そこで降雪量の多い上越新幹線では、スラブ軌道といって、砂利の代わりにコンクリート板に枕木を取りつけレールを敷設する構造にしました。そして、降雪時にはスプリンクラーで大量の温水を撒き、雪が積もる前に融かしてしまう散水消雪（しょうせつ）方式を採用。上毛（じょうもう）高原～新潟間には、トンネル区間を除いて約3㎞おきに水を温める消雪基地が設けられ、加熱器により10℃前後に温められた水が沿線にあるスプリンクラーで散水されます。基地には除雪検知器があり、降雪時には自動的に温水加熱し散水を開始。水は循環使用されます。基地は35カ所、スプリンクラーは6m間隔で約3万個もあり万全の体制が整えられています。車両面では、スノープラウと呼ばれる雪掻き器を前頭部に取り付けているほか、雪が床下機器に付着しないよう、開業当初の200系では機器をすっぽりと覆うボディマウント方式、以降の車両ではカバーを設けて対処しています。

東京〜新潟間の約300㎞を12駅で結ぶ上越新幹線。新潟県内には、越後湯沢以北の５駅（臨時駅を入れると6駅）があります。

2015（平成27）年3月に金沢まで延伸した北陸新幹線では、新潟県内は要所に上越新幹線同様の温水スプリンクラーを設置していますが、糸魚川駅以北などでは貯雪式高架橋が設けられました。これは、スラブ軌道の脇にスノープラウで掻き分けた雪を貯め、高架橋下に投雪させる方式です。地上部分をシェルターで覆ったり、高架橋に融雪パネルを設け、加熱した不凍液をパネル内に循環させて融雪を行うなどの対策も施されており、北陸新幹線も上越新幹線同様に雪に強く冬期の遅延も少ない新幹線です。

高崎〜金沢間345.5㎞を13駅で結ぶ北陸新幹線。新潟県内には上越妙高・糸魚川の２駅あります。

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