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【丹後半島の地質遺産】京丹後市は「山陰ジオパーク」に含まれる

京丹後市はユネスコが認定する「山陰海岸ジオパーク」(鳥取県、兵庫県、京都府にまたがる地域)に含まれており、沿岸には海食洞や段丘、砂丘など絶景スポットが多くあります。

【丹後半島の地質遺産】久美浜町の小天橋と丹後砂丘

久美浜町には、景色が宮津市の天橋立に似た「小天橋(しょうてんきょう)」と呼ばれる砂州があります。日本海と久美浜湾を南北に隔(へだ)てるように延びる砂浜の長さは約8㎞。3つの海水浴場が連なる北近畿最大のロングビーチです。

約2万年前の最終氷期の海面は現在より100m以上も低い状態でした。小天橋は、最終氷期が終わって海面が上昇した際、もともと火山灰層が露出していた部分に砂州が成長してできたものです。砂州が湾の入り口をふさぐように長く延びたことで久美浜湾が形成されました。

さらに、小天橋砂州の東の海岸沿いに東西約6㎞続く砂丘が生まれました。これが京都府内最大の丹後砂丘です。

【丹後半島の地質遺産】久美浜町の小天橋と丹後砂丘

小天橋海水浴場

【丹後半島の地質遺産】網野町の琴引浜

網野町には、「鳴き砂」で名高い琴引浜(ことひきはま)があります。全長1.8㎞にわたる白砂と青松の景勝地です。

この浜の砂には、きれいな水や空気の中で十分に洗われるため表面の摩擦係数が極端に大きい石英(せきえい)が多く含まれます。砂の上を歩いたり、棒でつついたりすると、石英の砂粒がこすれあって振動することで「クックッ」と音が鳴るのです。

【丹後半島の地質遺産】網野町の琴引浜

【丹後半島の地質遺産】後ヶ浜海岸にある立岩

丹後半島には、日本列島が大陸から分離し、日本海が広がっていくころに生じた火山活動の痕跡が多く残ります。後ヶ浜(のちがはま)海岸にそそり立つ、「立岩」と名づけられた巨大な玄武岩もそのひとつです。

マグマが冷える際に岩石に生じた柱状の割れ目を「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」といいます。立岩は周囲約1㎞、高さ約20mある柱状節理の一枚岩で全国屈指の大きさを誇ります。地下から上昇してきたマグマが固まり、その後の浸食により周囲の岩石が削り取られてできた自然の造形は、絶景ポイントとしても有名です。

丹後半島の貴重な地形は学術上高い価値があります。京都府は、大規模開発などで破壊され、消滅のおそれがある地形をレッドデータブックに掲載し、保護を呼びかけています。

【丹後半島の地質遺産】後ヶ浜海岸にある立岩

景観を楽しめる海食洞

丹後半島には、断崖絶壁が数多く見られます。その崖には、波の浸食により「海食洞」と呼ばれる洞窟が形成されています。2013年に発見された京丹後市間人(たいざ)にある「青の洞窟」と「愛の洞窟」は、地層だけでなく景観も楽しめるスポットです。

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Part.1 地図で読み解く京都の大地

・京都府の4地形区と断層/京都盆地とその出入り口(逢坂と大山崎)
・琵琶湖疏水の秘密/洛中と洛外を隔てるおどい
・観光のメッカ東山の地形(地獄の入り口六道珍皇寺)
・失われた巨椋池/天橋立はなぜあのような地形になったのか
・舞鶴が重要港湾となった地形的な秘密
・霧のまち亀岡(亀岡盆地)

…などなど京都のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 京都を駆ける充実の交通網

・山城盆地を通る街道(東海道、中山道の終着地)
・若狭と京都を結ぶ「鯖街道」
・日本初の一般営業用電車が通った京都市電
・京都鉄道博物館
・梅小路
・京都の私鉄〇〇な阪急
・大赤字から復活した京都丹後鉄道

…などなど京都ならではの交通事情を網羅。

Part.3 京都の歴史を深読み!

・丹後に一大勢力が存在した証拠 三大古墳に埋葬された人々
・古代日本を支えた渡来人と京都の関係
・なぜ京都は都になったのか 恭仁京~平安京までの変
・南北朝動乱の始まり 笠置山の戦い
・信長、光秀、秀吉…みんな京都で死んだ
・幕末の騒乱の舞台となった京都
・近代化にいち早く着手!日本初の博覧会は京都の寺で開かれた

…などなど、激動の京都の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 京都で育まれた産業や文化

・シンボル京都タワーと近代建築
・学問の都・京都の大学
・京料理とそれを支える伝統野菜
・「丹波」ブランドをめぐる攻防
・日本映画と京都
・「女酒」伏見の酒蔵
・王城の裏鬼門「男山」と岩清水八幡宮

…などなど京都の発展の歩みをたどる。

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