福岡【太宰府天満宮】80軒の店が軒を連ねる参道をぶらり歩き
太宰府天満宮へと続くおよそ400mの参道には、みやげもの店、名物の梅ヶ枝餅を焼く茶屋など80軒を超える店が軒を連ね、年間800万人以上の人出でにぎわう。...
太宰府天満宮は、平安時代に学者、政治家、詩人と多方面で活躍した菅原道真を祀る神社。学問の神様として全国的に有名で、厄除けや家内安全祈願にもご利益がある。境内には道真ゆかりの飛梅のほかに、6000本の梅、大樟、花菖蒲などが植栽されていて、四季を通して美しい景観が楽しめる。
7世紀後半に地方政庁「大宰府」が置かれ、九州全体の統括、外交、軍事、文化の中心地として栄えた地で、福岡を代表する観光地。万葉の香り漂う史跡が点在する。
●太宰府市観光案内所 092-925-1880
●太宰府館 092-918-8700
電車 西鉄福岡(天神)駅→西鉄天神大牟田線特急 14分→西鉄二日市駅→西鉄太宰府線 5分 400円→太宰府駅
車 太宰府IC→国道3号・県道35号 約6km→太宰府駅
本殿へは心字池に架かる色鮮やかな太鼓橋を渡って向かう。「過去、現在、未来」を表すといわれる三連のこの橋を渡ると心身が清められるとされる
手水鉢は、霊峰宝満山から切り出した一枚岩で造られたもの。鉢の底に刻まれた亀の彫り物は、除災延齢を意味する。ここで手と口を洗い清めて本殿へ
「拝」とは、一般的に90度にお辞儀をする「礼」のこと。二拝二拍手のあとに胸の前で両手を合わせ、日ごろの感謝の気持ちやお願いごとを祈る
菅原道真の墓の上にあるといわれる太宰府天満宮の本殿は、風格ある五間社流造(ごけんしゃながれづくり)。天正19(1591)年に小早川隆景の寄進により建てられたもので、重要文化財。写真は毎年11月ころに3週間ほど開催される「菊花展」の期間中
菅原道真ってこんなヒト
平安時代前期、学者の家に生まれ、5歳で和歌を詠み、11歳で漢詩をつくったという神童で、弓の腕前も確かな文武両道。その実力が認められ、右大臣に任じられるも、異例の出世に嫉妬した藤原時平の陰謀により大宰府に左遷され、2年後に死去。のちに道真の無実が証明され、学問の神様、至誠の神様として、尊崇を集めるようになった。
道真を慕った飛梅
京を追われた道真を慕い、一夜にして大宰府まで飛んできたという飛梅。境内にある6000本の梅の木の中で、毎年真っ先に花を咲かせる。旅行、交通安全にご利益がある
幸せを運ぶ鳥ウソをモチーフにした「幸せおまもり」は1000円
梅の種が入った健康・長寿の「梅守り」は1500円
参拝後は、運だめしにみくじを引こう。太宰府天満宮のみくじは、新春は社紋の梅にちなんでピンク色、初夏は花菖蒲の紫色など、季節ごとに色が変わる
カラフルみくじ
屋根部や柱などいたるところに道真が愛した梅の花の意匠がほどこされている。建物の細部までよ~く見てみて。
本殿の屋根部の中央に注目
灯籠やその吊り部にも梅の彫り物が
祭壇の壁には大小の梅モチーフが
本殿の手前、手水舎の隣にある像は手でなでた部分の病気が治るといわれる、ありがた~い御神牛。賢くなるといわれる頭部分は、ひときわツヤツヤ。
道真は丑年生まれ、その遺骨をこの地に運んできたのも牛だった
朱塗りの堅牢な楼門は、本殿に向かうときは二重屋根、戻るときは一重屋根と、裏と表で形が異なるひじょうにめずらしい造り。
二重屋根の楼門。毎年10月には道真ゆかりの登竜門伝説をモチーフにした「飛龍天神ねぶた」が飾られ、同月18日には「特別受験合格祈願大祭当日祭」が実施される
本殿を背にして見ると一重屋根
2006年以降、境内では「太宰府天満宮アートプログラム」を開催していて、著名アーティストが手がけたモダンアートが点在。アート散策も楽しみの一つ。
❶歴史について考える
(2013年 サイモン・フジワラ作)
木の下で白いデッキチェアを発見! じつはスチール製のオブジェ。絡みついた千歳紅葉の木が成長するとどうなる?
❷すべてがわかったVI
(2011年 ライアン・ガンダー作)
ロダンの彫刻「考える人」からインスピレーションを得た作品。岩の座面が凹んでいる
考え過ぎたら岩が凹んだ!
秋の紅葉、春の新緑は必見
菅原家ゆかりの鉄牛円心和尚が鎌倉時代に創建。枯山水の庭園と石庭があり、通称「苔寺」と呼ばれる。秋の紅葉、春の新緑の美しさは絵画を見るよう。
時間が経つのを忘れそうなほど美しい秋の紅葉
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