ところが、中山道幹線は予想外の難工事であることが判明。東海道経由に改められ、直江津線は直江津と東京を結ぶ路線として建設されることになり、上田～軽井沢間が直江津線の一部となりました。直江津線は1886（明治19）年8月に直江津～関山（せきやま）間が開業。こうして新潟に鉄道が走りました。のちに直江津線は信越線と改称され、急峻な碓氷峠（うすいとうげ）に鉄道を建設し直江津～高崎間が結ばれました。高崎では日本鉄道と接続し、東京と直江津を結ぶ鉄道ルートが築かれました。

いっぽう、直江津～新潟間は私鉄の北越鉄道により建設が進められました。信越線の直江津以北の建設の見通しが立たず、新潟県の有志が北越鉄道を発足、みずから建設を行ったのです。1899（明治32）年9月までに直江津～沼垂（ぬったり）間を開業させますが、沼垂駅（のちに貨物駅化し2010年に廃止）は新潟市街から外れて不便でした。そこで鉄道誘致運動が行われ、1904（明治37）年4月に新潟駅（初代）が設けられ、北越鉄道が延伸開業しました。駅の場所は現在の中央区万代（ばんだい）、弁天、八千代付近でしたが、手狭で遠回りだったため、1958（昭和33）年4月に現在地に移転しています。

北越鉄道は、1909（明治42）10月に国有化され信越線（のちに信越本線）となり、東京と新潟を結ぶ列車が多数運転されますが、距離が長く途中に難所の碓氷峠もあることから所要時間は長くかかりました。

のちに建設される岩越（がんえつ）線は、信越本線の新津と東北本線の郡山（こおりやま）を連絡。東京と新潟を結ぶ新たなルートとして注目されました。

岩越線は私鉄の岩越鉄道として設立し、のちに国有化され岩越線（さらに磐越西（ばんえつさい）線に改称）となり、1914（大正3）年11月に郡山～新津間が全通。上野～新潟間の距離は信越本線よりわずかに短く、同線に比べて急勾配も少ないため、全通時から上野～新潟間の直通列車が走って活躍しました。

その後、上越国境を縦断する上越線が1931（昭和6）年9月に全通開業すると、東京と新潟が最短で結ばれ利便性が飛躍的に向上。こうして信越本線は、磐越西線や上越線と連携する県内の大幹線として君臨することとなりました。電化・複線を行い近代化され、北陸方面への連絡線、さらに日本海縦貫線の一部にもなりました。また、接続駅の新津や長岡は、鉄道とともに発展。上越新幹線の開業により輸送形態は変化しましたが、今後も要路として活躍することでしょう。

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