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ミネソタ州の政治

ミネソタ州の選挙人の数は、10人です。政治への関心が高く、リベラルなポピュリズム運動が盛ん。民主党の地盤で、2016年大統領選ではトランプを選びませんでした。

ミネソタ州は、双子都市圏に北欧文化が息づく州

「アメリカの冷蔵庫」の異名は伊達ではなく、冬はミネソタ州北部でマイナス20〜30度に達することがあります。しかし寒さを補ってあまりある自然は、たいへん豊かです。
氷河時代に由来する1万を超える湖がミネソタ州の北部を中心に点在し、ミネソタ州(スー族の言葉で空色の水または曇天の水)の周りには初期移民にとって建材となった森林があります。

ミネソタ州は大陸性気候で夏は暖かく、特に南部の肥沃な土地はコーンベルトに属しトウモロコシ、大豆、ワイルドライスの栽培、それに酪農も盛んでチーズも製造しています。

ミネソタ州の北欧をルーツに持つ市民たち

寒さと雪と湖畔の景色に故郷と似た空気を感じとったためか、最初にまとまった数の移民として来たのはドイツ人に加えて、ノルウェーやスウェーデンの人々でした。やがてメサビを含むミネソタ州北東部で鉄の採掘が始まると、イタリア、ロシア、スロバキアなどあらゆる欧州地域の人と文化が流入していきました。

とはいえ、北欧文化は今も確かに息づいています。双子都市と呼ばれ、ミネソタ州の州人口の半数以上が住むミネアポリスとセントポールの都市圏を歩くと、クリスマスの飾り、レストランのメニュー、人の名前などにスカンジナビア文化を感じることができます。

政治的にはリベラルなポピュリズム運動が盛ん(大統領選でレーガンとトランプにNOを突き付けた唯一の州!)、ミネソタ州の州民投票の末に同性婚を認めさせています。こうした特徴にも北欧の社会民主主義の匂いを感じずにはいられません。

ミネソタ州を知るキーワード

ミネソタ州のキーワード:ミネアポリス

ミネソタ州の双子都市のボブ・ディランを生んだ方。地域経済の中心で小売大手のターゲット社本社があります。寒いのでビルとビルを空中回廊(スカイウェイ)で結んだ町。2020年に、ジョージ・フロイド氏死亡事件が起きました。

ミネソタ州のキーワード:セントポール

双子都市のミネソタ州の州都の方。19世紀に建てられたセントポール聖堂が名前の由来です。ミネソタ州最初期の拠点スネリング砦や、テープで有名な3Mの本社があります。

ミネソタ州のキーワード:ダルースの昇開橋

鉄鉱石の積み出し港だったミネソタ州ダルースの観光名所。建設されてから1世紀以上が過ぎた現在も、1日12回は上下して船を通しています。

ミネソタ州のキーワード:メイヨー・クリニック

イギリス人医師のメイヨー親子が、19世紀末にミネソタ州ロチェスター市で開設。最も信頼できる医療機関といわれ、大統領や資産家が通っています。

ミネソタ州のキーワード:モール・オブ・アメリカ

520店の店舗が入った全米最大級の複合商業施設。場所はミネソタ州ブルーミントン市。屋内遊園地があり、ローラーコースターに乗れます。

ミネソタ州のキーワード:アイアン・レンジ

ミネソタ州北東部に広がる鉄鉱石の鉱山地帯で、19世紀末から栄えました。メサビ鉄山を含みます。鉄は掘り尽くされましたが、タコナイトはまだ出ています。

ミネソタ州のキーワード:レッド・レイク・ パウワウ

インディアン居住地で、音楽と踊りで命の輪を讃えるお祭り「パウワウ」が毎年開かれます。パウワウは、交歓の集会という意味。

ミネソタ州のキーワード:映画『ファーゴ』

ミネソタ州生まれのコーエン兄弟による、皮肉の効いた誘拐劇。ファーゴはお隣ノースダコタ州の町で、ミネソタ州との州境に位置しています。

ミネソタ州のキーワード:ボエジャーズ国立公園

いくつもの湖を、まるで開拓時代の毛皮の運び屋(ボエジャー)のように、カヤックでわたることができます。オーロラ見物も人気。

ミネソタ州のキーワード:飛び地

ジョン・ミッチェル地図(1755年作成)に基づいてアメリカとカナダの国境線を引いたものの、後の調査で地図の間違いが発覚。しかし間違った地図に基づいた国境線を引き継いだため、妙な形の飛び地「ノースウェスト・アングル」ができました。それがミネソタ州の一部になり、アメリカ本土の最北点となったのです。

ミネソタ州の著名人

ミネソタ州の著名人:ミュージシャン ボブ・ディラン

ミネソタ大学中退後に歌手活動を始め、『風に吹かれて』が大ヒット。2016年には、歌手として初めてノーベル文学賞を受賞しました。(1941~)

ミネソタ州の著名人マンガ家 チャールズ・シュルツ

ミネソタ州ミネアポリスに生まれ、セントポールで育った『ピーナッツ』の原作者。スヌーピーは、子どもの頃に飼った犬のスパイクです。(1922~2000)

『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!

“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。

【見どころ―目次より抜粋】

1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州

2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道

3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢

4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)

巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)

【監修者】デイビッド・セイン

アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。

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