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大泉町にブラジル人が多い理由

その理由はいくつかありますが、1つは1990年に「出入国管理及び難民認定法」が改正され、就労に制限のない「定住者」ビザが整備されたこと。そのため日系外国人が日本で働きやすくなったのです。奇しくもこの頃の日本はバブル期で、企業が海外にも働き手を求めていました。

北関東屈指の製造品出荷額を誇る大泉町には、パナソニック(旧・三洋電機)をはじめ、SUBARU(旧・富士重工業)、マルハニチロ、味の素冷凍食品など、大手企業やその下請けの工場が集結。こうした企業の発展にともない、各社が積極的に多くの外国人労働者を採用してきました。とくに、来日した日系人は、戦前・戦後に日本からブラジルへ移民した人たちの子孫である日系ブラジル人が多かったのです。

するとしだいにブラジル系スーパーやベーカリー、飲食店などが増え、今では南米系の店が50店舗以上も町内に点在しています。また過去には、2007年から10年間、年に1回サンバコンテストなどを行う「大泉カルナバル」というイベントも行っていました。そのため、よりいっそうブラジル色が濃い町になったのです。

大泉町のブラジル系ショップとおもな工場

大泉町のブラジル系ショップとおもな工場

工場付近はブラジル系スーパーが集中。老舗の「レストランブラジル」、パンの「TOMI」、本格アサイーの「アサイーヤ」も人気です。

SUBARUは群馬発祥の会社!

大泉町にも工場がある「SUBARU」。前身は車ではなく「中島飛行機」という飛行機製造会社でした。

大正時代、大泉町の隣の太田市(旧・押切村)出身の創業者により、同市に飛行機製造工場が建てられました。終戦後は「富士重工業(現・SUBARU)」として自動車の製造を開始し、その後も太田周辺に技術者が集まり、一帯は工業都市となりました。

大泉町はブラジルだけじゃないインターナショナルな町へと進化

近年ではネパールやベトナムなどのアジア系外国人も増加し、現在の大泉町は45か国以上の人たちが住む「インターナショナルな町」へと進化しました。

2010年から開催しているイベント「活きな世界のグルメ横丁」では、各国の料理や雑貨の店が出店。国際交流の場として多くの人々が集まり、町を挙げて盛り上がっています。

大泉町の外国人サポートへの取り組み

このようにインターナショナルタウンと化した大泉町では、外国人が住みやすいようにと、役場でさまざまなサポートを行っています。

例えば、役場窓口には通訳職員を配置し、町のウェブサイトはポルトガル語や英語など、5か国語で対応。さらに、日本の文化やマナー、町からの伝達事項などを、母国語で正しく伝えられる人材を養成する「文化の通訳養成講座」を開催したり、多言語翻訳した広報誌を発行したりなど、言葉や文化の壁をなくす取り組みを展開中です。

こうした町の努力もあり、ますます発展を遂げている大泉町。町で懸命に働く外国人たちに感謝しつつ、異文化コミュニケーションを楽しみたいものです。

大泉町にはブラジルの公用語・ポルトガル語の広報紙もある

GARAPA(ガラッパ)」は、町が発行している広報紙。大泉町に関するさまざまな情報を、ブラジルの公用語であるポルトガル語で紹介しています。

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・徳川家康も重要視した日本一の川 暮らしを支える利根川とダム
・地質学的に貴重な資源と、独自の営みが残る 下仁田ジオパークってどんなところ? ほか

Part.2 群馬を駆ける充実の交通網

・こんなところにも鉄道が走っていた! 遺構が残っている群馬の廃線
・昭和に活躍した歴史ある蒸気機関車! 貴重なSLに今も乗れる理由は?
・群馬から東京ディズニーリゾートまで行ける! 日本一のサイクリングロード ほか

Part.3 群馬にまつわる歴史の話

・現・みどり市で見つかった歴史的大発見! 岩宿遺跡はどうして有名なの?
・溶岩の絶景の裏には、歴史的犠牲があった 天明の大飢饉は浅間山が一因!?
・世界遺産は富岡製糸場だけじゃない! 絹産業遺産群とはどんなところ? ほか

Part.4 群馬で育まれた文化や産業

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・群馬県民に愛されるマスコットキャラクター ぐんまちゃんは実は2代目!
・「西に西陣、東に桐生」といわれる機どころ 桐生の織物の文化と歴史 ほか

コラム

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・吉田初三郎が描いた群馬の鳥瞰図
・上毛かるたにも登場する 群馬が誇る、ゆかりのある偉人
・まだまだある、群馬が誇る日本一! 群馬で見つけた日本で一番〇〇なもの

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