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祇園の町並みが今のようになったのは江戸時代以降

そんな祇園は寺社の興隆とともに発展したとされやすいですが、繁華街になったのは江戸時代以降です。祇園のメインストリートである四条通はかつての平安京の四条大路で、全幅は8mほど。現在のような大通りではありませんでした。拡張されたのは明治時代の後期です。

祇園のメインストリート四条通に市電敷設

当時の京都市は、産業復活を目指して「京都市三大事業」を計画しました。その1つである市電敷設による交通網の整備で、1906年に四条通も京都市電四条線の線路設置が決定しました。これにより、四条通の道幅も8mから20m(現在は22m)に大幅拡張。建造物の大部分も建て直されていきました。

四条通拡張に合わせて八坂神社の西楼門も移動

八坂神社の西楼門(にしろうもん)も、1913年に四条通の拡張にともない、門を東に6m、北に3m移動しています。花見小路通も、大正時代に発展したもの。四条通での茶屋営業が禁止となって店舗が移ってきた結果、京都一の花街になりました。『忠臣蔵』の大石内蔵助が豪遊したことでも有名な一力亭(いちりきてい)も、四条通に面していた玄関を、花見小路通方面に変えています。

祇園の代表的町並みの花街

花街としての祇園は、1881年に東部が分離され「祇園甲部」と「祇園東」になります。このほかにも宮川筋二丁目から六丁目のあたりが「宮川町」、四条通から三条通の1筋南まで通じる細い通りが「先斗町(ぽんとちょう)」、上京区の北野天満宮に近接する繁華街に「上七軒(かみしちけん)」があり、これらは五花街と呼ばれています。

祇園の代表的町並みの花街

先斗町

歌舞練場に集う芸妓・舞妓

このうち祇園東以外には「歌舞練場」という芸妓・舞妓の劇場があり、「都をどり」「京おどり」「鴨川をどり」「北野をどり」などの舞踏公演のほか、歌や舞踊の練習場として利用されています。

祇園祭は疫病退散からはじまった

祇園祭は疫病退散からはじまった

八坂神社の祭礼として毎年7月に行われるのが祇園祭です。869年全国で疫病が流行した際、広大な庭園だった神泉苑当時の国の数にちなんで66本の鉾を立て、牛頭天王(ごずてんのう)らの神を迎えて災厄退散を祈ったことがはじまりとされています。17日と24日の山鉾巡行が有名ですが、祭礼自体は1日から31日まで日程が組まれていて、まさに京都の夏の風物詩となっています。

祇園祭

住所
京都府京都市東山区市内各所八坂神社ほか
交通
JR京都駅から市バス206系統東山通北大路バスターミナル行きで20分、祇園下車すぐ
料金
有料観覧席(7月17・24日)=3180円、要問合せ/

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・京都府の4地形区と断層/京都盆地とその出入り口(逢坂と大山崎)
・琵琶湖疏水の秘密/洛中と洛外を隔てるおどい
・観光のメッカ東山の地形(地獄の入り口六道珍皇寺)
・失われた巨椋池/天橋立はなぜあのような地形になったのか
・舞鶴が重要港湾となった地形的な秘密
・霧のまち亀岡(亀岡盆地)

…などなど京都のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 京都を駆ける充実の交通網

・山城盆地を通る街道(東海道、中山道の終着地)
・若狭と京都を結ぶ「鯖街道」
・日本初の一般営業用電車が通った京都市電
・京都鉄道博物館
・梅小路
・京都の私鉄〇〇な阪急
・大赤字から復活した京都丹後鉄道

…などなど京都ならではの交通事情を網羅。

Part.3 京都の歴史を深読み!

・丹後に一大勢力が存在した証拠 三大古墳に埋葬された人々
・古代日本を支えた渡来人と京都の関係
・なぜ京都は都になったのか 恭仁京~平安京までの変
・南北朝動乱の始まり 笠置山の戦い
・信長、光秀、秀吉…みんな京都で死んだ
・幕末の騒乱の舞台となった京都
・近代化にいち早く着手!日本初の博覧会は京都の寺で開かれた

…などなど、激動の京都の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 京都で育まれた産業や文化

・シンボル京都タワーと近代建築
・学問の都・京都の大学
・京料理とそれを支える伝統野菜
・「丹波」ブランドをめぐる攻防
・日本映画と京都
・「女酒」伏見の酒蔵
・王城の裏鬼門「男山」と岩清水八幡宮

…などなど京都の発展の歩みをたどる。

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