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【群馬の伝説が残る温泉①】草津温泉

草津の温泉起源は多くの説があるため、代表的なものをいくつか紹介しましょう。

最も古いものは、古代の英雄・日本武尊(やまとたけるのみこと)が見つけたという説。東国征伐の帰りに、白根山から立つ煙を発見したのが起源とされています。

また、草津の古刹・光泉寺の書物『温泉奇功記』によると、奈良時代の僧・行基(ぎょうき)が布教活動の途中、草津で霊気にあふれ、最も気を含む場所を発見。そこで行基が祈禱すると、温泉が湧き出したとされています。

有名なところでは、鎌倉幕府を築いた源頼朝が開湯したという説もあります。建久4(1193)年に頼朝が浅間山麓で狩りを行った際に、谷底から湯気が立っているのを発見。そこを掘ると湯が湧き出たと伝えられています。

こちらは起源説ではありませんが、『文禄四年太閤草津入湯触書』によると、豊臣秀吉が草津に湯治に行く計画があったといいます。京都から1万人を動員し15日かけて草津に入る予定でしたが、なぜか実現されずじまいに。

最後に草津の名前の由来について。仏典の文言に由来するという説と、温泉の硫黄臭が強いため「クサミズ(臭水)」から来ているという説があるのだとか。

草津温泉(草津町)

草津温泉(草津町)

国内屈指の温泉地で、自然湧出量は日本一を誇ります。源泉地の湯畑では、約52℃の熱い湯が、毎分約4000L湧き出ています。

草津温泉

住所
群馬県吾妻郡草津町草津
交通
JR吾妻線長野原草津口駅からJRバス草津温泉行きで25分、終点下車、徒歩10分
料金
情報なし

【群馬の伝説が残る温泉②】伊香保温泉

伊香保温泉が発見されたのは1300年以上前といわれています。『万葉集』でも伊香保は多く詠まれ、巻14の東歌上野国(あずまうたかみつけのくに)の部などに伊香保の地名が記述されています。このほか、第11代天皇・垂仁(すいにん)天皇の頃に発見されたという説や、草津温泉の起源と同様、行基によるという説もあります。

ちなみに、伊香保名物の石段は、長篠の戦で敗れた武田勝頼(かつより)が、負傷兵の療養のために源泉を効率よく配給できるように、配下の真田昌幸に命じてつくらせたと伝わっています。温泉を中心に町づくりをしたため、日本で最も古い温泉リゾート地ともいわれています。

伊香保温泉(渋川市)

伊香保温泉(渋川市)
伊香保温泉露天風呂

365段の石段で知られ、「 黄金(こがね)の湯」と「白銀(しろがね)の湯」の2種類の湯が楽しめます。源泉から最も近いのは「伊香保温泉露天風呂」です。

伊香保温泉

住所
群馬県渋川市伊香保町伊香保
交通
JR上越線渋川駅から関越交通伊香保温泉行きバスで30分、終点下車すぐ
料金
情報なし

【群馬の伝説が残る温泉③】四万温泉

永延3(989)年、源頼光の家臣・日向守碓氷貞光(ひゅうがのかみうすいさだみつ)が四万を訪れたとき、どこからともなく現れた童子(神)から「四万(よんまん)の病を治す霊泉を授ける」という神託を聞きました。夢うつつから覚めた貞光は、湧出する温泉を見つけたという伝説が残っています。

もう1つ、征夷大将軍の坂上田村麻呂が入浴したことから始まったという起源説もあります。

また、湯治場としても知られる四万は、戦国武将の真田昌幸が、戦乱で荒れた道路や橋を直して整備したとされています。

四万温泉(中之条町)

四万温泉(中之条町)

緑あふれる山間で、清流のせせらぎが聞こえる国立公園内にある温泉地。42か所の源泉があり、いずれも湯量豊富な名泉です。美肌効果も抜群。

【群馬の伝説が残る温泉④】藪塚温泉(やぶづかおんせん)

古い民話によると、遥か昔、岩窟に湧く湯治場に馬が飛び込み、一声いななくと天に舞昇しました。以来、湯は冷泉に変わりましたが、薬師如来の「この水を沸かせば、万病に効く霊泉となる」というお告げがあったと伝わります。また、こちらも行基により開かれたといわれています。

ここは「新田義貞の隠し湯」とも呼ばれ、鎌倉攻めの折に兵士を療養させたといいます。

藪塚温泉(太田市)

数軒の宿が点在するこぢんまりとした温泉郷ながら、千年以上も絶えることのない豊富な湯量が自慢。無色透明のサラッとした重曹泉で、肌がすべすべに。

やぶ塚温泉

住所
群馬県太田市數塚町
交通
東武桐生線藪塚駅から徒歩10分
料金
情報なし

【群馬の伝説が残る温泉⑤】宝川温泉

東国征伐の途中、武尊山(ほたかやま)に登った日本武尊が、病に倒れました。そのときに白い鷹に導かれて発見したという伝説が残っています。その湯に浸かるとたちまち病が癒えたと伝わっています。

宝川温泉(みなかみ町)

一級河川の宝川のほとりにある温泉。日本最大級ともいわれる4つの大露天風呂が並び、豊富な源泉を掛け流しています。

宝川温泉

住所
群馬県利根郡みなかみ町藤原1899
交通
JR上越線水上駅から関越交通湯の小屋行きバスで30分、宝川入口下車、徒歩20分
料金
情報なし

【群馬の伝説が残る温泉⑥】川原湯温泉

源頼朝が温泉を発見したと伝わります。

その約400年後、突然温泉が出なくなりました。そこで鶏を生贄にして祈りを捧げると、再び湯が湧き「お湯わいた、お湯わいた」と喜びました。それが「お祝いだ、お祝いだ」に変化し、湯をかけ合う「湯かけ祭り」となったといいます。

川原湯温泉(長野原町)

川原湯温泉(長野原町)

800年以上の歴史を誇る温泉。八ッ場(やんば)ダム建設により、温泉郷はまるごとダムの上の新天地へ移転するも、温泉地としての魅力は変わらず。伝統の「湯かけ祭り」も健在です。

川原湯温泉

住所
群馬県吾妻郡長野原町川原湯
交通
JR吾妻線川原湯温泉駅から徒歩20分
料金
情報なし

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・地質学的に貴重な資源と、独自の営みが残る 下仁田ジオパークってどんなところ? ほか

Part.2 群馬を駆ける充実の交通網

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・昭和に活躍した歴史ある蒸気機関車! 貴重なSLに今も乗れる理由は?
・群馬から東京ディズニーリゾートまで行ける! 日本一のサイクリングロード ほか

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・現・みどり市で見つかった歴史的大発見! 岩宿遺跡はどうして有名なの?
・溶岩の絶景の裏には、歴史的犠牲があった 天明の大飢饉は浅間山が一因!?
・世界遺産は富岡製糸場だけじゃない! 絹産業遺産群とはどんなところ? ほか

Part.4 群馬で育まれた文化や産業

・焼きまんじゅうやうどんは火山が育んだ!? 群馬で生まれた粉ものグルメ
・群馬県民に愛されるマスコットキャラクター ぐんまちゃんは実は2代目!
・「西に西陣、東に桐生」といわれる機どころ 桐生の織物の文化と歴史 ほか

・データで分かる全35市町村 人口の増減、観光、農業・工業
・吉田初三郎が描いた群馬の鳥瞰図
・上毛かるたにも登場する 群馬が誇る、ゆかりのある偉人
・まだまだある、群馬が誇る日本一! 群馬で見つけた日本で一番〇〇なもの

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