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ユタ州の政治

ユタ州の選挙人の数は、6人です。共和党が強いユタ州モルモン教は中立ですが、個人レベルで共和党支持の傾向があります。一方で無所属として立候補する信徒も。

ユタ州は、モルモン教の約束の地

ユタ州を語るうえで、キリスト教に独自の解釈を加えたモルモン教は欠かせません。指導者のブリガム・ヤング率いる信者たちは、迫害を受けてイリノイ州から現在のユタ州ソルトレイクシティに到達し、ここを拠点としました。

現在もユタ州の州民の6割から7割がモルモン教を信仰しており、州都の一角にあるテンプルスクエアには、数多の教会や大聖堂が林立しています。

モルモン教が強い存在感を放つユタ州の風土は、敬虔そのもの。飲酒、喫煙、同性婚、タトゥー、ギャンブルは例外もありますが、原則として禁止されています。そして信徒は、収入の1割を教会に納めなくてはなりません。第三者から見れば経済的な負担は軽くはなく、信仰心の強さが感じられます。

ユタ州は、全米トップクラスの識字率

治安が良く、ユタ州の州予算の7割が充てられるほど教育に熱心で、アメリカでトップクラスの識字率を誇ります。他方、モルモン教が一夫多妻制を容認していたため、1896年に禁止されるまで州昇格が認められませんでした。これは宗教や居場所を守るために、何より子孫を残すことを重要視したためといわれています。

州都ソルトレイクシティは、ユタ州のシンボルであるグレートソルトレイクを望みます。巨大な湖は死海と同じくらい塩分濃度が高く、最初に発見された際、太平洋と間違えられたという伝説があります。

ユタ州には5つの国立公園やウィンタースポーツが楽しめるため、観光地として人気です。露天掘り方式としては世界一といわれる、ビンガム銅山のおかげで鉱業も盛んです。

ユタ州を知るキーワード

ユタ州のキーワード:グレートソルトレイク

ユタ州にある西半球最大の塩湖で、塩分濃度は海水の10倍といわれます。湖を東西に横切る鉄道のための盛土によって、南北で塩分濃度や色が異なります。

ユタ州のキーワード:ソルトレイク神殿

ユタ州の州都で寺院が集まるテンプルスクエアにあり、高さ約70メートルとモルモン最大の規模を誇ります。2024年に改築工事が完了する予定。

ユタ州のキーワード:マルチレベルマーケティング

ユタ州は、俗に言うネットワークビジネスの大企業が多い。代表格は、化粧品販売のニュースキンです。

ユタ州のキーワード:スキー

スキーリゾートが多く、ユタ州の州都から比較的近いコットンウッド・キャニオンが有名です。スキーに最適の硬さの雪とされ、冬の週末は大賑わい。

ユタ州のキーワード:ザイオンカーテン

酒を注ぐ店員を客から隠す仕切りの設置義務があります。通称ザイオンカーテン。ユタ州の州法改正で姿を消しましたが、代わりに別室や壁が必要に。

ユタ州のキーワード:カナブの町

ユタ州カナブの別名は「リトル・ハリウッド」。古き良き西部時代の町並みが残っており、『黄色いリボン』などの西部劇の撮影が行われました。

ユタ州のキーワード:ダッチオーブン

初期開拓者は、手押し車を押して移動したので軽装が常。調理法に幅があるダッチオーブンが重宝され、ユタ州の公式シンボルになりました。

ユタ州のキーワード:ジェローゼリー

市販のゼラチンデザート。緑色のゼリーが教会や地元集会で登場します。長期保存に優れ、質素な甘味という点がユタ州の州民の琴線に触れます。

ユタ州のキーワード:フォー・コーナーズ

ユタ州、コロラド、ニューメキシコ、アリゾナの州境界線が一点で交わる角っこ。4つの州境が一点に集まるのは、アメリカでここだけ

ユタ州のキーワード:アーチーズ国立公園

地殻変動や侵食でできた見事なアーチ状の岩が、2千以上立っています。今も侵食が続いているため、岩の形は少しずつ変化しています。

ユタ州のキーワード:ブライスキャニオン国立公園

「土柱」や「フードゥー(尖塔群)」と呼ばれる独特の尖った無数の土の塔が特徴。ここを含め、ユタ州の土地の6~7割が公有地です。

ユタ州のキーワード:火星砂漠研究基地

砂漠環境が火星に似ていることから、研究基地があります。2001年から擬似火星探査実験が実施され、宇宙飛行士の訓練拠点になっています。

ユタ州のキーワード:サンダンス映画祭

ユタ州パークシティで毎年行われます。自主制作映画が対象で、約200本の映画が上映されます。尖った作品が多く、シネフィルが好む映画祭です。

ユタ州の著名人

ユタ州の著名人:映画人 ロバート・レッドフォード

自身がユタ州在住だったことから、サンダンス映画祭を主催。サンダンスの名前は代表作『明日に向かって撃て!』の役より。(1936~)

ユタ州の著名人:宗教的指導者 ブリガム・ヤング

ソルトレイクシティを設立したモルモン教指導者で政治家。一夫多妻制下で55人の妻がいました。彼の名前を冠する私立大学があります。(1801~1877)

『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!

“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。

【見どころ―目次より抜粋】

1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州

2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道

3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢

4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)

巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)

【監修者】デイビッド・セイン

アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。

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