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甲斐源氏と武田氏

甲斐源氏と武田氏とのつながりは、源義光の子である源義清が、常陸国那珂郡武田郷(現・茨城県ひたちなか市武田)を領有し、その地名から「武田」の姓を名乗ったことに端を発します

その後、源義清は抗争に敗れ甲斐国市河庄に配流されますが、源義光から数えて4代目の子孫にあたる源信義が巨摩郡武田郷(現・韮崎市神山町武田)に住み、再び武田姓を名乗って武田信義となります。これが甲斐武田氏の初代になったといわれています。

甲斐源氏と小笠原氏

小笠原流礼法で知られる小笠原氏も甲斐源氏を祖とします。武田信義の弟であり、鎌倉武士を代表する加賀見遠光は、旧若草町加賀美(現・南アルプス市加賀美)を本拠地とし、息子たちを中巨摩、南巨摩に配置するなど、主に甲府盆地西側から南部にかけて地盤を築いていきました。

特に次男の長清は旧櫛形町小笠原(現・南アルプス市小笠原)を本拠とし、小笠原を名乗って後世まで繁栄していくことになります。長清は父・遠光とともに鎌倉幕府の創建に際し活躍し、源頼朝の絶大な信頼を得ていました。

また、弓馬の術に優れており、武田信光などとともに「弓馬の四天王」に数えられ、26歳で源頼朝の弓馬師範となり、弓馬の儀式を行うなど出世頭でした。

小笠原長秀の業績

室町時代になると、将軍・足利義満の命により小笠原長秀は、供奉、食事、宮仕えの仕方、書状の様式、蹴鞠(けまり)の仕方など、武士の一般教養を記した書物『三議一統』の編さんにあたるなどし、武芸や武家の流儀において「小笠原といえば礼法」といわれる地位を確立しました。

甲斐源氏と南部氏

南部町の町名の由来でもある南部氏も、甲斐源氏の庶流です。南部氏は加賀美遠光の三男・南部三郎光行が祖とされています。

南部三郎光行は1180(治承4)年の石橋山の戦いで戦功をあげたことから、源頼朝より甲斐国南部牧(現在の南部町)を与えられ、その地名にちなみ、南部姓を名乗ったといわれています。

源頼朝による奥州征伐が始まると、南部三郎光行はそれに随行し奥州藤原氏討伐でも功績をあげ、陸奥国糠部五郡(現在の青森県から岩手県にかけて)を拝領。その後、子孫は奥州に移り南部藩として明治に至るまで長く栄えていきました。

甲斐源氏と南部氏

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Part.1 地図で読み解く山梨の大地

・山の都として栄えた甲府盆地はどのようにできたのか?
・富士五湖は富士山の溶岩でせき止められた2つの湖だった!?
・日本一の造形美をつくり出す昇仙峡は何でできている?
・3000年に“2度”の大噴火が生み出した青木ヶ原の樹海
・もうひとつの富士「黒富士」にある燕岩の正体
・富士山文化遺産の構成資産、山梨にある2つの「胎内めぐり」
・「池」だけど「八海」!神秘の風景・忍野八海
・日照時間日本一の秘密は地形にあり!?
・富士川の洪水を防いだ「信玄堤」と「万力林」

…などなど山梨のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 山梨を駆け抜ける鉄道網

・甲州市から山梨市にかけて、中央本線が北に大きく迂回するわけ
・高額運賃の私鉄が国有化の悲願を果たし、現在に至る身延線
・昭和モダンの香りを漂わせ、今も現役の山梨の駅舎たち
・ここは東京?ちょっと意外な丹波山村の公共交通事情
・甲府盆地を走り、「ボロ電」と呼ばれた山梨交通電車線
・実は2つの路線から成り立っている富士急行線
・約2年間だけ標高日本一の駅があった、小海線の山梨県内区間
・6つのスイッチバック駅に助けられ、甲斐路を辿った中央本線
・リニアモーターカーの実験線が山梨にできたわけ
・古くからの富士山吉田口登山道を継承する山梨県道701号

…などなど山梨ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3 山梨で動いた歴史の瞬間

・古代 いにしえの八ヶ岳周辺は“星降る里”だった!?
・古代 甲斐銚子塚古墳が東日本最大級なワケ
・平安~中世 武田氏の先祖にあたる戦国エリート「甲斐源氏」
・中世(鎌倉) 日蓮聖人の波乱に満ちた生涯と身延山
・戦国時代 山梨の神!武田氏3代が鎮座した武田神社
・戦国時代 信玄が進み勝頼が広げた武田氏の最大領地は?
・江戸時代 徳川家康に対抗するために築城された甲府城
・江戸時代 幕府直轄地で発展した甲州街道と富士川舟運
・近現代 幕末の財界を牛耳った甲州商人が売ったもの
・近現代 明治40年の甲府の大水害からの復興
・近現代 空港のない山梨県にあった秘密の飛行場“ロタコ”

…などなど、激動の山梨の歴史に興味を惹きつける。

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