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千葉ニュータウンの歴史:開発規模の縮小

しかし、オイルショックやバブル崩壊、少子化などの影響で住民が思うように増えず開発規模は縮小。これには、北総線の高額な運賃も災いしました。また、計画のあった成田新幹線開発と千葉県営鉄道北千葉線の乗り入れも中止。計画人口は14万3300人と大幅に下方修正されています。

千葉ニュータウンの現在:イメージが好転し近年は入居者が増進!

その結果、一時は「開発に失敗した街」というイメージもあった千葉ニュータウンですが、近年は人口増に転じています。2019(令和元)年9月末時点で、千葉ニュータウンは計画人口14万3300人に対し、入居者数が10万1583人(千葉県発表)。達成率は約70.9%を記録しています。

千葉ニュータウンの現在:日本屈指の「住みよい」エリアに

しかも、千葉ニュータウンの拠点である印西市は、東洋経済新報社発表の「住みよさランキング」で2012年から7年連続1位を獲得。2019年は指標の変更も影響し14位でしたが、関東エリアでは東京都文京区に次ぐ2位。好イメージも追い風に、印西市の人口は2009(平成21)年の約6万6000人から2019年(令和元)年には約10万3000人と1.5倍増です。

千葉ニュータウンの印西市は子育て世代に人気

では、どんなところが「住みよい」と評価されているのでしょうか。第一に、周辺には自然が豊富に残され、他方で大規模ショッピングモールが次々と進出、こうした住環境の良さから、北総線沿線のマンションや戸建て住宅への子育て世代の転入が増加しているのです。

印西市の高齢化率は2016年時点で20.7%。千葉県内でも浦安市、市川市に次いで低く若い市となっています。もちろん、将来的に印西市も高齢化が進むとされていますが、山を切り崩して造成した都市開発とは異なり、坂が少ない千葉ニュータウンは、高齢者も暮らしやすいでしょう。

千葉ニュータウンへの企業進出

近年注目されているのが企業の進出です。北総台地には活断層がなく岩盤が強固とされています。これを受けて、2011年の東日本大震災以降、千葉ニュータウン中央駅付近に金融機関の拠点や企業のデータセンターなどが相次いで開設されています。

それに加えて北千葉道路の一部が開通したことにより、東京都心と成田国際空港をつなぐアクセスポイントとして、物流の一大拠点にもなっています。開発失敗から立ち直った千葉ニュータウンは、今、新しい時代を迎えています。

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日本の各県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。本書では千葉県の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!

●収録エリア:千葉県全域

【注目1】千葉の地質・地形を徹底分析

・市原市を流れる養老川河岸の露頭に約77万年前の地層チバニアン発見!
・恐竜時代の岩石がむき出しの見て楽しい銚子のジオ巡り
・火山がない県なのに鴨川に海底火山が流出?
・繰り返される巨大地震の爪痕・南房総に発達する海岸段丘
・鋸山の絶景をつくった「房州石」とはどんな石?

・・・などなど、千葉のダイナミックな自然の成り立ちを解説。

【注目2】古代から中世、江戸時代、近現代の千葉の歴史を一望

・ふたつの大型環状貝塚からなる巨大な加曾利貝塚の謎
・32基もの古墳がつくられた富津の内裏塚古墳群とは?
・鴨川市小湊がゆかりの地、高僧・日蓮の波乱に満ちた生涯
・坂東太郎の流れを変えた徳川家康の利根川東遷
・日本地図を完成させた佐原村の名主・伊能忠敬の素顔
・廃藩置県で26県もあった千葉県域をどうやって統一?

・・・などなど、千葉の歴史のポイントがわかる。

【注目3】千葉を駆け巡る鉄道網をはじめ、千葉で育まれた文化や産業を紹介

・民鉄最高速160キロでスカイライナーが走れる理由
・成田空港線の高架橋は成田新幹線の遺構だった
・登山鉄道も計画された小湊を目指した小湊鉄道
・かつて千葉市の中心駅は京成千葉駅だった!?

・・・などなど、千葉を走る鉄道網の秘密に迫る。

また、銚子港が水揚げ量日本一を誇る理由や明治期最先端の土木技術が光る海の要塞・第二海堡とは?、皐月賞や有馬記念の舞台として知られるJRA中山競馬場の誕生秘話・・・など、千葉県にまつわる文化・産業の面白話もたっぷりと紹介します。

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