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【愛知の歴史】縄文時代の東日本における最西端は愛知県!?

縄文時代になると、気温の上昇にともなって「縄文海進(じょうもんかいしん)」と呼ばれる海水面の上昇が起こり、知多半島や三河湾の海岸部に内海が形成され、人々は海岸沿いで狩猟採集生活を営むようになります。このため県内の縄文遺跡や貝塚は海岸沿いに多くあります。

縄文遺跡は全国で9万カ所以上見つかっていますが、愛知県~岐阜県~福井県を結ぶラインより東側が圧倒的に多く、じつに8割以上が東日本で発見されています。つまり愛知は「東日本の最西端」であったわけです。

【愛知の歴史】弥生時代の東西文化の境界線

尾張地方には弥生時代前期に稲作文化が伝播し、少し遅れた弥生時代中期以降になると三河地方へも伝わりました。まさに愛知県域は「東西文化の境界線」であり、各遺跡の出土品からは文化の変遷や伝播の経緯などをうかがうことができます。

【愛知の歴史】愛知県の巨大古墳が物語るヤマト王権との結びつき

古墳時代前期には尾張平野でも古墳が築造されるようになります。

愛知県域で最古の古墳は東之宮(ひがしのみや)古墳(犬山市)で、4世紀に築かれた前方後方墳です。被葬者は犬山周辺の「邇和(にわ)」という地域を治めていた権力者と考えられています。

そして5世紀から6世紀にかけて古墳は巨大化していきます。この頃に尾張地方を治めたのが尾張氏であり、尾張連草香(おわりのむらじくさか)は娘を継体(けいたい)天皇の后にしたことからもわかるとおり、尾張氏はヤマト王権の中枢に深く食い込んでいました。県下最大の前方後円墳である断夫山(だんぷさん)古墳(名古屋市)は、尾張連草香の墓であると考えられています。

【愛知の歴史】大化の改新以降に築かれた尾張国・三河国が愛知県の原型に

大化の改新以降、律令体制が整備されていくと、701(大宝元)年に大宝律令が施行され、尾張地方には尾張国が成立。三河地方では参河国造(みかわのくにのみやつこ)と穂国造(ほのくにのみやつこ)が合併して三河国が成立しました。この2国を基として、のちの愛知県域が形づくられていきます。

【愛知の歴史】愛知県の権力者は時の政権への甚大な影響力を誇る

平安時代末期、熱田大宮司・藤原季範(ふじわらのすえのり)の娘は源義朝に嫁ぎ、頼朝を生みました。名古屋市熱田区にある誓願寺(せいがんじ)は、当時は藤原氏の別邸で、頼朝はこの場所で生まれたとされています。1160(永暦元)年、義朝は尾張国野間(知多郡美浜町)で家来に裏切られて謀殺されており、鎌倉時代の幕開けに際しても愛知は関連の度合いが深くなっています。

なお、この頃に平清盛の弟・頼盛が尾張守となり、以降、西国を拠点とする平氏にとって、尾張国は“対東国”を見越した前線拠点となっていくのでありました。

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●収録エリア
愛知県全域

【見どころ】 Part.1 地図で読み解く愛知の大地

・山地の三河と低地の尾張、愛知県が東高西低なわけ
・1500万年前の奥三河には富士山級の大火山があった!
・自然の断崖が名城を守る!大地の端に築かれた名古屋城
・西南日本を分断する大断層、中央構造線が奥三河に露出!
・知多半島の南部の地層で産する、美しく多様な深海生物化石群
・県内の死者予測は2.9万人、南海トラフ地震とは何か?
・伊勢湾台風がもたらした高潮ほか大被害のメカニズム

・・などなど愛知のダイナミックな自然のポイントを解説。

【見どころ】Part.2 愛知を駆け抜ける鉄道網

・愛知県の鉄道の始まりに名古屋駅は存在しなかった!?
・世界初のビュフェもあった幻の関西鉄道はどんな路線?
・名鉄名古屋本線はかつて名古屋を境に東西で別の私鉄?
・新幹線に負けない魅力満載!進化を続ける近鉄名阪特急
・国産初の超低床路面電車!リトルダンサーが走る豊橋鉄道
・飯田線には昭和晩年まで東西の名車が集結していた!?
・線路やホーム跡が現存する奥三河の秘境鉄道・田口鉄道

…などなど、意外と知られていない愛知の鉄道トリビアを厳選してご紹介。

【見どころ】Part.3 愛知の歴史を深読み!

・大集落の朝日遺跡が教える縄文から弥生への移り変わり
・東海地方最大の前方後円墳、断夫山古墳が示唆するもの
・須恵器の猿投窯に始まり中世に発展した愛知の窯業
・応仁の乱の発端となった大激戦は尾張と三河の守護職争い!?
・信長が少ない軍勢で挑んだ桶狭間の戦い勝利の裏側
・家康後の岡崎城主・田中吉政が築いた岡崎二十七曲りとは?
・都市ごと清洲から名古屋へ移転した清洲越えがすごい!
・廃藩置県後の県域には12県、愛知県はどのようにして誕生?

・・・などなど、興味深いネタに尽きない愛知の歴史。知れば知るほど愛知の歴史も面白い。

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