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リニアモーターカー「リニモ」の方式・HSSTの仕組みとは

HSSTは、常電導磁石の吸引力により車体を1㎝ほど浮上させ、リニアモーターで推進させます。リニアモーターとは、回転式の普通のモーターを軸方向に展開させ直線上に引き伸ばしたもので、これに電流を流し推進力を得るしくみです。

もともとHSSTは、1970年代に日本航空が成田空港へのアクセス機関として開発を始めたもので、急勾配や急曲線の走行にも優れ期待されましたが、日本航空が開発を中断。それを中部HSST開発が引き継ぎ実用化しました。

リニモの性能は?

リニモは、リニアの能力を遺憾なく発揮し最高時速は100㎞に達しています。2020(令和2)年春現在、100系車両により平日10分間隔で運転し、藤が丘~八草間の約8.9㎞を17分で結びます。

新交通システム的ですが、ゴムタイヤによる低速運転と異なり、リニモは浮上走行で加減速のよい高速運転を行っています。

愛知高速交通東部丘陵線・リニモの路線図

愛知高速交通東部丘陵線・リニモの路線図

愛知高速交通東部丘陵線(通称リニモ)は、藤が丘駅(名古屋市名東区)と八草駅(豊田市)の約8.9㎞を9駅で結んでいます。藤が丘駅では名古屋市営地下鉄・東山線と、八草駅では愛知環状鉄道線(岡崎~春日井)と連絡します。

リニアモーターカー「リニモ」と「超電導リニア」の違いとは?

他方、超電導リニアは、鉄道総合技術研究所とJR東海により開発が進められており、超電導磁石による磁力の反発により浮上、推進する鉄道です。

2027(令和9)年の品川~名古屋間のリニア中央新幹線の営業運転を目指して建設が進められています。

リニアモーターカー「超電導リニア」の開発

超電導リニアの開発は、鉄道総合技術研究所の前身である東京・国分寺市の旧国鉄・鉄道技術研究所により1962(昭和37)年から東京~大阪間1時間運転を目標に研究が始まりました。

同所には全長220mの実験線を敷設し、1972(昭和47)年に初の実験車両 LSM200が浮上走行に成功。続けて、同年には4人乗りのML100が有人走行を実現しました。

1977(昭和52)年8月には日向灘(ひゅうがなだ)に面した全長7㎞の本格的な宮崎実験線が完成し、基本性能の実験が開始されました。同年12月にはML500が時速517㎞を記録。1980(昭和55)年には、それまでのT字形のガイドウェイ(軌道)をU字形にし、MLU001・MLU002を走行させています。

リニアモーターカーの目覚ましい進歩

1997(平成9)年には、全長18.4㎞(先行区間、のちに42.8㎞へ延伸)の山梨実験線に開発の場を移し、将来の営業運転を想定したトンネル、勾配、カーブなどを整備。実用化後は営業線の一部に組み込まれる予定とし、MLX01による有人走行の試験が開始されました。

同年に有人で時速531㎞、無人で時速550㎞と鉄道の世界最高速度を、2003(平成15)には有人走行による世界最高速度の時速581㎞を計時しました。

2013(平成25)年からは、営業用の仕様としたL0系が走行試験を開始し、2015(平成27)年には時速603㎞で走行し世界最高速度を更新しています。

HSSTを含めた日本におけるリニアモーターカーの進歩は目覚ましく、リニア中央新幹線の開業が待たれています。

リニアモーターカーの目覚ましい進歩
リニア・鉄道館~夢と想い出のミュージアム~

リニア鉄道館に展示されるMLX01-1(右)と新幹線の高速試験電車300X(真ん中)。MLX01-1は1995(平成7)年製で空力を考慮したダブルカスプ型の先頭形状をもちます。

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【見どころ】 Part.1 地図で読み解く愛知の大地

・山地の三河と低地の尾張、愛知県が東高西低なわけ
・1500万年前の奥三河には富士山級の大火山があった!
・自然の断崖が名城を守る!大地の端に築かれた名古屋城
・西南日本を分断する大断層、中央構造線が奥三河に露出!
・知多半島の南部の地層で産する、美しく多様な深海生物化石群
・県内の死者予測は2.9万人、南海トラフ地震とは何か?
・伊勢湾台風がもたらした高潮ほか大被害のメカニズム

・・などなど愛知のダイナミックな自然のポイントを解説。

【見どころ】Part.2 愛知を駆け抜ける鉄道網

・愛知県の鉄道の始まりに名古屋駅は存在しなかった!?
・世界初のビュフェもあった幻の関西鉄道はどんな路線?
・名鉄名古屋本線はかつて名古屋を境に東西で別の私鉄?
・新幹線に負けない魅力満載!進化を続ける近鉄名阪特急
・国産初の超低床路面電車!リトルダンサーが走る豊橋鉄道
・飯田線には昭和晩年まで東西の名車が集結していた!?
・線路やホーム跡が現存する奥三河の秘境鉄道・田口鉄道

…などなど、意外と知られていない愛知の鉄道トリビアを厳選してご紹介。

【見どころ】Part.3 愛知の歴史を深読み!

・大集落の朝日遺跡が教える縄文から弥生への移り変わり
・東海地方最大の前方後円墳、断夫山古墳が示唆するもの
・須恵器の猿投窯に始まり中世に発展した愛知の窯業
・応仁の乱の発端となった大激戦は尾張と三河の守護職争い!?
・信長が少ない軍勢で挑んだ桶狭間の戦い勝利の裏側
・家康後の岡崎城主・田中吉政が築いた岡崎二十七曲りとは?
・都市ごと清洲から名古屋へ移転した清洲越えがすごい!
・廃藩置県後の県域には12県、愛知県はどのようにして誕生?

・・・などなど、興味深いネタに尽きない愛知の歴史。知れば知るほど愛知の歴史も面白い。

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