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三国志の日本でのブームは江戸時代に始まる

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2021年12月15日

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三国志の日本でのブームは江戸時代に始まる

「三国志」の時代は、3世紀、後漢末から含めても、百年余りに過ぎません。しかし、この時代は、古代ローマ帝国に匹敵する大漢帝国が崩壊し、新たな戦乱の世を迎えた中国史上の一大転換期でした。ちなみに、日本は卑弥呼の時代です。
「三国志」に描かれた幾多の君主や武将、そして軍師たちは、時代の変革期において、それぞれの信念に従って互いにぶつかり合い、行動しました。かれらの「生き方」は、決して一様ではなく、実に多種多様です。わたしたちは、それぞれの感性によって、好きな人物に肩入れし、自分なりの「三国志像」を結んでいくことができるでしょう。

【三国志の日本ブーム】江戸時代に『三国志演義』が翻訳

『三国志』正史(せいし)が日本に伝えられた時期は不明ですが、8世紀に著された藤原氏の家伝『藤氏家伝(とうしかでん)』に董卓(とうたく)に言及する箇所があり、この頃には伝わっていたようです。

『三国志演義』が日本に入ってきたのは江戸時代前後で、林羅山(はやしらざん)が1604年に『通俗演義(つうぞくえんぎ)三国志』を読み終えた記録があります。1690年に翻訳本『通俗三国志』が発刊されると、庶民の間に『三国志演義』が浸透。以降、翻訳本も多く出され日本でも読み継がれてきました。

【三国志の日本ブーム】吉川『三国志』から様々な分野へ

近代では1912年の『新訳演義三国志』に影響を受けた吉川英治が、『三国志』を大衆小説に書き直して発表。日本人には理解しづらい関羽(かんう)の義などを変え、逆に諸葛亮(しょかつりょう)曹操(そうそう)の豊かな人間性の魅力を強く打ち出します。

これが現代に続く三国志人気を不動のものとし、以降様々な作品が生まれていきます。

横山光輝がコミックで『三国志』を描き、三国志人気の裾野を拡大。陳舜臣(ちんしゅんしん)『秘本三国志』、正史を基軸に登場人物の性格に独自の解釈を加えた北方謙三(きたかたけんぞう)の『三国志』など、演義にとらわれない個性的な作品も生まれました。

2000年代に宮城谷昌光(みやぎたにまさみつ)が正史を元にした『三国志』を発表して話題となったのも記憶に新しい。

三国志は書籍のみならず、光栄(現コーエーテクモ)のゲームソフト三國志シリーズや『NHK人形劇三国志』、映画『レッドクリフ』など様々な分野に広がり、人気を博しています。

もっと知りたい!『三国志』

近年中国では三国志の映像化が頻繁に行なわれています。ドラマでは、王道の「三国志 Three Kingdoms」(2010年)、司馬懿を主人公とする「三国志 Secret of Three Kingdoms」(2019年)。映画では「レッドクリフ」のほか、趙雲を主人公とした「三国志」(2008年)などが制作されました。

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群雄が割拠した三国志を勢力図で解説。正史vs演義、人気の三国志作品も徹底比較!

数多の武将たちが群雄割拠し、栄枯盛衰の理のもとに散っていった三国志。はるか昔の、しかも他国の歴史であるにも関わらず、日本ではマンガやゲームなど多くの作品の題材となり、どの世代も魅了している。本書では、三国志のなかでも重要な出来事や戦いを図説。なぜその土地が重要だったのか?その戦いがなぜそこで起こったのか?地図とともにみれば、三国志の本当の姿が見えてくる。また、正史としての三国志と、物語としての三国演義の比較、マンガや映画など人気作品を分析したコラムも三国志ファン必見!

【見どころ】目次より一部抜粋

■序章 三国志とはなにか?
【『三国志』と『三国志演義』】三国志といっても正史と演義のふたつが存在する
【日本人と三国志】江戸時代に始まる日本の三国志ブーム
【名士の社会】三国志の争いに大きな影響を与えた人々

■第1章 曹操の華北制覇
【黄巾の乱】太平道の張角が信徒を率いて蜂起! 群雄割拠の時代が幕を開ける
【董卓の死】子飼いの将に裏切られ命を落とした暴君
【呂布追討】呂布に徐州を奪われた劉備、曹操とともに呂布を討つ ほか
~コラム~くらべて楽しむ三国志
董卓の死/曹操・劉備・孫権の人物像

■第2章 三国時代のはじまり
【三顧の礼】荊州にて不遇の日々を送る劉備、諸葛亮と出会う
【赤壁の戦い】業火が曹操の水軍を焼き尽くした三国志最大の戦い
【樊城の戦い】樊城を陥落寸前まで追い詰めた関羽、呉の寝返りにより麦城に散る!
【曹操の死】曹操の死と曹丕の即位が三国時代の幕を開ける ほか
~コラム~くらべて楽しむ三国志
三顧の礼/諸葛亮と周瑜の角逐/錦馬超/『孟徳新書』/関帝信仰

■第3章 諸葛亮の北伐
【曹丕の南征】弱体化した呉を狙うも敗退し、蜀呉同盟復活の契機となる
【第一次北伐】劉備の念願をかなえるべく、諸葛亮が長安攻略を目指す
【第五次北伐】魏の持久戦術に成す術なく、五丈原で諸葛亮の命が尽きる

■終章 三国時代の終焉
【蜀の滅亡】厭戦気分の高まる蜀になだれ込み、成都を強行軍によって占領した魏
【魏の滅亡】司馬氏に乗っ取られた魏、禅譲によって晋に取って代わられる
【呉の滅亡】暴君・孫晧の悪政に付け込んで一斉に晋軍が侵攻 ほか

監修者紹介

渡邉義浩(わたなべよしひろ)
1962年生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科史学専攻修了。早稲田大学文学学術院教授。専門は中国古代思想史。文学博士。主な著書に『三国志事典』(大修館書店)、『「三国志」の政治と思想 史実の英雄たち』(講談社)、『三国志 演義から正史、そして史実へ』(中公新書)などがある。

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