フリーワード検索

トップ > カルチャー >  関西 > 兵庫県 >

神戸電鉄有馬線の沿線はなんと9割近くが山の中! 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年1月26日

この記事をシェアしよう!

神戸電鉄有馬線の沿線はなんと9割近くが山の中!

神戸市兵庫区から有馬温泉に至る有馬線の駅は、大部分が標高200~300mの山地にあります。平地の路線がほとんど「ありません」という状態でした。

神戸電鉄有馬線の開通でにぎわった有馬温泉

神戸市内の通勤客のみならず、有馬温泉への観光客や六甲山への登山客を運ぶ有馬線は、1926年に開業した神戸有馬電気鉄道を前身とします。

有馬温泉は険しい六甲山地の中にあるため、大正時代まで神戸市内からは徒歩か人力車で半日以上もかかりました。有馬線はそれを約1時間にまで短縮したので、開通後は温泉客で大いににぎわいました。

神戸電鉄有馬線の標高

有馬線では、約22.5kmの全区間のうち、勾配のある区間が84.3%です。出発点の湊川は標高0mですが、4駅目の鵯越(ひよどりごえ)は標高134mで、神戸港のシンボルとなっているポートタワー(全高108m)よりも高いのです。

5駅目の鈴蘭台(すずらんだい)は標高278mで、鵯越から一気に144mも上昇し、全区間で一番高低差があります。高原地帯の鈴蘭台に駅が築かれたのは、昭和初期には「関西の軽井沢」とも呼ばれた保養地だったからです。

そして終点の有馬温泉は、標高357m。北側をのぞく3方向を山に囲まれているので、真夏でも気温が摂氏25℃以下にとどまります。

神戸電鉄有馬線の勾配

1%の10分の1、つまり1000分の1を1‰(パーミル)といいます。鉄道線路の勾配はこの‰で示され、1000mの水平距離に対して30mの垂直距離(高さ)があれば、30‰の勾配です。

有馬線では、湊川から鈴蘭台までの区間をはじめ、50‰以上の急勾配が約47%もあります。50‰は角度に換算すれば約2.86度で、大したことないと思えますが、50‰の下り勾配を時速40kmで運行した場合、ブレーキをかけなければ、60秒後にはじつに130km/h以上にまで加速します。

神戸電鉄有馬線敷設工事でネックとなったトンネル

有馬線の開業当時は、鉄道省によって35‰以上の勾配区間がある路線は敷設を制限されていたので、特別設計許可を取って敷設されました。敷設工事でネックになったのは、山中なのでトンネルが多いことです。その数は全区間で8カ所、総距離は1721mもあります。工事中は、落盤で作業員が生き埋めになる事故も発生しました。

日本には、神奈川県の箱根登山鉄道、静岡県の大井川鐵道など、有馬線と同じく苦難を経て開通した急勾配の山岳路線が複数あります。2009年には、各社で「全国登山鉄道‰会」が結成され、山中の風景を楽しめる路線の魅力を広めるべく、宣伝活動で協力しあっています。

消えた国鉄有馬線~もうひとつの有馬線~

戦前には「もうひとつの有馬線」が存在しました。1915年に開業した有馬鉄道有馬線で、三田から有馬までを結び、1919年に国有とされました。戦時中の1943年に運行休止されて事実上の廃線となりますが、法的な廃止手続きは行なわれていないままです。

『兵庫のトリセツ』好評発売中!

日本の各県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。兵庫県の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!

●地図で読み解く兵庫の大地

神戸市の背後にそびえる六甲山の誕生の秘密、新温泉町や香美町で体感する山陰海岸ジオパーク、明石市を通る標準子午線はじつは少しズレている、地形と地質からひもとく日本最古の名湯・有馬温泉、地形で読み解く高級住宅地「芦屋市六麓荘町」の魅力、芦屋川や住吉川など阪神間の河川に天井川が多い理由・・などなど兵庫のダイナミックな自然のポイントを解説。

●兵庫を走る充実の交通網

「神戸線」の名を冠した阪神間の交通網の成り立ち、地味だけど速い!人気!智頭急行の秘密、意外な形で兵庫県内に残る弾丸列車計画の線路予定地、人気のハイキングコースとなった福知山線の線路跡、地元民も予想外だった新幹線相生駅ができたワケ…などなど、意外と知られていない兵庫の交通トリビアを厳選してご紹介。

●兵庫の歴史を深読み

丹波市で発見された恐竜の化石からわかる古代の兵庫、日本のはじまりは兵庫から!淡路島に伝わる国生み神話、古墳の数が日本一!なぜ兵庫には古墳がたくさんあるのか、清盛が築いた日本の首都・福原京の今むかし、石をどうやって山頂へ 朝来市の「天空の城」の謎、そもそも何 なぜここに 高砂市にある石の宝殿の謎、兵庫港と神戸港の違いとは その長くて深い歴史、兵庫は重要な拠点だった 消えた軍事遺跡を歩く・・・

などなど、思わず「そうだったのか」と納得のネタに尽きない兵庫の歴史。知れば知るほど兵庫の歴史も面白い。

『兵庫のトリセツ』を購入するならこちら

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!

エリア

トップ > カルチャー >  関西 > 兵庫県 >

この記事に関連するタグ