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【帝国主義】イタリア統一とドイツ統一(19世紀後半)~分立国家が悲願の統一を成し遂げる

イタリア・ドイツ統一のポイント

ポイント1.ドイツの統一を主導したのはプロイセン
ポイント2.ビスマルク鉄血政策が功を奏した
ポイント3.イタリアの統一はサルデーニャ中心に進められる

ドイツ統一は鉄血宰相ビスマルクの活躍

近代のヨーロッパ世界はイギリスやフランスの主導で展開していきますが、ドイツとイタリアも両国に追随すべく悲願の国家統一を成し遂げます。

ドイツは神聖ローマ帝国がナポレオンによって解体された後、35の君主国と4つの自由都市からなるドイツ連邦となります。その分立連邦国家をプロイセンがまとめ上げました

首相のビスマルクは軍事力増強をめざす鉄血(てっけつ)政策を提唱し、普墺(ふおう)戦争や普仏(ふふつ)戦争に勝利。1871年に統一をはたし、ドイツ帝国が成立しました。

地図の見方:イタリアはサルデーニャ王国、ドイツはプロイセンが中心となって統一が進められ、現在につながる統一国家が成立した

イタリア統一はサルディーニャが主導

一方、イタリアでは中世以来、小国の乱立状態が続いていました。しかし、19世紀になると統一への機運が盛り上がります。

統一運動の中心となったのは、北イタリアでいち早く産業革命に成功したサルデーニャでした

サルデーニャはオーストリアとの戦争に勝利し、ロンバルディアを併合します。さらにガリバルディが南部を占領してサルデーニャ王に献上すると統一が実現。1861年にイタリア王国が誕生しました。

イタリア統一とドイツ統一:その時日本は!?

天保の改革

老中水野忠邦が実施した天保の改革は、倹約の推奨や風俗取り締まりなどの厳しいものでした。江戸と大坂を幕府の天領にする上知令も出されましたが、猛反対され失敗しました。

【帝国主義】産業革命の波に乗った欧米諸国は大不況から逃れるため帝国主義へと舵を切る(19世紀半ば~)

帝国主義台頭のポイント

ポイント1.1870年代の大不況をきっかっけに、帝国主義が台頭する
ポイント2.イギリス、ドイツ、フランスが植民地を拡大して優位に立った
ポイント3.ロシアやオーストリア、イタリアなどは遅れをとる

帝国主義により植民地獲得合戦勃発!

イギリス発の産業革命の波は、ヨーロッパ各国に行き渡り、どの国も経済力を高めます。しかし、1870年代にウィーン証券取引所の株価大暴落に端を発する大不況が到来しました。

これに対し、ヨーロッパの列強は強大な軍事力を背景にアジアやアフリカ、太平洋地域などを侵略・植民地化して不況を乗り越えようとする帝国主義へと舵を切ります

優位に立ったのはイギリス、ドイツ、フランスなど。イギリスは南アフリカ、エジプト、インドの3拠点を結ぶ3C政策をとり、ドイツはベルリン、ビザンティウム、バグダッドを結ぶ3B政策で対抗します。アメリカもカリブ海周辺を支配下におさめました。一方、国内に民族運動を抱えるロシアやオーストリア、南北格差のあるイタリアは遅れをとりました。

地図の見方:植民地獲得合戦で優位に立ったのは工業力や資本力のあるイギリス・フランス・ドイツ。劣勢を強いられたのは民族運動を抱えていた多民族国家のロシアやオーストリア、南北格差の大きいイタリア

【帝国主義】阿片戦争で加速したアジアの植民地化(19世紀後半)~「眠れる獅子」と呼ばれた清がイギリスに敗れる

アジア植民地化のポイント

ポイント1.イギリスは三角貿易でアヘンをに輸出していた
ポイント2.「眠れる獅子」と恐れられていた清は眠ったまま倒されてしまう
ポイント3.アヘン戦争以降、列強のアジア進出がよりいっそう盛んになった

阿片戦争は列強のアジア進出を加速させた

帝国主義の時代、ヨーロッパの列強はアジアを植民地化の重要ターゲットにします。列強のアジア進出を加速させたのはアヘン戦争でした。

19世紀、イギリスは茶を清(中国)から輸入していました。しかし、イギリス産の綿織物が売れず貿易赤字となり、銀が流出する一方だったため、イギリスはインド産のアヘンを清へ輸出し、清の茶を輸入する三角貿易を行なうようになります。

これに対し、清がアヘンの取締りを強化するとイギリスが反発。1840年、イギリスと清の間でアヘン戦争が勃発したのです。

地図の見方:アヘン戦争で清の弱体ぶりが明らかになり、ヨーロッパの列強が相次いで進出。中国は半植民地状態にされてしまう

阿片戦争の敗北から列強に翻弄されたアジア諸国

清はイギリスの強力な軍艦に圧倒され、アヘン戦争はイギリスの勝利に終わります。そして南京条約により香港島の割譲や5港の開港が決まります。

このアジアの大国の敗北が呼び水となり、19世紀後半から列強は次々とアジアに侵出。中国をはじめインド、インドシナ、フィリピンなどを植民地化します。植民地化を免れたのは日本とタイくらいしかありませんでした

阿片戦争:その時日本は!?

明治維新

1868年、明治新政府の基本方針となる五箇条の御誓文が出され、71年の廃藩置県で封建社会から近代国家へ生まれ変わります。89年には大日本帝国憲法が発布されています。

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『地図でスッと頭に入る世界史』見どころ―目次から抜粋

■紀元前221年、秦がバラバラの貨幣を統一したことで、歴史上はじめて〝ひとつの中国〞が実現した
■紀元前202年、中国を再統一した漢がシルクロードを開いた結果、東西交易が盛んになった
■208年、魏の曹操・蜀の劉備・呉の孫権の三者が死闘を繰り広げる『三国志』の時代が到来する
■618年、隋を引き継いだ唐が巧みな統治で周辺諸国を服従させ、国際色豊かな大帝国に発展
■1405年、周辺国の朝貢を求める明がヨーロッパより100年早く南海への大航海を展開する
■紀元前5世紀、アテネとスパルタの二大ポリスが戦争を繰り広げ、ギリシア世界は大きく変化
■紀元前334年~、アレクサンドロス大王の東方遠征で東西文化が融合したヘレニズム文化が生まれる
■紀元前27年、200年間にわたって続いたローマ帝国の最盛期は、30万キロの幹線道路が支えていた
■313年、イエスが説いたキリスト教がパウロの布教活動をきっかけに世界宗教へと飛躍した
■800年、ゲルマン人が建てたフランク王国のカール大帝が西ローマ帝国を復活させた
■1096年、計7回の十字軍遠征で当初の目的ははたせなかったが、ヨーロッパ経済が変化した
■14世紀、経済成長を背景にはじまった文化や思想の新しい動きがルネサンスの呼び水となる
■14世紀半ば、「黒死病」とも呼ばれるペストが猛威をふるい、欧州人口の30%以上が死亡
■16世紀、世俗にまみれて堕落・腐敗したローマ・カトリック教会に抵抗するプロテスタントが生まれる
■15世紀、大海原に漕ぎ出したヨーロッパの航海者たちが世界経済を大きく変えた
■16~18世紀、覇権争いを繰り広げるヨーロッパの強国が世界各地に植民地を築く
■紀元前8~4世紀、オリエント世界に興ったアッシリアとアケメネス朝ペルシアが世界帝国として君臨する
■紀元前500年頃、アジア各国で信仰され、世界宗教のひとつになっている仏教がインドで生まれる
■4~6世紀、インドで産声をあげ、民衆の間に浸透したヒンドゥー教が仏教を駆逐
■610年頃、アラビア半島のオアシス都市メッカでアッラーを唯一神とするイスラーム教が成立する
■661年、勢力拡大を続けるイスラーム教がカリフの暗殺をきっかけにスンナ派とシーア派に分裂
■16世紀、地中海の覇権を握り異教徒を効果的に使ってオスマン帝国が大帝国に成長
■18世紀、躍進するイギリスで現代の資本主義社会につながる産業革命が起こる
■1775年~、イギリスの植民地への重圧が植民地の人々を怒らせ、アメリカ独立戦争が勃発
■1789年、英仏戦争での財政悪化とブルボン王朝の贅沢三昧がフランス革命の火種となった
■1804年、フランス革命を引き継いだフランスの英雄ナポレオンが〝ヨーロッパ帝国〞を建設する
■1861年~、産業構造の違いが原因で北部と南部の対立が深まり、アメリカ南北戦争が勃発
■19世紀後半、「眠れる獅子」と呼ばれた清がアヘン戦争でイギリスに負け、列強のアジア進出が加速
■1917年、中東の権益を狙うイギリスが現在のパレスティナ紛争につながる3枚舌外交を展開する
■1929年、世界恐慌が起こり、ブロック経済とファシズムが生まれ、世界は再び戦争へ向かう

『地図でスッと頭に入る世界史』監修者

祝田秀全(いわたしゅうぜん)
東京出身。歴史学専攻。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員、代々木ゼミナール講師を経て、現在北九州予備校東京校で東大世界史講師を務める。『銀の世界史』(筑摩書房)、『東大生が身につけている教養としての世界史』(河出書房新社)、『2時間でおさらいできる世界史』(大和書房)、『歴史が面白くなる東大のディープな世界史』(中経出版)、『エリア別だから流れがつながる世界史』(朝日新聞出版)など、多数の著書・監修書がある。趣味はコーヒー飲用。ジャマイカのあの山の中腹でとれるコーヒー豆を炒って飲んでみたい。それに古典落語鑑賞。

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