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グプタ朝のもとで確立・隆盛したヒンドゥー教(4~6世紀)

ヒンドゥー教隆盛のポイント

ポイント1.ヒンドゥー教は、バラモン教民間信仰仏教が加わってできた
ポイント2.ヒンドゥー教の勢力拡大にともない仏教が大きく衰退していく
ポイント3.現代インド(約12億人)でヒンドゥー教徒は8割以上を占める

バラモン教を基礎に生まれたヒンドゥー教

古代インドで信仰されていたバラモン教は、仏教などが登場した影響で衰退していました。しかし、バラモン教は消滅したわけではなく、紀元前後からインド各地の民間信仰や仏教などと融合しはじめ、ヒンドゥー教という新たな宗教へと形を変えていきます。

ヒンドゥー教は4〜5世紀、グプタ朝のもとで確立し、次第に勢力を拡大。6世紀頃にはインド南部にまで浸透しました。これ以降、仏教はヒンドゥー教に圧倒され、13世紀頃にはすっかり勢力を失ってしまったのです。

地図の見方:ヒンドゥー教は仏教を吸収する形でインド全域に広がり、人々の暮らしに溶け込んでいった

バラモン教の身分制度と仏教と同じ輪廻転生の教え

ヒンドゥー教は自然発生的に成立したため、開祖がおらず明確な教義もありませんが、バラモン教の身分制度を元にしたカースト制度が確立されています。また、仏教と同じく輪廻転生(りんねてんせい)の考え方があり、現世で善行を積めば来世は上位のカーストに生まれ変わることができるとされています。

現代のインドでもヒンドゥー教は社会に根強く浸透しており、信徒数は総人口の8割以上といわれています。つまり、キリスト教やイスラーム教、仏教などと並ぶ一大勢力なのです。

ヒンドゥー教の隆盛:その時日本は!?

自然崇拝が行なわれる

6世紀、日本に仏教が伝来する前は、神道が浸透していました。自然のなかに神々が宿ると考えるアニミズム(自然崇拝)が祭祀を生み、祭祀の場に神社が形成されていきます。

ムハンマドによるイスラーム教の誕生(610年頃)~アラビア半島のメッカでアッラーを唯一神とする~

イスラーム教誕生のポイント

ポイント1.イスラーム教は、ユダヤ教やキリスト教の影響を受けて生まれた
ポイント2.「神のもとでの平等」などの教えが格差に苦しむ民衆に受け入れられた
ポイント3.ムハンマドの死後は、カリフがジハードを展開して勢力を拡大していく

ムハンマドが神の言葉を授かり創始したイスラーム教

現在、全世界に16億人以上の信徒を抱えるイスラーム教。その成立は7世紀前半のことでした。

当時、アラビア半島西岸の都市メッカは交易の経由地として栄えていました。この地で商人をしていたムハンマドが日歳頃にアッラーの神の言葉を授かり、610年頃にイスラーム教を創始したのです

それまでアラビア半島は多神教の地域でしたが、ムハンマドはアッラーを唯一絶対の神とします。これは一神教のユダヤ教やキリスト教の影響を受けたものといわれています。

地図の見方:アラビア半島は多神教地域だったが、ムハンマドによって創始されたイスラーム教が勢力範囲を広め、中東地域の大部分をイスラーム一色に染め上げた

ムハンマドは迫害を受けメディナに移住するもメッカを奪還

神の前では種族や階級、貧富の差はない――ムハンマドの教えは、格差に苦しんでいた民衆から支持され、信徒を増やしていきます。やがてムハンマドと信徒たちは迫害を受けましたが、メッカからメディナに移住すると、そこで教団社会が成立し、その後、メッカを奪い返します。

彼の死後は選挙で選ばれたカリフがジハード(聖戦)を推進。エジプトやペルシアにまで勢力を伸ばしました

ムハンマドによるイスラーム教誕生:その時日本は!?

仏教が定着する

聖徳太子や豪族の蘇我氏らによって仏教が受け入れられ、国際色に溢れた仏教文化である飛鳥文化が栄えました。法隆寺や飛鳥寺の本尊飛鳥大仏などがその代表例です。

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◎歴史の一ページを形成した地理的背景、時間の経過がより一層理解できる解説
◎同時期の日本では何が起きていたか比較できるワンポイントコラム

『地図でスッと頭に入る世界史』見どころ―目次から抜粋

■紀元前221年、秦がバラバラの貨幣を統一したことで、歴史上はじめて〝ひとつの中国〞が実現した
■紀元前202年、中国を再統一した漢がシルクロードを開いた結果、東西交易が盛んになった
■208年、魏の曹操・蜀の劉備・呉の孫権の三者が死闘を繰り広げる『三国志』の時代が到来する
■618年、隋を引き継いだ唐が巧みな統治で周辺諸国を服従させ、国際色豊かな大帝国に発展
■1405年、周辺国の朝貢を求める明がヨーロッパより100年早く南海への大航海を展開する
■紀元前5世紀、アテネとスパルタの二大ポリスが戦争を繰り広げ、ギリシア世界は大きく変化
■紀元前334年~、アレクサンドロス大王の東方遠征で東西文化が融合したヘレニズム文化が生まれる
■紀元前27年、200年間にわたって続いたローマ帝国の最盛期は、30万キロの幹線道路が支えていた
■313年、イエスが説いたキリスト教がパウロの布教活動をきっかけに世界宗教へと飛躍した
■800年、ゲルマン人が建てたフランク王国のカール大帝が西ローマ帝国を復活させた
■1096年、計7回の十字軍遠征で当初の目的ははたせなかったが、ヨーロッパ経済が変化した
■14世紀、経済成長を背景にはじまった文化や思想の新しい動きがルネサンスの呼び水となる
■14世紀半ば、「黒死病」とも呼ばれるペストが猛威をふるい、欧州人口の30%以上が死亡
■16世紀、世俗にまみれて堕落・腐敗したローマ・カトリック教会に抵抗するプロテスタントが生まれる
■15世紀、大海原に漕ぎ出したヨーロッパの航海者たちが世界経済を大きく変えた
■16~18世紀、覇権争いを繰り広げるヨーロッパの強国が世界各地に植民地を築く
■紀元前8~4世紀、オリエント世界に興ったアッシリアとアケメネス朝ペルシアが世界帝国として君臨する
■紀元前500年頃、アジア各国で信仰され、世界宗教のひとつになっている仏教がインドで生まれる
■4~6世紀、インドで産声をあげ、民衆の間に浸透したヒンドゥー教が仏教を駆逐
■610年頃、アラビア半島のオアシス都市メッカでアッラーを唯一神とするイスラーム教が成立する
■661年、勢力拡大を続けるイスラーム教がカリフの暗殺をきっかけにスンナ派とシーア派に分裂
■16世紀、地中海の覇権を握り異教徒を効果的に使ってオスマン帝国が大帝国に成長
■18世紀、躍進するイギリスで現代の資本主義社会につながる産業革命が起こる
■1775年~、イギリスの植民地への重圧が植民地の人々を怒らせ、アメリカ独立戦争が勃発
■1789年、英仏戦争での財政悪化とブルボン王朝の贅沢三昧がフランス革命の火種となった
■1804年、フランス革命を引き継いだフランスの英雄ナポレオンが〝ヨーロッパ帝国〞を建設する
■1861年~、産業構造の違いが原因で北部と南部の対立が深まり、アメリカ南北戦争が勃発
■19世紀後半、「眠れる獅子」と呼ばれた清がアヘン戦争でイギリスに負け、列強のアジア進出が加速
■1917年、中東の権益を狙うイギリスが現在のパレスティナ紛争につながる3枚舌外交を展開する
■1929年、世界恐慌が起こり、ブロック経済とファシズムが生まれ、世界は再び戦争へ向かう

『地図でスッと頭に入る世界史』監修者

祝田秀全(いわたしゅうぜん)
東京出身。歴史学専攻。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員、代々木ゼミナール講師を経て、現在北九州予備校東京校で東大世界史講師を務める。『銀の世界史』(筑摩書房)、『東大生が身につけている教養としての世界史』(河出書房新社)、『2時間でおさらいできる世界史』(大和書房)、『歴史が面白くなる東大のディープな世界史』(中経出版)、『エリア別だから流れがつながる世界史』(朝日新聞出版)など、多数の著書・監修書がある。趣味はコーヒー飲用。ジャマイカのあの山の中腹でとれるコーヒー豆を炒って飲んでみたい。それに古典落語鑑賞。

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