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横浜がなぜ開港の地になったのか?寒村にすぎなかった地が大都市へ~神奈川県の歴史~

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日:2022年4月1日

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横浜がなぜ開港の地になったのか?寒村にすぎなかった地が大都市へ~神奈川県の歴史~

今や横浜は国内有数の国際都市です。
かつて小さな漁村だった横浜がどのようにして大都市へと発展していったのか、その足跡を追ってみましょう。

横浜の開港前は「横浜村」という小さな漁村だった

横浜の開港前は「横浜村」という小さな漁村だった
現在はさまざまな国の船が行きかう国際ターミナルとなっている横浜港

横浜市は、市町村別で全国最多の人口(2019年7月現在、約374万人)を抱える大都市であり、神奈川県では最大面積を誇る市町村でもあります。

しかし、元来の「横浜」はごく限られた地域を指す地名で、現在の山下町(横浜市中区)付近を指していました。久良岐郡横浜村の周辺は入海になっており、現在の関内駅周辺や山下公園などは、関東大震災(1923年)後に埋立事業が行われるまでは海だったほどです。かつての横浜村は入江の先端に突き出た小さな漁村で、1800年代の前半まで、わずか80数戸ほどの漁師小屋が並ぶにすぎませんでした。

もともと神奈川県域では、鎌倉幕府の玄関港としての歴史をもつ六浦湊(むつらみなと)(横浜市金沢区)や神奈川湊(横浜市神奈川区)のほうが重要度は高かったのです。とくに神奈川湊は、港町が東海道の宿場町になったことで、陸路でも重要視されました。

神奈川宿の位置関係を見れば一目瞭然、横浜村は東海道から外れた寒村でしたが、そんな横浜村が国際港になったのには理由があります。

横浜開港場の決定と各国との修好通商条約の締結

1858(安政5)年、江戸幕府はアメリカと日米修好通商条約を締結。それまで幕府は長崎 (出島)で限られた相手とのみ貿易を行ってきましたが、黒船の圧力に屈してアメリカと条約を結び、さらにはオランダ、ロシア、イギリス、フランスとも修好通商条約を結ぶことになりました(安政五カ国条約)。

そして幕府は、貿易を前提とする開港場として、函館、新潟、神戸、長崎、そして横浜の5港を指定したのです。

横浜港の開港

横浜港の開港
イルミネーションでも名高い現在の横浜港周辺

アメリカ総領事のハリスは、当初は神奈川宿の開港を求めました。当時の港の規模を考えれば、当然の要求でしょう。

しかし、幕府としては、外国人と日本人の接触は避けたかったのです。人の往来が多い東海道筋で開港するのを得策ではないと判断し、約9万両もの巨費を投じて横浜港を整備しました。それ以前から横浜村に住んでいた住民を元村(現在の元町)へと移住させ、確保した用地に港湾施設を建設したのです。

日本人が外国人と交流をもつことに難色示した幕府は、横浜港に外国人居留地を設置し、その周囲に関所を置きました。このため、外国人居留地は「関内(かんない)(関所の内側)」と呼ばれるようになりました。

そして1859(安政6)年6月2日(新暦7月1日)に横浜港は開港し、現在でも6月2日は開港記念日に定められています。

突貫工事でつくられた横浜道

開港の地は横浜に決まりましたが、現実問題として、横浜港から東海道への交通は不便でした。

そこで幕府は、横浜港と神奈川宿を結ぶ陸路を設けることにしました。芝生(しぼう)村(神奈川宿と保土ヶ谷宿のあいだ)から新田間(あらたま)橋、平沼橋、石崎橋と架橋し、野毛の切通を開き、野毛橋(都橋)と太田橋(吉田橋)を架け、現在の馬車道付近を通過して横浜港に至るルートが開設されました。これが横浜道です。

工事は開港わずか3カ月前に始まる急普請で、しかも元請けの勘七という人物が孫請けに難工事を丸投げするなどした結果、予算不足で工事がストップしてしまいました。 幕府は、初代・横浜総年寄という行政職にあった苅部家10代当主、苅部清兵衛へ泣きつき、清兵衛が借金をしてまで工事を再開。どうにか開港前日に開通しました。清兵衛がのちに、 借金の取り立てに苦悩したことも付記しておきます。

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