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御坂峠からの景色を描いた葛飾北斎の『富嶽三十六景』

御坂峠から眺める富士山や河口湖の絶景は、昔から有名で、江戸後期には葛飾北斎が『富嶽三十六景』で、「甲州三坂水面」として河口湖に映る逆さ富士の情景を浮世絵に残しています。

実際には御坂峠からの景色では、河口湖の水面に逆さ富士は映らないなど、事実と異なる点もありますが、どちらにしても創作意欲をかき立てられるモチーフだったのでしょう。

旧御坂峠からの風景を素描で残した歌川広重

また、歌川広重は1841(天保12)年に甲斐に足を運び、名所を素描したものを『甲州日記』に残しています。ただ、御坂峠を訪ねた記録はないため、御坂峠を描いた絵は、旧御坂峠からの風景だというのが通説です。

御坂峠を愛した文豪たち~井伏鱒二と太宰治

また、御坂峠は名だたる文豪たちに愛された場所でもありました。旧国道137号御坂トンネルの河口湖側にある「天下茶屋」では、井伏鱒二や太宰治が逗留して執筆活動を行っています。

当時のたたずまいを残す天下茶屋は、2階に太宰治文学記念室を併設。太宰ゆかりの場所として、多くのファンが足を運ぶ「聖地」となっています。

天下茶屋

住所
山梨県南都留郡富士河口湖町河口2739
交通
富士急行河口湖線河口湖駅から富士急山梨バス天下茶屋行きで30分、終点下車すぐ
料金
天下茶屋ほうとう鍋=1080円/山菜とろろそば=1000円/甘酒=500円/きのこほうとう鍋=1410円/

新旧御坂峠と新旧御坂トンネルの区別は要注意!

ところで御坂峠には「旧御坂トンネル」「新御坂トンネル」の2つのトンネルがありますが、これらの区別は地元の人でも勘違いするほど、ちょっとややこしくなっています。

昭和初期に開通した御坂隧道と、それを含む旧国道8号として開通したのが「旧御坂トンネル」であり、この道沿いに天下茶屋があります。その後、1967(昭和42)年に旧御坂峠下に開通したのが「新御坂トンネル」。

つまり、旧御坂峠下に「新御坂トンネル」があり、新御坂峠下にあるのが「旧御坂トンネル」となっているのです。訪れる際はお間違いのないようにお気を付けください。

新旧御坂峠と新旧御坂トンネルの区別は要注意!

御坂峠

住所
山梨県笛吹市御坂町藤野木
交通
富士急行河口湖線河口湖駅から富士急山梨バス天下茶屋行きで30分、終点下車すぐ
料金
情報なし

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山梨の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。山梨の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報満載!

Part.1 地図で読み解く山梨の大地

・山の都として栄えた甲府盆地はどのようにできたのか?
・富士五湖は富士山の溶岩でせき止められた2つの湖だった!?
・日本一の造形美をつくり出す昇仙峡は何でできている?
・3000年に“2度”の大噴火が生み出した青木ヶ原の樹海
・もうひとつの富士「黒富士」にある燕岩の正体
・富士山文化遺産の構成資産、山梨にある2つの「胎内めぐり」
・「池」だけど「八海」!神秘の風景・忍野八海
・日照時間日本一の秘密は地形にあり!?
・富士川の洪水を防いだ「信玄堤」と「万力林」

…などなど山梨のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 山梨を駆け抜ける鉄道網

・甲州市から山梨市にかけて、中央本線が北に大きく迂回するわけ
・高額運賃の私鉄が国有化の悲願を果たし、現在に至る身延線
・昭和モダンの香りを漂わせ、今も現役の山梨の駅舎たち
・ここは東京?ちょっと意外な丹波山村の公共交通事情
・甲府盆地を走り、「ボロ電」と呼ばれた山梨交通電車線
・実は2つの路線から成り立っている富士急行線
・約2年間だけ標高日本一の駅があった、小海線の山梨県内区間
・6つのスイッチバック駅に助けられ、甲斐路を辿った中央本線
・リニアモーターカーの実験線が山梨にできたわけ
・古くからの富士山吉田口登山道を継承する山梨県道701号

…などなど山梨ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3 山梨で動いた歴史の瞬間

・古代 いにしえの八ヶ岳周辺は“星降る里”だった!?
・古代 甲斐銚子塚古墳が東日本最大級なワケ
・平安~中世 武田氏の先祖にあたる戦国エリート「甲斐源氏」
・中世(鎌倉) 日蓮聖人の波乱に満ちた生涯と身延山
・戦国時代 山梨の神!武田氏3代が鎮座した武田神社
・戦国時代 信玄が進み勝頼が広げた武田氏の最大領地は?
・江戸時代 徳川家康に対抗するために築城された甲府城
・江戸時代 幕府直轄地で発展した甲州街道と富士川舟運
・近現代 幕末の財界を牛耳った甲州商人が売ったもの
・近現代 明治40年の甲府の大水害からの復興
・近現代 空港のない山梨県にあった秘密の飛行場“ロタコ”

…などなど、激動の山梨の歴史に興味を惹きつける。

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