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七面山に数多く残る日蓮聖人と七面大明神の伝説

標高は1989m。日蓮宗の総本山である身延山とも関わりが深く、日蓮聖人の伝説も数多く残っています。例えば、七面大明神の逸話です。

日蓮聖人が説法をしていると、聴衆の中に一人の美しい女性がいるのに気づきました。他の信者たちは見慣れない女性を不審に思っているようでした。そこで日蓮聖人が「本当の姿を見せてあげるように」というと、女性は少しの水を所望した後、自らを「七面大明神である」と名乗ります。そして「われはこの山々の一帯を守る者である。身延山を手厚く信仰し『南無妙法蓮華経』を唱えるものを守護しよう」と言うと竜に姿を変え、七面山の方へ飛び去っていった。というものです。

日蓮入滅後、日蓮の高弟・日朗が七面大明神を祀るために山に登りました。道なき道に果敢に挑んだ日朗一行が、大きな石のそばでひと休みしていると、七面大明神が姿を現し、一行を出迎えました。大きな石は影嚮石(ようごうせき)と名づけられ、その前に七面大明神を祀る祠を建てたといわれています。

七面山登山で拝む富士山の御来光

そんな数々のいわれをもつ聖なる地は、登山者にとっても登りがいのある山として有名です。東北部は久遠寺の寺領であるため、登山ルートとして表参道、裏参道を通ります。山頂近くには敬慎院があり、多くの人が宿坊として利用します。

途中に見かける七面山大崩れは、「ナナイタガレ」「オオガレ」とも呼ばれる大規模な崩落の跡。安政東海地震をはじめとする地震や長年の侵食の影響によってできたものです。

七面山に登る多くの登山者の最大のお目当ては、その眺望です。七面山本社随身(ずいしん)門の前にある遥拝所、そこから真正面に富士山が見えるのです。

特に春分・秋分の日には随身門から本社、一の池へと光が射しこむよう計算されており、富士山の真上から太陽が昇る「ダイヤモンド富士」が見られる様はまさに絶景。この神秘的な御来光を拝もうと登詣する人は後を絶ちません。

神々しさすら感じる古人の計らいに、今も昔も多くの人が心動かされるのです。

御来光の道筋

富士山の山頂部と太陽が重なって幻想的な姿になる「ダイヤモンド富士」という現象。七面山では春分・秋分の日に見ることができ、この光景を見るために多くの登詣者が訪れます。

春分と秋分の日になると、富士山の御来光が敬慎院の随身門から本殿へと真っすぐに射し込み幻想的な光景を生み出します。

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Part.1 地図で読み解く山梨の大地

・山の都として栄えた甲府盆地はどのようにできたのか?
・富士五湖は富士山の溶岩でせき止められた2つの湖だった!?
・日本一の造形美をつくり出す昇仙峡は何でできている?
・3000年に“2度”の大噴火が生み出した青木ヶ原の樹海
・もうひとつの富士「黒富士」にある燕岩の正体
・富士山文化遺産の構成資産、山梨にある2つの「胎内めぐり」
・「池」だけど「八海」!神秘の風景・忍野八海
・日照時間日本一の秘密は地形にあり!?
・富士川の洪水を防いだ「信玄堤」と「万力林」

…などなど山梨のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 山梨を駆け抜ける鉄道網

・甲州市から山梨市にかけて、中央本線が北に大きく迂回するわけ
・高額運賃の私鉄が国有化の悲願を果たし、現在に至る身延線
・昭和モダンの香りを漂わせ、今も現役の山梨の駅舎たち
・ここは東京?ちょっと意外な丹波山村の公共交通事情
・甲府盆地を走り、「ボロ電」と呼ばれた山梨交通電車線
・実は2つの路線から成り立っている富士急行線
・約2年間だけ標高日本一の駅があった、小海線の山梨県内区間
・6つのスイッチバック駅に助けられ、甲斐路を辿った中央本線
・リニアモーターカーの実験線が山梨にできたわけ
・古くからの富士山吉田口登山道を継承する山梨県道701号

…などなど山梨ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3 山梨で動いた歴史の瞬間

・古代 いにしえの八ヶ岳周辺は“星降る里”だった!?
・古代 甲斐銚子塚古墳が東日本最大級なワケ
・平安~中世 武田氏の先祖にあたる戦国エリート「甲斐源氏」
・中世(鎌倉) 日蓮聖人の波乱に満ちた生涯と身延山
・戦国時代 山梨の神!武田氏3代が鎮座した武田神社
・戦国時代 信玄が進み勝頼が広げた武田氏の最大領地は?
・江戸時代 徳川家康に対抗するために築城された甲府城
・江戸時代 幕府直轄地で発展した甲州街道と富士川舟運
・近現代 幕末の財界を牛耳った甲州商人が売ったもの
・近現代 明治40年の甲府の大水害からの復興
・近現代 空港のない山梨県にあった秘密の飛行場“ロタコ”

…などなど、激動の山梨の歴史に興味を惹きつける。

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