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京都盆地の成り立ち

多くの山々と河川に囲まれた京都のまちは、近江盆地や奈良盆地と並ぶ近畿でも有数の大盆地として知られます。京都盆地は現在でこそ市街地となっていますが、数万年前までは湖だったようです。

氷河期の断層運動によって周辺の山々から土砂が流れ込み、盆地が形成されたといいます。さらに中心部の地形は北から南にかけてゆるやかな傾斜になっています。これは先に紹介した川が洪水を起こしたことによるものと考えられています。

断層運動の名残としては、神泉苑(しんせんえん)の泉と深泥池(みぞろがいけ)があり、巨椋池(おぐらいけ)は昭和の干拓事業で消滅しました。

京都盆地の地形と高低差

京都盆地の地形と高低差
国土地理院標準地図を元に作成

平坦に見える京都盆地ですが、出町橋西詰あたりが標高約53m、京都府庁が約47m、鴨川にかかる塩小路橋西南詰あたりが約28m、桂川と鴨川が合流する下鳥羽あたりが約12mと高低差があり、平均すると、北から南に100m進むごとに35㎝低くなっています。

京都盆地の出入口・逢坂と大山崎

794年の平安京遷都により、京都は朝廷のお膝元として発展しました。以降もたびたび洪水が起こり、人々は堤防を築きます。当然、天皇や皇族がおわす都を守る要所もいくつか整備されました。そのうちとくに有名なのが、逢坂(おうさか)と大山崎(おおやまざき)です。

京都盆地への東国からの入り口・逢坂は京都三関のひとつ

逢坂は現在でこそ滋賀県大津市に組み込まれていますが、平安時代は山城国(京都)と近江国(滋賀県)の国境でもありました。この地に置かれた「逢坂関」は、鈴鹿関や不破関と並ぶ京都三関のひとつで、東国からの入り口として重要な役割を担っていました。

京都盆地への南からの入り口・大山崎は水陸交通の要

また、山城国と摂津国(大阪府と兵庫県)の境にある大山崎にも関所が置かれていました。ここは複数の河川が合流する水陸交通の要として古くから発展していました。

1582年、明智光秀と羽柴秀吉が天下分け目の大決戦で激突したのもこの場所です。結果は秀吉の勝利に終わり、大坂城が完成するまで、この大山崎に本拠地を構えました。光秀がこの地で秀吉を迎え撃ったのも、秀吉が戦後にこの地にとどまったのも、京都への入り口を押さえるという戦略的な観点からであると考えられます。

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日本の各県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。京都の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!

Part.1 地図で読み解く京都の大地

・京都府の4地形区と断層/京都盆地とその出入り口(逢坂と大山崎)
・琵琶湖疏水の秘密/洛中と洛外を隔てるおどい
・観光のメッカ東山の地形(地獄の入り口六道珍皇寺)
・失われた巨椋池/天橋立はなぜあのような地形になったのか
・舞鶴が重要港湾となった地形的な秘密
・霧のまち亀岡(亀岡盆地)

…などなど京都のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 京都を駆ける充実の交通網

・山城盆地を通る街道(東海道、中山道の終着地)
・若狭と京都を結ぶ「鯖街道」
・日本初の一般営業用電車が通った京都市電
・京都鉄道博物館
・梅小路
・京都の私鉄〇〇な阪急
・大赤字から復活した京都丹後鉄道

…などなど京都ならではの交通事情を網羅。

Part.3 京都の歴史を深読み!

・丹後に一大勢力が存在した証拠 三大古墳に埋葬された人々
・古代日本を支えた渡来人と京都の関係
・なぜ京都は都になったのか 恭仁京~平安京までの変
・南北朝動乱の始まり 笠置山の戦い
・信長、光秀、秀吉…みんな京都で死んだ
・幕末の騒乱の舞台となった京都
・近代化にいち早く着手!日本初の博覧会は京都の寺で開かれた

…などなど、激動の京都の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 京都で育まれた産業や文化

・シンボル京都タワーと近代建築
・学問の都・京都の大学
・京料理とそれを支える伝統野菜
・「丹波」ブランドをめぐる攻防
・日本映画と京都
・「女酒」伏見の酒蔵
・王城の裏鬼門「男山」と岩清水八幡宮

…などなど京都の発展の歩みをたどる。

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