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赤穂浪士討ち入りのきっかけ②:吉良上野介にはおとがめなしの不平等な処分

一方、応戦しなかったことを理由に、吉良上野介にはなんの処分もありませんでした。江戸城での刃傷事件により赤穂浅野家は断絶、赤穂城も没収、約300余人の藩士、800人の足軽とその家族もろとも、路頭に迷うことになりました。

幕府の不平等な処分に不満な浪士の怒りは幕府よりも吉良上野介の方に向けられていきます。

赤穂浪士が吉良上野介への仇討ちを決意

赤穂藩家老の大石内蔵助は吉良上野介の処罰を訴えつつ、浅野家の再興に手を尽くしましたが、お家再興の望みは断たれ、大石内蔵助は無血開城で赤穂城を去りました。

再興を断たれたことで、浪士たちも散り散りとなりましたが、「主君の仇討ち」を決めた50数名は江戸に向かいます。浪士たちは、さまざまな職業につき、偽名を使ったりしながら、吉良上野介に関する情報収集を続けました。

赤穂浪士討ち入りの好機となった吉良上野介の屋敷が本所に変更

吉良の屋敷は江戸城呉服橋門内という一等地にあった上に、吉良の実子の上杉家上屋敷も現在の霞ヶ関あたりで、江戸城も近くて備えは万全、仇討ちは困難と思われましたが、吉良の方に動きがありました。

元禄14(1701)年夏、吉良の屋敷が本所(ほんじょ)に替えられたのです。

吉良上野介への世間の不満

屋敷の場所は幕府の命令で決められるもので、この変更はさまざまな憶測を呼びました。江戸城の目前で討ち入りがあってはならない、と仇討ちを心配する声が屋敷の変更につながったといわれており、屋敷の変更は討ち入りに目をつぶる幕府の意思だという説です。

その背景には、吉良上野介に対しての処分が何もないことに対する世間の不満がありました。

赤穂浪士がついに仇討ちを果たす

元禄15(1702)年12月14日、47士が本所の吉良邸を襲い、主君の仇討ちを果たすことになります。赤穂浪士側に死者はありませんでした。吉良上野介の首をとり、一行は意気揚々と浅野家の江戸の菩提寺・泉岳寺に向かいました。

討ち入り後は両国橋を渡る予定を変更、南下して永代橋から墨田川を渡り、築地、汐留から泉岳寺を目指したといわれています。

その後浪士たちは幕府により切腹が命じられ、翌年2月4日に処罰。遺骸はその日のうちに泉岳寺へと送られ、主君である浅野内匠頭の墓域に埋葬されました。

赤穂浪士がついに仇討ちを果たす

泉岳寺の境内には赤穂義士資料館があります。

泉岳寺

住所
東京都港区高輪2丁目11-1
交通
地下鉄泉岳寺駅からすぐ
料金
義士館拝観料=大人500円、中・高校生400円、小学生250円/(30名以上の団体は大人400円、中・高校生320円、小学生200円、障がい者大人250円)

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