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【近代革命】アメリカの独立革命(1775年~)~イギリスの植民地への重圧により独立戦争勃発

アメリカ独立革命のポイント

ポイント1.北米大陸は英仏の植民地争奪戦の舞台になっていた
ポイント2.イギリスが重税を課したことで植民地側が不満を募らせた
ポイント3.ボストン茶会事件が独立戦争の引き金になる

アメリカの独立革命はイギリスからの重税から

17〜18世紀、イギリスとフランスは北米を舞台に植民地の争奪戦を繰り広げていました。勝ったのはイギリスで、1763年のパリ条約により、フランスは北米から撤退しています。

イギリスは長年の英仏戦争で悪化した財政を立て直すため、北米植民地への課税を強化。また1773年には、イギリス東インド会社に対して関税なしに茶の独占販売権を認める茶法を制定し、イギリス本国に残る紅茶の在庫を一掃しようとします。

これに対し、植民地側の不満が爆発。東インド会社の船を襲撃して積み荷の茶を投げ捨てる事件が発生しました。ボストン茶会事件です

地図の見方:ヨーロッパ諸国の援助を受けた植民地側がイギリスに勝利し、独立をはたした

アメリカの独立革命はフランス、スペインが援助

この事件を機にイギリス軍と植民地連合軍の間で武力衝突がはじまると、アメリカの独立戦争へと発展。植民地側はフランスやスペインの支援を受け、戦いを優位に展開しました。

国際的に孤立したイギリスは1783年のパリ条約で植民地の独立を承認。これにより13州からなるアメリカ合衆国が誕生したのである

アメリカ独立革命:その時日本は!?

天明の大飢饉

1783年、浅間山が噴火すると冷害が起こり、天明の大飢饉が発生します。各地で一揆や打ちこわしが相次ぎ、時の老中田沼意次が失脚、田沼時代が終焉を迎えました。

【近代革命】フランス革命(1789年~)~英仏戦争での財政悪化とブルボン王朝の贅沢三昧が火種

フランス革命のポイント

ポイント1.重税とブルボン王朝の贅沢が民衆の怒りを買います。
ポイント2.バスティーユ牢獄の襲撃が革命開始の合図となりました。
ポイント3.人権宣言が出され、フランス初の共和政が成立しました。

フランス革命の炎が上がる!

英仏戦争はイギリスだけでなくフランスの財政をも圧迫していました。

その負担は第三身分の平民への重税となり、第一身分聖職者第二身分の貴族は免税などで優遇された。しかも、宮廷ではルイ16世の王妃マリ・アントワネットらが贅沢三昧の生活を送っていました。

そうしたなか、ルイ16世は財政問題を打開するため、1789年に各身分が話し合う三部会を開催します。しかし、これが決裂し、平民によってつくられた国民議会も弾圧されると、民衆の不満がついに爆発。バスティーユ牢獄の襲撃を機に、フランス全土で反乱の火の手が上がります。フランス革命の勃発です

地図の見方:フランス革命はパリのバスティーユ襲撃で口火を切り、その後も市内で展開。結果、フランスのすべての人々を平等とする社会づくりが進んだ。またナショナリズムが高揚し、近代国民国家の成立を促した

フランス革命により共和政が成立

同年8月、国民議会は身分制を廃止し、自由・平等・友愛をうたった人権宣言を採択。1792年には王政が廃止され、普通選挙によってフランス初の共和政が成立しました。国民国家の誕生です。

また逃亡していた国王夫妻は捕らえられ、翌年に断頭台の露と消えました。

フランス革命を引き継いだ英雄ナポレオン

フランスで共和政がはじまり、恐怖政治のロベスピエールが失脚すると、軍人のナポレオン・ボナパルトが台頭します

フランス革命後、イギリスやオーストリアなどは自国への革命の波及を恐れ、同盟を結んでフランス包囲網を展開します。これに対し、ナポレオンはイタリア遠征でオーストリアに勝利。1804年には皇帝となって政権を握り、権力を増大させました。

その後は神聖ローマ帝国を解体し、オーストリア、ロシア、プロイセンを次々に撃破するなど快進撃を続けます。しかし、ロシア遠征に失敗するとフランスは孤立し、ナポレオンも配流されてしまいます。

それでもナポレオンの遠征が自由・平等・博愛のフランス革命の理念を各国に伝えた意義はあまりに大きい

地図の見方:フランス革命でうたわれた自由・平等・博愛の理念は、ナポレオンの遠征を通じて各国に伝播。それが国民主義(ナショナリズム)の台頭につながった

フランス革命:その時日本は!?

俗物将軍の治世

11代将軍徳川家斉が約50年もの長きにわたって君臨。家斉の治世は放漫で華美に走り治安が乱れます。家斉の豪奢な生活や天明の飢饉などもあり、幕府の財政は逼迫しました。

【近代革命】ロシア革命(1917年~)~300年続いたロマノフ王朝が倒れ社会主義国家「ソ連」が誕生

ロシア革命のポイント

ポイント1.ロシアを300年間支配してきたロマノフ王朝が倒される
ポイント2.レーニンらが主導する世界初の社会主義国家ソ連が成立
ポイント3.革命の波はロシアだけにとどまらず世界各地に波及する

第一次ロシア革命によりロマノフ王朝がついに崩壊

ロシアは約300年の長きにわたってロマノフ朝が支配していました。しかし、第一次世界大戦中の1917年、その国家体制が大転換します。

きっかけは1905年の血の日曜日事件。皇帝ニコライ2世に自分たちの窮状を訴えようとした労働者を、軍が虐殺。これで国民の不満が爆発してデモが起こり、国会開設を約束させました(第一次ロシア革命)。

そして1917年、大戦が長期化するなか、食糧事情の悪化などから国民が再び立ち上がり、反戦デモを実施。これに軍も加わり、ロマノフ王朝を打倒したのです

地図の見方:ロシア革命の結果、労働者が団結して平等な社会を築こうとする社会主義の思想が世界各地に伝播。共産党政府や共産党が次々に生まれる

第二次ロシア革命により世界初の社会主義国家誕生

その後、ロシア社会民主労働党ボリシェヴィキ(多数派)を率いるレーニンが武装蜂起すると(第二次ロシア革命)、ソヴィエト政権が成立します。1922年には世界初の社会主義国家となるソヴィエト社会主義共和国連邦(ソ連)が誕生しました。

このロシア革命の波は世界中に伝播し、各地で共産党政府の成立や共産党の発足が相次ぎました

ロシア革命:その時日本は!?

米騒動が起こる

ロシア革命の波及を阻止するため、日本はアメリカ、イギリスなどとともにシベリアに出兵します。その間、国内では米の投機的な買い占めがなされ、米騒動が起こりました。

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[本書の特長]
◎紹介する歴史項目全てに、イラストや写真を使ったわかりやすい地図を入れ、全体像が一目瞭然!
◎3つの要点で事件の概要が把握でき、歴史上の位置づけがしっかりわかる
◎歴史の一ページを形成した地理的背景、時間の経過がより一層理解できる解説
◎同時期の日本では何が起きていたか比較できるワンポイントコラム

『地図でスッと頭に入る世界史』見どころ―目次から抜粋

■紀元前221年、秦がバラバラの貨幣を統一したことで、歴史上はじめて〝ひとつの中国〞が実現した
■紀元前202年、中国を再統一した漢がシルクロードを開いた結果、東西交易が盛んになった
■208年、魏の曹操・蜀の劉備・呉の孫権の三者が死闘を繰り広げる『三国志』の時代が到来する
■618年、隋を引き継いだ唐が巧みな統治で周辺諸国を服従させ、国際色豊かな大帝国に発展
■1405年、周辺国の朝貢を求める明がヨーロッパより100年早く南海への大航海を展開する
■紀元前5世紀、アテネとスパルタの二大ポリスが戦争を繰り広げ、ギリシア世界は大きく変化
■紀元前334年~、アレクサンドロス大王の東方遠征で東西文化が融合したヘレニズム文化が生まれる
■紀元前27年、200年間にわたって続いたローマ帝国の最盛期は、30万キロの幹線道路が支えていた
■313年、イエスが説いたキリスト教がパウロの布教活動をきっかけに世界宗教へと飛躍した
■800年、ゲルマン人が建てたフランク王国のカール大帝が西ローマ帝国を復活させた
■1096年、計7回の十字軍遠征で当初の目的ははたせなかったが、ヨーロッパ経済が変化した
■14世紀、経済成長を背景にはじまった文化や思想の新しい動きがルネサンスの呼び水となる
■14世紀半ば、「黒死病」とも呼ばれるペストが猛威をふるい、欧州人口の30%以上が死亡
■16世紀、世俗にまみれて堕落・腐敗したローマ・カトリック教会に抵抗するプロテスタントが生まれる
■15世紀、大海原に漕ぎ出したヨーロッパの航海者たちが世界経済を大きく変えた
■16~18世紀、覇権争いを繰り広げるヨーロッパの強国が世界各地に植民地を築く
■紀元前8~4世紀、オリエント世界に興ったアッシリアとアケメネス朝ペルシアが世界帝国として君臨する
■紀元前500年頃、アジア各国で信仰され、世界宗教のひとつになっている仏教がインドで生まれる
■4~6世紀、インドで産声をあげ、民衆の間に浸透したヒンドゥー教が仏教を駆逐
■610年頃、アラビア半島のオアシス都市メッカでアッラーを唯一神とするイスラーム教が成立する
■661年、勢力拡大を続けるイスラーム教がカリフの暗殺をきっかけにスンナ派とシーア派に分裂
■16世紀、地中海の覇権を握り異教徒を効果的に使ってオスマン帝国が大帝国に成長
■18世紀、躍進するイギリスで現代の資本主義社会につながる産業革命が起こる
■1775年~、イギリスの植民地への重圧が植民地の人々を怒らせ、アメリカ独立戦争が勃発
■1789年、英仏戦争での財政悪化とブルボン王朝の贅沢三昧がフランス革命の火種となった
■1804年、フランス革命を引き継いだフランスの英雄ナポレオンが〝ヨーロッパ帝国〞を建設する
■1861年~、産業構造の違いが原因で北部と南部の対立が深まり、アメリカ南北戦争が勃発
■19世紀後半、「眠れる獅子」と呼ばれた清がアヘン戦争でイギリスに負け、列強のアジア進出が加速
■1917年、中東の権益を狙うイギリスが現在のパレスティナ紛争につながる3枚舌外交を展開する
■1929年、世界恐慌が起こり、ブロック経済とファシズムが生まれ、世界は再び戦争へ向かう

『地図でスッと頭に入る世界史』監修者

祝田秀全(いわたしゅうぜん)
東京出身。歴史学専攻。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員、代々木ゼミナール講師を経て、現在北九州予備校東京校で東大世界史講師を務める。『銀の世界史』(筑摩書房)、『東大生が身につけている教養としての世界史』(河出書房新社)、『2時間でおさらいできる世界史』(大和書房)、『歴史が面白くなる東大のディープな世界史』(中経出版)、『エリア別だから流れがつながる世界史』(朝日新聞出版)など、多数の著書・監修書がある。趣味はコーヒー飲用。ジャマイカのあの山の中腹でとれるコーヒー豆を炒って飲んでみたい。それに古典落語鑑賞。

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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