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熊野三山のひとつである熊野那智大社の見どころ、めぐり方、行き方などを詳しく解説します!
世界的にも有名な那智の滝を見晴らす場所に建つ熊野那智大社は1700年前に現在の地に。
命の根源である水が豊富にあふれ落ちる神聖な滝への信仰を原点に、国生み・神生みと縁の深い神々が祀られています。
恵みを求め遠方からも参詣者が集まる、森羅万象の根源に力を与える主神にお詣りしましょう。
熊野の本宮、新宮、那智の3つの聖地をまとめて熊野三山というほか、本宮の熊野本宮大社、新宮の熊野速玉大社、那智の熊野那智大社の3つの神社の総称としても熊野三山という。平安時代に起こった本地垂迹説(日本の神々はさまざまな仏が形を変えて日本に現れたとする考え方)により、本宮大社は阿弥陀如来、速玉大社は薬師如来、那智大社は千手観音とされ、熊野三所権現とも呼ばれている。
熊野三山はその起源や自然崇拝の対象は違うが、日本独特の神仏混合の影響を受けて熊野三所権現として信仰されるようになり、これらを巡礼することを熊野詣という。熊野の神様は現世に利益をもたらし、死後も浄土に導いてくれる霊験あらたかな存在で、「信・不信、老若男女、貴賎、浄・不浄」にかかわらず、どんな人も救ってくれる。誰もが救いを求めて、熊野への旅に出たのもうなずける。
熊野詣の歴史
いにしえの熊野詣は、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の順にめぐるのがならいだった。10世紀の宇多上皇から13世紀の後鳥羽上皇の頃に最盛期を迎え、上皇たちの熊野御幸から熊野詣ブームが始まる。室町時代以降は武士や庶民へと広がり、「蟻の熊野詣」と呼ばれるほど多数の参詣客が熊野をめざした。
八咫烏(やたがらす)って何?
『日本書紀』にも登場する三本足のカラス。熊野では八咫烏は熊野神の使いで、太陽の化身とされている。熊野では、カラスのことを「権現ガラス」とか「烏牛王(からすごおう)」と親しみをこめて呼んでいる。熊野那智大社の社殿前には八咫烏像がある。
熊野三山のひとつで那智の滝をその信仰の起源とする。遥か太平洋からも仰ぎ見ることができる那智の滝は太古から神としてあがめられ、大己貴(おおなむち)命(=国づくりの神として知られる大国主命/おおくにぬしのみこと)の御神体として祀ってきたという。那智の滝を見晴らす現在地に社殿が遷ったのは1700年前。本殿には主神・熊野夫須美神(ふすみのかみ=伊弉冉尊/いざなみのみこと)のほか十二柱の神々が祀られている。平安時代に生まれた本地垂迹説により熊野夫須美神の本地仏は千手観音とされ、観音霊場としても繁栄した。
JR紀伊勝浦駅から熊野御坊南海バス・那智山行で26分、那智山下車、徒歩15分。車利用の場合は、大阪方面から紀勢自動車道・すさみ南ICから1時間30分。名古屋方面から熊野尾鷲道路・熊野大泊ICから1時間20分。
大門坂から那智山詣をスタートするのがおすすめ。熊野那智大社表参道の長い石段が続くが、美しい道を踏みしめて歩けば熊野那智大社に着いたときは感動的だ。熊野那智大社からは青岸渡寺、那智の滝の順に巡ろう。
大門坂バス停
⬇ 徒歩 約3分
大門坂
⬇ 徒歩 約40分
熊野那智大社
⬇ 徒歩 約2分
那智山青岸渡寺
⬇ 徒歩 約15分
那智の滝(飛瀧神社)
⬇ 徒歩 約5分
那智の滝前バス停
杉木立を縫う石畳道は熊野古道の雰囲気満点。この名はかつて坂を上りきった場所に大門があったためだ。那智参詣曼荼羅にも描かれた堂々とした大門は、那智山青岸渡寺の仁王門として再現されている。坂の途中にある多富気王子は、熊野九十九王子の最終王子。
仁徳天皇の頃、インドから漂着した裸形上人が那智大滝で感得した観音菩薩を草庵に安置したのに始まったと言い伝わる。明治の神仏分離令までは熊野那智大社と一体で、神仏習合の修験道場として栄えた。現在の本堂は当時の如意輪堂になる。
日本三名瀑のひとつに数えられる落差133mの大滝。那智山中には数多くの滝があり、那智四十八滝と呼ばれ滝籠りの行場でもあった。ふつう那智の滝と呼ぶのは一の滝のこと。神武天皇は太平洋から那智の滝を遠望して那智の浜に上陸、八咫烏の道案内によって大和にたどり着いたとの伝説も。
延命水
御瀧拝所舞台への入口近くには延命長寿の霊水がある。100円納めれば、盃を持って帰ることもできる。
独特の光沢が古くから珍重されてきた那智黒石を硯や置物などに加工、販売している。八咫烏の置物がいちばんの人気。
熊野古道大門坂入口近くにある。平安衣装のレンタルを行い、着付けもしてくれる。衣装をまとっての写真撮影ができるモデルコースと那智山全体を散策する体験コースがある。
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