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【新潟の江戸時代】越後国は小藩などが入り乱れた混沌状態となる

かわって越後には徳川家康の六男・松平忠輝(ただてる)が60万石(75万石とも)の大大名として配されました。しかし、忠輝は家康をはじめ徳川宗家の不興を買い、家康の死後に改易されます。以後、江戸時代の越後国には村上、新発田(しばた)、長岡、高田藩などの小藩が10藩ほど分立し、さらには他藩の飛び地や幕府直轄領が入り乱れ、忠輝時代の高田藩のような大藩は成立することがありませんでした。なお、江戸時代初期に金山が発見された佐渡は、幕府の直轄領とされました。

【新潟の江戸時代】越後が分割統治されている頃、新田開発が盛んになる

江戸時代の新潟県域では、越後平野での新田開発が盛んに行われました。もともと越後平野は、信濃川や阿賀野川より運ばれてきた土砂が堆積してできた沖積平野であり、潟湖(せきこ)や沼が多く、耕地には不向きな湿原でした。こうした土地を農地へと変えるには、まず潟の水を海へ逃がす「水抜き」が必要で、このため放水路や排水路が開削され、徐々に開拓されていきました。

その代表例としては紫雲寺潟(しうんじがた)での新田開発が挙げられます。紫雲寺潟は現在の新発田市紫雲寺地区から胎内(たいない)市塩津(しおづ)地区にかけてに存在した約2000ヘクタールに及ぶ広大な沼地で、蒲原(かんばら)低湿地のなかでは最大規模の潟湖でした。

事業は難航しつつも完了させる

1726(享保11)年、信州出身の商人の竹前(たけまえ)兄弟が自費での干拓(町人請負新田)を願い出て、紫雲寺潟干拓事業が開始されます。この事業は難航しますが、1736(元文元)年には約1674町歩の耕地が誕生。かつての紫雲寺潟のあとには42もの新しい村が成立しました。

広大な沼地が広がっていた越後平野で新田開発が進み、江戸時代のあいだに石高は3倍近くまで増加しました。
『新潟県の歴史 第2版』(山川出版社、2009年)を元に作成。

【新潟の江戸時代】黒船が来航すると新潟の港が海外へ開かれた

江戸時代の末期になると、幕府は新潟港周辺を天領として直轄支配しました。1853(嘉永6)年にペリー提督率いるアメリカ艦隊が浦賀(神奈川県横須賀市)に来航すると、日本は翌年に日米和親条約の締結を余儀なくされます。

そして1858(安政5)年には日米修好通商条約を結ぶことになり、外国船への海港場のひとつに新潟港が選ばれました。しかし、戊辰戦争が勃発した影響により、新潟港が外国船に向けて開港するのは当初の予定より遅れることになります。

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Part.1 地図で読み解く新潟の大地

・新潟の地質・地形概論(「米納津隕石、櫛池隕石」)
・約3000万年前に誕生した佐渡島 火山や地殻変動の痕跡がいっぱい!
・かつて圧倒的な産出量を誇った佐渡島の金銀山が生まれた秘密
・プレートの沈み込みが生む奇跡!糸魚川地域でヒスイが採れるわけ
・ヒスイ峡に3億年前のサンゴ礁!? 石灰岩でできている明星山の秘密
・日本列島を分断する見えない溝 フォッサマグナとはいったい何か?
・最長70㎞で10列をなす新潟砂丘は信濃川と阿賀野川がつくった!?
・約40年前から形成され始めた中津川に広がる河岸段丘の絶景
・約1000万年前の海底火山が生んだ新潟市・間瀬海岸の奇岩や沸石
・上信越高原国立公園・清津峡 圧巻の渓谷と柱状節理ができるまで
・産出量は文句なしの全国1位! 新潟県に油ガス田が多いわけ
・約300万年で2000mも隆起! 八海山が秘める地殻変動のすごさ

Part.2 新潟を駆ける充実の交通網

・東京と新潟をいかにして結ぶか?直江津線として生まれた信越本線

ほか、上越新幹線・北陸新幹線、上越線、飯山線、越後線、北越急行ほくほく線、えちごトキめき鉄道、新潟交通電車線、蒲原鉄道線などを紐解く。

Part.3 新潟の歴史を深読み!

・古代史総論/縄文時代 火焔型土器
・弥生時代 玉作と稲作
・越国が成立しやがて三国に分かれる
・中世史総論 城氏の興亡
・波月条絵図はなぜつくられた?
・上杉氏と長尾氏の複雑な関係(謙信による越後統一まで)
・御館の乱を経て景勝が越佐統一
・近世史総論……越後平野の開発
・鉱山都市相川の発展
・近世の交通
・近現代史総論
・北越戊辰戦争
・戦時下の新潟

Part.4 新潟で育まれた産業や文化

・大河津分水
・燕三条の金物
・西山・東山・新津の三大油田ほか新潟に発展した石油関連事業
・コシヒカリ
・越後杜氏と日本酒/越後縮
・冬の新潟が豪雪地帯となるわけと雪がもたらした観光業

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