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平将門の乱とは?:武勇伝とその最期

9世紀半ば、桓武天皇の曾孫にあたる高望王(たかもちおう)が反乱を鎮圧すべく上総介になると、その子孫は各地に土着し勢力を拡大していくこととなりました。こうした中、高望王の孫・平将門が伯父の国香(くにか)を攻め殺す事件を起こします。平将門は京で藤原忠平に仕えましたが挫折し関東に戻っていました。

承平6(936)年、叔父で上総国役の平良兼(たいらのよしかね)に勝利すると、武勇伝が京にまで伝わりました。当時、国司の重税に苦しむ人々にとり、平将門の戦いは痛快な事件として捉えられ、平将門は民衆の英雄となっていきました。

平将門の乱と一連の反乱

天慶2(939)年、将門は武蔵国の郡司(集落のリーダー)・武蔵武芝(むさしのたけしば)と新任の興世王(おきよおう)の争いに巻き込まれます。武芝の訴えを受けた平将門は苛政に苦しむ郡司のため立ち上がり、常陸、下野、上野の国府を襲撃して勝利し、東国の大半を占領して、自らを「新皇」と名乗り関東に独立国家を打ち立てようとしました。これが平将門の乱です。

この頃、瀬戸内海では藤原純友の乱もあり、朝廷は制圧の命令を下します。この一連の反乱を総称して承平天慶の乱といいます。

朝廷は天慶3(940)年、将門討伐の命を下し、平貞盛(国香の息子)、藤原秀郷の連合軍は将門を討ち取り将門は京でさらし首にされました。

平将門の勢力範囲図

平将門の勢力範囲図

将門は連戦連勝を続け、上野、下野、上総、下総、安房、武蔵、 相模、伊豆の8か国が将門の手に落ちました。地図に見るように、現在の関東地方のほぼ全部といえる地域にあたります。

平将門への地元民衆からの信頼

将門は京への反乱者として京でさらし首となりましたが、単に中央への叛乱者というだけでは終わりませんでした。京からは叛乱者として葬られましたが、地元では民衆からの信頼が厚かったことが多くの伝説を生みます。

首を祀ったという神社への供養がなくなると治安が悪化、そのため将門の霊を大事にするようになり、それは現代まで続いています。後に天下をとる東国の武士団が将門を信奉したのは、京と戦った将門の生き方に賛同するものがあったからとされます。

日本三大怨霊? 平将門の首塚伝説

東京大手町の皇居を目前にしたビルに囲まれた中に「将門塚」があります。何度も掘り返されようとされましたが、そのたびに不吉な事象が起こり、令和の現在も変わらずにあります。将門の怨霊だとされ、菅原道真、崇徳天皇の3人とともに「日本三大怨霊」とされています。

さらし首となった将門の首は東国まで飛び、首が落ちたとされる伝承地は数か所ありますが、もっとも有力なのが大手町の将門塚があるところ。この地で不敬を働くと崇られるといわれています。

関東大震災で塚近くの大蔵省が焼失した際、塚を整地し仮庁舎を建てると、工事関係者、省職員らが不審死しました。戦後、GHQが整地しようとすると、不審な事故が起き、計画を中止するなど将門伝説は生きています。

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・八王子城の落城と戦国時代の終焉
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・江戸を襲った明暦の大火
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・関東大震災 被害と復興
・“玉砕の島”硫黄島の悲劇
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【見どころ】Part.4 東京で生まれた産業・文化

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