フリーワード検索

ジャンルから探す

トップ > カルチャー >  東海 > 愛知県 >

南海トラフ地震とは

南海トラフは駿河湾から遠州灘、紀伊半島沖、土佐湾を経由して日向灘沖へ達しています。そこではフィリピン海プレートが1年で約3~5㎝の速さでユーラシアプレートの下へ潜り込んでいます。ユーラシアプレートの縁は、フィリピン海プレートの動きに引っ張られるようにして沈み込むため、ひずみが徐々にたまっていきます。

このひずみの蓄積が限界に達すると、一気にプレートが跳ね上がって破壊されます。これこそが、今後30年以内に70~80%の確率で起こると予測(2020年1月24日現在)されている南海トラフ地震です。

想定される地震規模はM(マグニチュード)8~9程度。広域にわたって激しい揺れに見舞われ、太平洋沿岸には大津波が押し寄せ、その高さは20m以上に達するところもあるといいます。

南海トラフ地震の衝撃の被害予測

南海トラフによる地震は従来、東海地震、東南海地震、南海地震として震源別に発生が想定されていましたが、想定外が相次いだ東日本大震災をきっかけに予測が大幅に見直されました。

最大規模は東日本大震災級のM9クラスとし、東海・東南海・南海と3つの地震が立て続けに起こる「連動型」もあり得るとされました。その結果、最悪の場合に想定される被害があまりにも甚大で、地震の予測が公表されたときには全国に衝撃が走りました。

最悪のシナリオとなった場合、関東から九州にかけての太平洋沿岸に10m~30mもの巨大津波が押し寄せ、死者は全国で20万人以上の大惨事となる恐れがあるといいます。さらに、日本の国家予算を超える規模での経済損失となることが見込まれ、国家の存亡にかかわるような事態となると考えられています。それでいて目先の発生確率もきわめて高いため、対策は急がれます。

南海トラフ地震の平均発生間隔

南海トラフ地震の平均発生間隔は約88.2年と算出されています。いっぽう、この領域で起こった最後の大地震は昭和東南海地震(1944年12月7日・M7.9)と昭和南海地震(1946年12月21日・M8.0)で、すでに70年以上の歳月が経過しています。

南海トラフ地震への備えが必要

もしも「過去地震最大」級の地震が発生した場合、愛知県内では岡崎市や西尾市、蒲郡市、田原市、美浜町などで最大震度7。名古屋市を含めた県西部や知多半島、渥美半島などの広範囲で震度は6強以上になるとされています(愛知県防災会議地震部会、2014年)。

また同時に、濃尾平野や伊勢湾、三河湾の沿岸部では液状化による被害も想定されています。津波は田原市で10.2m、豊橋市で7.6m、名古屋市で3.3mなどとされ、市街地が広範囲で浸水する危険性もあります。

なお、愛知県域では、南海トラフだけではなく濃尾地震(1891年10月28日・M8.0)や三河地震(1945年1月13日・M6.8)など、過去に大きな被害をもたらした直下型地震も発生しています。2タイプの地震に対する備えが必要になっています。

「過去地震最大モデル」による想定震度分布

「過去地震最大モデル」による想定震度分布
出典:「愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査結果」(愛知県防災会議地震部会、2014 年5月)

過去に南海トラフで繰り返し発生している地震を参考にした、「過去地震最大モデル」による震度想定分布図。およそ県全体が震度5強以上と想定されています。

とりわけ岡崎市や西尾市、蒲郡市、田原市内などで赤色になっている場所は最大震度7。名古屋市や豊橋市、半田市、豊川市、刈谷市、豊田市、安城市、常滑市などは最大震度6強。

『愛知のトリセツ』好評発売中!

日本の各県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。愛知県の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!

●収録エリア
愛知県全域

【見どころ】 Part.1 地図で読み解く愛知の大地

・山地の三河と低地の尾張、愛知県が東高西低なわけ
・1500万年前の奥三河には富士山級の大火山があった!
・自然の断崖が名城を守る!大地の端に築かれた名古屋城
・西南日本を分断する大断層、中央構造線が奥三河に露出!
・知多半島の南部の地層で産する、美しく多様な深海生物化石群
・県内の死者予測は2.9万人、南海トラフ地震とは何か?
・伊勢湾台風がもたらした高潮ほか大被害のメカニズム

・・などなど愛知のダイナミックな自然のポイントを解説。

【見どころ】Part.2 愛知を駆け抜ける鉄道網

・愛知県の鉄道の始まりに名古屋駅は存在しなかった!?
・世界初のビュフェもあった幻の関西鉄道はどんな路線?
・名鉄名古屋本線はかつて名古屋を境に東西で別の私鉄?
・新幹線に負けない魅力満載!進化を続ける近鉄名阪特急
・国産初の超低床路面電車!リトルダンサーが走る豊橋鉄道
・飯田線には昭和晩年まで東西の名車が集結していた!?
・線路やホーム跡が現存する奥三河の秘境鉄道・田口鉄道

…などなど、意外と知られていない愛知の鉄道トリビアを厳選してご紹介。

【見どころ】Part.3 愛知の歴史を深読み!

・大集落の朝日遺跡が教える縄文から弥生への移り変わり
・東海地方最大の前方後円墳、断夫山古墳が示唆するもの
・須恵器の猿投窯に始まり中世に発展した愛知の窯業
・応仁の乱の発端となった大激戦は尾張と三河の守護職争い!?
・信長が少ない軍勢で挑んだ桶狭間の戦い勝利の裏側
・家康後の岡崎城主・田中吉政が築いた岡崎二十七曲りとは?
・都市ごと清洲から名古屋へ移転した清洲越えがすごい!
・廃藩置県後の県域には12県、愛知県はどのようにして誕生?

・・・などなど、興味深いネタに尽きない愛知の歴史。知れば知るほど愛知の歴史も面白い。

『愛知のトリセツ』を購入するならこちら

リンク先での売上の一部が当サイトに還元される場合があります。
1 2

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!

エリア

トップ > カルチャー >  東海 > 愛知県 >

この記事に関連するタグ