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鹿島鉄道の歴史

鹿島鉄道の歴史は、大正時代に発足した鹿島参宮鉄道(当初は行方鉄道)に遡ります。同鉄道は常磐線と霞ヶ浦北岸を結ぶべく、1924(大正13)年6月に石岡〜常陸小川間が開業。延伸を繰り返し、1929(昭和4)年5月に石岡〜鉾田間が全通しました。当初は、社名のとおり、鹿島神宮への参詣輸送を視野に入れ、途中の浜から大船津までを船舶で運行。鹿島丸、参宮丸、霞丸の3隻が用意されました。浜駅には汽船発着場が設けられますが営業は振るわず、鉄道路線の延伸計画も立ち消えとなりました。

のちに鹿島参宮鉄道は竜ヶ崎鉄道を合併しますが、田園地帯が多いため収入は少なく、モータリゼーションの進展もあり経営は悪化。1965(昭和40)年6月には関東鉄道が発足し、関東鉄道鉾田線となりました。その後も地元の足として活躍をしますが、昭和50年代から急激に利用者が減少。赤字路線の切り離しのため、鹿島鉄道として関東鉄道からは子会社分離されてしまいます。

鹿島鉄道は2007年ついに廃止に

沿線の航空自衛隊百里(ひゃくり)基地へ燃料を輸送する貨物列車が、基地に近い榎本駅まで運転され収入を支えていましたが、2002(平成14)年4月にこれが廃止に。また、つくばエクスプレスの開業により収入減となった関東鉄道からの支援もなくなり窮地に立たされてしまいます。

そこへ、沿線のクルマ社会化が追い打ちをかけます。廃線は避けられる時代ではなく、利用者の中心だった地元高校生による「かしてつ応援団」や有志による存続運動も行われたものの、2007(平成19)年4月、惜しくも全線が廃止されたのでした。

鹿島鉄道線の路線


鹿島鉄道はJR常磐線の石岡駅から東進、鉾田駅までの約27㎞を17駅で結んでいました。なお、石岡〜常陸小川駅間の線路跡の大部分は、茨城空港(百里飛行場)へのバス専用道路(かしてつバス専用道)に姿を変え、2010年(平成22年)8月30日から路線バスが運行しています。

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1945年(昭和20年)の終戦以降に廃止となった鉄道路線を地図上に表示。かつての路線網の充実ぶりに驚かされます。各廃線にも解説コメントを添えるのはもちろんのこと、歴史的価値の高い建造物や橋梁、隧道(トンネル)などの遺構群のプロットにも注力。日本の発展とともに歩んだ鉄道の歴史を、地図を辿りながら読み解きます。

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・東の名峰・筑波山はもともと地下の巨大マグマの塊だった!?
・国内で2番目に大きい湖、霞ヶ浦はどのようにしてできた?
・壁面の岩に海底火山の証!名瀑・袋田の滝が誕生するまで
・平磯海岸の恐竜時代の地層から、アンモナイトや国内初のサメ化石!
・県南部で続々と化石発見! 茨城に生きたナウマンゾウ
・南北に約95m広がる大炭田、常磐炭田を生んだ地層と産業史

…などなど茨城のダイナミックな自然のポイントを解説

【見どころ】Part.2 茨城を駆け抜ける鉄道網・交通網

・特急「はつかり」「ひたち」が走る大幹線・常磐線
・第二常磐線構想で生まれたつくばエクスプレス
・奥久慈清流ラインの異名をもつ魅力あふれる水郡線
・めずらしい非電化通勤路線、関東鉄道常総線・竜ヶ崎線
・鹿島参宮鉄道に始まった、鹿島鉄道鉾田線の在りし日
・水戸~石岡を結ぶ計画も……幻の水戸電気鉄道とは?
・阿見線に加え谷田部線? 常南電気鉄道による幻の計画

…などなど茨城ならではの鉄道事情を網羅

【見どころ】Part.3 茨城で動いた歴史の瞬間

・水に恵まれた茨城に人が定住 権力が生まれる
・地方王権の誕生を示す県内最大の古墳・舟塚山古墳
・石岡に置かれた常陸国府とそれを取り巻く交通路の痕跡
・常陸で成長した武家の二大勢力 常陸平氏と佐竹氏
・源頼朝が佐竹氏・平氏討伐! 鎌倉御家人たちが入国
・長い不遇の時代を経て佐竹氏が常陸の覇者に返り咲く
・水戸で育った尊王攘夷思想 桜田門外の変や天狗党の乱に発展

…などなど、激動の茨城の歴史に興味を惹きつける

【見どころ】Part.4 茨城で育まれた産業や文化

・水戸藩に飲料水を運んだ地下水路・笠原水道
・東洋一の航空基地 霞ヶ浦海軍航空隊が置かれた街・阿見町
・2000万人超が来場した科学博、つくば万博の熱狂と跡地の変身
・鉱山開発と日立製作所の歴史
・原子力とともに歩んだ東海村の半世紀
・陸の孤島だった鹿島が臨海工業地帯になるまで
・野菜産出額日本一の街が茨城に!? 鉾田市で農業が盛んな理由とは

…などなど茨城の発展の歩みをたどる。

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