればハートの形に見える。この画像を携帯電話の待ち受けにすると恋が叶うとか。ウィルソン株から先には急な上り階段があるが、抜ければ再び緩やかな道のりになる。
出発してから約2時間半から3時間、ここでようやくコースの前半が終了。トロッコ道が終わり、ここから始まる本格的な山道に備えて、一度休憩して出発しよう。
トイレポイント
休憩広場とトイレがあり、多くの人が足を休める
高カロリーで、携帯しやすく、歩きながらでも食べやすいものが好ましい。個包装されたナッツ入りのシリアルバーやゼリー飲料などがおすすめ。
海の安全を守る神「塩土翁」の名に由来する翁杉。内部の空洞化が進み、着生木の重さに耐えきれず2010年に倒木した。今も残る苔むした幹の雄々しさに往時の姿が偲ばれる。
HISTORY
屋久島では縄文杉の次に胸高周囲のある巨木だった翁杉。現在は痛々しく倒木が横たわっているが、太陽の光が差し込むそこには倒木更新の可能性があり、数千年後にはまた立派な巨木が育っていることだろう。
推定樹齢/2000年
樹高/23.7m
胸高周囲/12.6m
※2010年9月まで
豊臣秀吉が鹿児島の島津家に命じて伐採させたといわれる杉。推定樹高は42mで、屋久島一の高さの杉であったかもしれない。切り株の内部は空洞で大人十数名が入れるほど。上を見上げると空がハート型に見える。
HISTORY
この切り株を世界に紹介したのは英国の植物学者、アーネスト・ウィルソン博士。博士は最初、あまりの大きさに洞窟だと思って、雨宿りしたという。
推定樹齢/2000年
樹高/42m(推定)
切り口の周囲/13.8m
階段を越えた先に登場するのが大王杉。ここまで来れば縄文杉まではあとひと頑張り!大王杉からまもなく世界自然遺産登録地域の看板が目に入る。夫婦杉を超えると、周囲の森は深みを増し、名を持たずとも立派な巨樹がいたるところに根を下ろしている。岩場のアップダウンを30分ほど繰り返し、ようやく現れるのが憧れの縄文杉だ。展望デッキ越しからでも伝わる圧倒的な存在感を放つ老木に、畏怖の念と達成感でしばし目が離せなくなる。
縄文杉が発見されるまで屋久島最大とされていたため、この名が付いた。急な斜面に生えているため、根元の前後では5mほども差がある。空洞化による倒木のおそれがあるため、大王杉の山側を通るルートに変更される。
推定樹齢/3000年
樹高/24.7m
胸高周囲/11.1m
夫婦が手をつないだような姿の2本の杉。幹どうしが癒合して成長した合体木は屋久杉に多いが、高さ10m程の高さで枝どうしがつながる木は珍しい。向かって右が夫、左が妻といわれている。
推定樹齢/夫2000年・妻1500年
樹高/夫22.9m・妻25.5m
胸高周囲/夫10.9m・妻5.8m
昭和41(1966)年に発見された屋久杉最大の老樹。当時はその姿と発見者の名前から「大岩杉」と呼ばれていた。樹齢はいまだ不明。数本の木が合体した合体木という説もあるが、定かではない。ゴツゴツした木肌や大きな枝ぶりで、荘厳な雰囲気が漂っている。
HISTORY
発見当初は樹齢4000年、のちに九州大学真鍋教授の調査により樹齢7200年と推定されたが、その後、内側の放射性炭素年代測定により2170年と判定。しかし中心部はすでに空洞化しているため、結局謎に包まれている。
推定樹齢/不明
樹高/25.3m
胸高周囲/16.4m
縄文杉は保護のため近づくことができず、2か所ある展望デッキから見学することになるが、離れていても十分迫力がある。混雑時は北側デッキから上り、南側デッキへ降りる一方通行となる。
縄文杉からさらに10分ほど登れば、高塚小屋がある。ここは宮之浦岳へ縦走する場合に重宝する山小屋で、近年は朝焼けに染まる縄文杉を狙う登山者も増えてきた。宿泊する際は寝袋や食料、テントなど十分な装備が必要。
『山と高原地図』シリーズは、1965年より毎年発行、登山を楽しむ方に長く親しまれ続けているロングセラー登山地図です。谷や尾根、等高線や登山道を綿密に描き、実踏調査に基づいた登山ルート・コースタイムなどを掲載、全国の名山約1,500を紹介したもので、ラインアップは全61点にのぼります。
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