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出石そばの特徴と食べ方

出石そばは、そばの実を外側の殻ごと石臼で挽いた風味の強い挽(ひ)きぐるみのそば粉を使用し、薬味には、とろろ、ねぎ、わさび、大根おろし、卵などが添えられます。現在は、盛りつけは白磁の出石焼の小皿5枚に分けた状態で出されています。

幕末のころ、屋台でそばを出すとき持ち運びに困らないよう手塩皿に盛るようになり、割り子そばにすることが定着しました。小皿5枚に分けるスタイルが確立されたのは、1950年代中ごろだとされます。

出石そばの食べ方

1皿あたりの量は2口か3口分で、おかわりは1皿から可能、食べ終わった上へ上へと皿を重ねていきます。成人男性ならば「箸(はし)を立てた高さを食べたら一人前」と言われ、これはおおむね15皿分に相当します。

出石そばの「そば喰い大会」

出石では例年4月に「そば喰い大会」が開かれ、県の内外から数百人もの老若男女が集って、食べた枚数を競います。提供されるそばは1万皿におよび、1人で数十枚をたいらげる者も少なくありません。

「出石そば」のブランド名

2018年には、「出石そば」の名は豊岡市の出石皿そば協同組合によって地域団体商標として登録されました。このため、他地域の業者が勝手にこの名を使うことはできません。

出石そばが盛られるのは出石焼の小皿

出石そばの器に使われる出石焼は、そばより少し遅れて18世紀末から広まりました。陶工の伊豆屋弥左衛門(いずややざえもん)らが、肥前(現在の佐賀県)の有田焼の技術を取り入れつつ、地元で採取される粘土を使って製法の研究を重ね、のちには出石藩の支援を受けて発展しました。

明治期には、職を失った士族の子弟も積極的に窯業に携わりました。1902年には、アメリカのセントルイスで開催された万国博覧会に出石焼が出品され、金賞を受賞する栄誉に輝いています。

15年間だけ使われた幻の路線

出石では、1929年から1944年まで、「出石鉄道」が走っていました。運行区間は約11kmで、出石駅から山陰線に接続する日高町の江原駅まで7駅がありました。初期にはガソリンカー、のちには蒸気機関車が使用されたといいます。

開業後は、昭和初期の不況に加えて円山川の橋梁が2度も崩れるなどして、運休が相次いでしまいます。結局、戦時中に「不要不急路線」として運行が停止され、1970年に公式に廃止されました。路線の跡地は農道などに使われています。2019年には豊岡市で、出石鉄道が使用した蒸気機関車の実物大模型を作製して展示するイベントも開かれました。

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