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飯田線の車両には昭和の晩年まで東西の名車が集結していた! 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年1月5日

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飯田線の車両には昭和の晩年まで東西の名車が集結していた!

豊橋駅と辰野駅(長野県)を94駅で結び、秘境路線として人気のJR飯田線には、かつて東海道本線や横須賀線の名車が余生を過ごしていました。

飯田線は車両も路線も鉄道ファンに人気のローカル線

愛知を代表するローカル線、飯田線。路線長は約195.7㎞、全94駅に及び、静岡、長野の3県にまたがります。

駅数が多いのは、飯田線が豊川鉄道、鳳来寺鉄道、三信(さんしん)鉄道、伊那電気鉄道という私鉄により発祥した名残で、風情ある駅の構内などに面影があり山間をいく車窓も見事です。

飯田線の愛知県内路線図

飯田線の愛知県内路線図
国土地理院色別標高図を元に作成

豊橋から長野県の辰野までの94駅を単線で結ぶ飯田線は、戦時中に豊川鉄道、鳳来寺鉄道、三信鉄道、伊奈電鉄という小さな私鉄4社が合併した路線。

愛知県内の駅は豊橋から奥三河の東栄までで、その間、三河の国一宮・砥鹿神社、長篠城址、湯谷温泉など見どころが満載です。

飯田線の車両には東西の名車が集結していた

現在の車両は、JRのステンレス車両ばかりですが、昭和の晩年までは、旧型国電と称される昭和初期を中心に製造された国鉄電車が集結していました。

首都圏の京浜線(京浜東北線)、中央線、横須賀線、京阪神の東海道・山陽本線などで活躍した車両が第一線を離れたのち、飯田線で余生を送っていたのです。それらは車体全長が20mという、現在のJRの通勤形、近郊形電車の基礎をつくった名車ばかりでした。

飯田線の車両となった往年の花形「モハ43・52系」はどんな車両?

なかでも、京阪神間に新製配置されたモハ 43・52系電車は優雅なスタイルや車内設備を誇った往年の花形車両でした。

1934(昭和9)年に電化が完成した東海道・山陽本線の吹田(すいた)~須磨(すま)間(のちに京都、明石に延伸)の複々線区間では、急行電車(関西急電=現在の新快速電車の前身)が運転を開始しましたが、この際に投入されたのがモハ43系電車でした。2扉クロスシートの洗練された車体で迫力のある高速運転を行い、阪急などの私鉄と競いました。

さらに、1937(昭和12)年には流線形デザインのモハ52系電車が登場。美しい外観から「流電」と呼ばれた傑作車で、たちまちトップスターの座に輝き大活躍しました。モハ52系には、窓幅を広げた眺めのよい広窓編成、先頭部のみ半流線形にした車両も登場し世間から注目されました。

飯田線に車両モハ43・52系が辿り着くまで

しかし、華やかな時代は長くは続かず、戦局の悪化により急行運転は中止。

1949(昭和24)年に復活したものの、車両は疲弊が著しく、翌50年に80系電車が投入されると、モハ43・52系電車は役目を終えて横須賀線、阪和線に転出しました。

飯田線の車両として有終の美を飾ったスターたち

そして、最後にスター車両が辿り着いたのが風光明媚な飯田線でした。1950年代にモハ43・52系が赴任。モハ41系など他系列の旧型国電とともに、ここで晩年を過ごすことになったのです。

のちに飯田線は「走る電車の博物館」と称され、全国から鉄道ファンが集まりました。ここでも元関西急電の同系は垂涎の的、いわば大スターでした。

1978(昭和53)年に流電モハ52系が引退し、翌年までにモハ43系も廃車されました。関西急電の時代より、飯田線における活躍の方が長かったのです。仲間の他形式の旧型国電も1983(昭和58)年のさよなら運転で有終の美を飾りました。

飯田線の車両として活躍したモハ52系の現在

令和になった今、「リニア・鉄道館」にモハ52系のクモハ52004が関西急電当時の姿に復元され保存されていますが、時代の寵児ともいえる往年の名車が飯田線で健闘していたことを記憶にとどめておきたいものです。

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・国産初の超低床路面電車!リトルダンサーが走る豊橋鉄道
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