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弾丸列車計画とは?~意外な形で兵庫県内に残る線路予定地~ 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年1月26日

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弾丸列車計画とは?~意外な形で兵庫県内に残る線路予定地~

神戸近郊の高速道路やバイパス道路、駅の跡地を転用した町中の公園……。何げない風景のなかに、戦前にあった超特急の構想の痕跡が隠れています。

弾丸列車計画とは?

日本では戦前、新幹線の原形となる超特急の敷設計画がありました。それが「弾丸列車」です。建設が決まったのは1940年で、国内で標準とされている1067mmのレールでなく1435mmのレール(国際標準軌)と高出力の大型車両を使用し、東京から下関までを9時間で結ぶ予定でした。

さらに、下関から海底トンネルで朝鮮半島に渡り、中国大陸を経由してヨーロッパにまで至る壮大な案までありました。

1930年代に朝鮮半島や中国大陸への輸送量増大をふまえて計画されました。

弾丸列車計画:兵庫県のルート

兵庫県内のルートは、1941年4月の段階では3案ありました。第1案は在来線の山側(北)を西進して姫路駅に乗り入れます。第2案は在来線の山側(北)を西進して御着(ごちゃく)(姫路市)~曽根(高砂市)間で在来線を乗り越し、姫路市の南方で播但線の支線である飾磨(しかま)港線(現在は廃止)の亀山駅付近に新駅を設置します。第3案は在来線の海側(南)を西進して姫路市の南方を通過し、第2案での新駅よりも南方に新駅を設置するというものでした。

山陽新幹線とは異なる場所に予定されていた駅も少なくありません。
国土地理院標準地図を元に作成

弾丸列車計画の3案のなかから「新姫路駅設置」が決定

3案を比較した結果、費用や作業の手間から第2案が有力となり、在来線の駅から約3km南方に高架式の新駅として「新姫路駅」を設置することが決定します。

また、戦後に実現した山陽新幹線とは異なり、大阪~神戸の区間はほぼ直線コースで、神戸本線の西宮北口の付近を通って芦屋付近でトンネルに入る予定でした。

弾丸列車計画のために買収された用地は

この計画にもとづいて用地が買収され、一部は戦後の新幹線計画に転用されます。山陽新幹線の相生から岡山までの一部は戦前に買収した地域です。相生から延びる赤穂線は、弾丸列車と並走することを想定した路線で、住民による用地返還の要求を避けるため工事が前倒しされました。

弾丸列車の用地として購入されながら、新幹線には使われなかった土地もあります。尼崎市内に確保された用地は、戦後は神戸と愛知県小牧市を結ぶ名神高速道路の一部に転用されました。神戸と明石と結ぶ第二神明道路、明石市の魚住町清水から高砂市の阿弥陀(あみだ)町魚橋を結ぶ加古川バイパスなども、本来は弾丸列車の用地でした。

弾丸列車計画で設置が決定した「新姫路駅」は幻に

弾丸列車計画での「新姫路駅」は、国鉄播但線(飾磨港線)の亀山駅と、山陽電気鉄道の亀山駅にまたがるようにつくられる予定だったとされます。しかし、これは実現しないまま、国鉄の亀山駅は1986年に廃止され、現在は公園となっています。

消えた赤穂鉄道

1951年に開業した赤穂線の坂越(さこし)駅から終点の播州赤穂駅までの区間は、入れ替わりに廃止された赤穂鉄道の路線とほぼ重なります。赤穂鉄道は山陽本線の有年駅から播州赤穂駅までを結び、狭軌(762mm)が採用されていました。

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