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日立製作所の成長のきっかけは自前機械の開発

当時、稼働中の機械はほとんどが輸入品でした。外国製品に頼らずに、自分たちで機械をつくることができないか。そう考えた小平は、純国産の機械の製造に乗り出します。
挑戦は実を結び、1910(明治43)年には第1号製品である、国産初の5馬力電動機3台が完成。その後、変圧器水力発電用の水車大型ポンプなどを開発しました。
こうした機械製造の技術は、100年以上経った今でも発展し続けています。たとえば日立のポンプは、現在では米国や中東、アジアなど世界各国に輸出され、水資源確保に貢献しています。

第一次大戦以降は大型製品製造に挑戦し知名度が上がる

第一次世界大戦が勃発して外国製品の輸入が滞ると、大型製品の製造にも挑戦しました。当初は製品事故が多発しますが、性能は徐々に改善。関東大震災発生時には、工場を挙げて変電設備や変圧器などを増産し、被災地へ送りました。
こうした取り組みによって知名度が上がり、全国から注文が集まるようになったのです。

日立製作所の成長と現在

戦後復興期の苦難を乗り越えた1955(昭和30)年頃からは、白黒テレビ・電気冷蔵庫・電気洗濯機の「三種の神器」、そして掃除機やルームエアコンなどを開発・販売。モーターの小型化、高速化、高出力化など、技術を高めながら「白物家電」の生産量を急速に拡大していきました。こうして総合電機メーカー日立が誕生したのです。

経営危機は幾度も経験しました。とりわけリーマン・ショック後の2009(平成21)年3月期決算では国内製造業で過去最大となる7873億円もの大赤字を計上し、「沈む巨艦」と揶揄されます。そこで、半世紀余りの看板商品であるテレビ事業から撤退し、収益性が高い事業を本体に取り込むなど、再編・縮小を図りました。

日立グループの御三家と呼ばれた日立化成、日立金属、日立電線も再編の対象になり、2013(平成25)年に日立金属が日立電線を吸収しています。改革を進めるなか、中国向け昇降機(エレベーター)や英国向け鉄道車両などのインフラシステム事業が増益を牽引。営業利益をV字回復させることに成功しました。

グループ企業を含め、日立製作所関連の工場が多く立ち並びます。特定企業の関連工場が狭い平野部に密集する姿は圧巻です。

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地形、交通、歴史、産業…あらゆる角度から茨城県を分析!

日本の各県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。茨城の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!

【見どころ】 Part.1 地図で読み解く茨城の大地

・地形・地質総論 茨城県域の地質って?
・東の名峰・筑波山はもともと地下の巨大マグマの塊だった!?
・国内で2番目に大きい湖、霞ヶ浦はどのようにしてできた?
・壁面の岩に海底火山の証!名瀑・袋田の滝が誕生するまで
・平磯海岸の恐竜時代の地層から、アンモナイトや国内初のサメ化石!
・県南部で続々と化石発見! 茨城に生きたナウマンゾウ
・南北に約95m広がる大炭田、常磐炭田を生んだ地層と産業史

…などなど茨城のダイナミックな自然のポイントを解説

【見どころ】Part.2 茨城を駆け抜ける鉄道網・交通網

・特急「はつかり」「ひたち」が走る大幹線・常磐線
・第二常磐線構想で生まれたつくばエクスプレス
・奥久慈清流ラインの異名をもつ魅力あふれる水郡線
・めずらしい非電化通勤路線、関東鉄道常総線・竜ヶ崎線
・鹿島参宮鉄道に始まった、鹿島鉄道鉾田線の在りし日
・水戸~石岡を結ぶ計画も……幻の水戸電気鉄道とは?
・阿見線に加え谷田部線? 常南電気鉄道による幻の計画

…などなど茨城ならではの鉄道事情を網羅

【見どころ】Part.3 茨城で動いた歴史の瞬間

・水に恵まれた茨城に人が定住 権力が生まれる
・地方王権の誕生を示す県内最大の古墳・舟塚山古墳
・石岡に置かれた常陸国府とそれを取り巻く交通路の痕跡
・常陸で成長した武家の二大勢力 常陸平氏と佐竹氏
・源頼朝が佐竹氏・平氏討伐! 鎌倉御家人たちが入国
・長い不遇の時代を経て佐竹氏が常陸の覇者に返り咲く
・水戸で育った尊王攘夷思想 桜田門外の変や天狗党の乱に発展

…などなど、激動の茨城の歴史に興味を惹きつける

【見どころ】Part.4 茨城で育まれた産業や文化

・水戸藩に飲料水を運んだ地下水路・笠原水道
・東洋一の航空基地 霞ヶ浦海軍航空隊が置かれた街・阿見町
・2000万人超が来場した科学博、つくば万博の熱狂と跡地の変身
・鉱山開発と日立製作所の歴史
・原子力とともに歩んだ東海村の半世紀
・陸の孤島だった鹿島が臨海工業地帯になるまで
・野菜産出額日本一の街が茨城に!? 鉾田市で農業が盛んな理由とは

…などなど茨城の発展の歩みをたどる。

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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