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鳴門海峡に渦潮ができるしくみと明石海峡のタコがおいしい理由は?

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2024年1月20日

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鳴門海峡に渦潮ができるしくみと明石海峡のタコがおいしい理由は?

鳴門海峡では、どうして激しい流れの渦潮が発生するのでしょうか? また、明石市で水揚げされる明石ダコが人気を博している理由とは……。

鳴門海峡に渦潮ができるメカニズム①:特殊な海底地形による潮の流れ

南あわじ市と徳島県鳴門市は鳴門海峡を挟んで隣接しています。この間を結んでいるのが1985年に開通した大鳴門橋です。

鳴門という呼び名は、「潮音(ちょうおん)の鳴り響く瀬戸」から名づけられたといわれており、観光観潮船(かんこうかんちょうせん)に乗れば、激しく渦を巻く潮音を体感できます。

鳴門海峡の渦潮と海底環境

鳴門海峡の幅は約1.3kmあり、この周辺で発生する渦潮は激流として知られています。とりわけ激流が多いのは、淡路島側にある中瀬と呼ばれる岩礁と、鳴門市側にある裸島(はだかじま)の約900mの間です。

鳴門の渦潮は、6時間ごとに起こる瀬戸内海と太平洋の干満による差と、鳴門海峡の海底の地形により、速度の異なる潮流がぶつかりながら流れることで生まれています。

干満の差がもっとも大きい大潮の日には、渦潮の直径は最大30m、時速は最速20kmに達するといいます。

この大きさと速度は日本一で、さらに30m規模の渦潮は世界でもあまり例がありません。そこで兵庫県と南あわじ市、徳島県、鳴門市は鳴門の渦潮の世界遺産登録を目指して活動を行なっています。

鳴門海峡の海底断面

鳴門海峡の海底断面
「地形・地質から見た鳴門海峡の成立」(阿波学会紀要2017.3)を元に作成

砂岩(さがん)は砂が固まってできた堆積岩。頁岩(けつがん)は土砂が堆積してできた堆積岩で、薄い層状になったものです。砂岩頁岩互層は、砂岩と頁岩がくり返し重なりあった層。水深の深いところで潮流が速くなります。鳴門海峡の地層は、潮流による浸食などが影響しています。

鳴門海峡に渦潮は特殊な地形によって満潮と干潮が同時に起こるから!

渦潮のしくみは、次のとおりです。瀬戸内海と太平洋とでは、干潮と満潮の時刻が正反対になります。瀬戸内海側が満潮のとき、太平洋側は干潮となり、潮流は北から南へ向かいます。

いっぽう、太平洋側が満潮のとき、瀬戸内海側は干潮となり、潮流は北へ向かいます。潮の干満は一昼夜に2回ずつ、約6時間周期でくり返されます。

太平洋側が満潮のとき、波は太平洋から紀伊水道に入り、淡路島の南側で大阪湾方向と鳴門海峡方向へと分かれて進んでいきます。

前者の波は大阪湾から明石海峡を抜けて瀬戸内海(播磨灘)に入り、5~6時間かけて淡路島を半周して鳴門海峡に達します。

そのとき、大分県と愛媛県に挟まれた豊後水道を経て入ってきた満潮の波と合流し、海水量は増えます。と同時に太平洋側(紀伊水道側)は干潮となっています。

こうした特殊な地形により、鳴門海峡を挟んで満潮と干潮が同時に存在するという不思議な現象が起こるのです。満潮と干潮の境目では、海面の高さに落差が生まれます。鳴門海峡を挟んだ瀬戸内海と太平洋との間では、水位差は最大1.5mに達するといいます。

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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