更新日： 2023年11月24日
地名「恵比寿」の由来は、ある商品名から【東京都渋谷区】
渋谷区恵比寿は、近年はお洒落な街、住みたい街として取り上げられる注目のエリアです。この「恵比寿」という縁起のよい地名、実は、かつてこの地に存在した、とある工場で生産されていた商品名が由来なのです。古地図さんぽ、今回は、その地名にまつわる歴史を振り返ります。
この記事の目次
1968年の渋谷区恵比寿 ビール工場がありました
1968年昭文社刊行 渋谷区全図より（北は右斜め上）
こちらは1968年昭文社発行の渋谷区地図。切り取った範囲は国鉄山手線・恵比寿駅周辺です。図の右上を斜めに横切る明治通りには都電（東京都電）が、その地下には営団（現・東京メトロ）日比谷線が走っています。
「広尾五丁目」には、都電の「広尾車庫」があるのがおわかりでしょうか。水色の線が並んでいます。
ちょうど時代は、路面電車と地下鉄が共存する、東京の公共交通における過渡期でした。
地図の左下、目黒区との区境付近を拡大してみましょう。
ひときわ目立つ建物群の中心に、「サッポロビール恵比寿工場」の文字を見つけました。
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
現住所は地図雑学系ライター、本籍は地図実踏調査員。昭文社地図の現地調査歴15年以上の、自称「地理のプロフェッショナル」チームです。これまで調査・取材で訪問した市区町村は、およそ500以上。昭文社刊『ツーリングマップル』『全国鉄道地図帳』等の編集に参加しています。休日は、国内外の廃線、廃鉱など「廃」なものを訪ねる「廃活」、離島をめぐる「島活」中。好きな廃鉱は旧羽幌炭鉱、好きな島はサンブラス諸島（カリブ海）と大久野島。特技は「店で売ってる野菜の産地名⇒県名を当てること」。