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徳川家の由来

その後、義季の子孫がこの地を治めていましたが、子孫のひとりである新田親氏(ちかうじ)が諸国を放浪した後、三河松平郷(現・愛知県豊田市)に身を寄せて松平を称し、松平親氏と名乗るようになったとされています。

松平姓から徳川姓に複姓した徳川家康

松平親氏の子孫である松平家康は、三河を統一した際に、徳川義季にあやかって、松平姓から徳川に復姓。そして、徳川家康と名乗るようになったのです。

徳川の発祥とされる群馬県世良田町は徳川家康にまつわる聖地に

家康は元和2(1616)年に静岡の地で生涯を終えると、同地の久能山に神葬され、後に栃木県の日光東照宮に移されました。実はその東照宮の奥社が世良田町にあります。

世良田東照宮」は、家康の側近であり、世良田にある長楽寺の住職でもあった天海大僧正(てんかいだいそうじょう)が主導して建てたもの。徳川氏ゆかりの地であるとともに、徳川氏の始祖・義季が開基である長楽寺の境内に、新たな東照宮として創建されました。

徳川家康を祀った日光東照宮

家康が祭られている日光東照宮は、家康の遺言により、元和3(1617)年に2代将軍・徳川秀忠が創建。その後、寛永13(1636)年に 3代将軍・家光の意思により大規模な改築工事が行われ、現在の豪華な東照宮に生まれ変わりました。

天海大僧正が日光東照宮の奥社を世良田長楽寺に移す

ちょうどその頃、天海大僧正も世良田東照宮の造宮に着手していたため、日光東照宮にあった創建当時の旧奥社拝殿や唐門、木造多宝塔を、荒廃していた長楽寺の境内に移築することが発案され、寛永21(1644)年、ついに移築工事が完了。それほど世良田の地は徳川家に重視されていたのです。

神格化された徳川家康

なお、日光東照宮の神官の調査により、家康が最初に埋葬された静岡の久能山東照宮と富士山、世良田東照宮、日光東照宮は、一直線に結ばれることが判明。これは偶然ではなく、「久能山で神となった家康が、富士山(不死の山)を越え、徳川発祥の遠祖の地である世良田を通り、北極星を背に宇宙を主宰する神と一体化して日光に祭られた」と語られています。

一直線上に並ぶ徳川家ゆかりの東照宮

一直線上に並ぶ徳川家ゆかりの東照宮

地図で見ると、久能山東照宮・富士山・世良田東照宮・日光東照宮の位置が、一直線につながっていることがわかります。

徳川埋蔵金は群馬に眠る!?

徳川家と群馬の結び付きは発祥の話だけでなく、実は徳川埋蔵金も群馬にあるのではないかといわれています。

明治維新の頃、倒幕される前に江戸城内の宝を移動させていたという「徳川埋蔵金伝説」がありますが、その移動場所は赤城山なのではという説が存在します。ではなぜ群馬に隠したといわれているのでしょうか。

徳川埋蔵金はなぜ群馬県にあると考えられているのか

まずは1つには、勘定奉行として幕府の財政を担っていた、小栗上野介忠順(おぐりこうずけのすけただまさ)の領地が権田村(現・高崎市倉渕町権田)だったこと。財政のトップが自らの所領に隠したのではと考えられていました。

徳川埋蔵金伝説は明治時代に赤城山埋蔵説が高まった

さらに、明治24(1891)年には、赤城山のふもとで徳川家康の像と銅製の皿が掘り当てられ、ますます赤城山埋蔵説の信憑性が高まりました。しかし、この後も埋蔵金が出ることはありませんでした。

徳川埋蔵金はテレビの発掘企画でも未発見に終わる

1990年代になると、テレビ番組でも大規模な発掘が行われていましたが、結局は現在も見つかっていません。赤城山のほかにも榛名山、妙義山、日光……などと推測されていますが、いまだ埋蔵場所は謎に包まれています。

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Part.1 地図で読み解く群馬の大地

・日本でたった8県しかない「海なし県」 大昔は群馬にも海があった!?
・徳川家康も重要視した日本一の川 暮らしを支える利根川とダム
・地質学的に貴重な資源と、独自の営みが残る 下仁田ジオパークってどんなところ? ほか

Part.2 群馬を駆ける充実の交通網

・こんなところにも鉄道が走っていた! 遺構が残っている群馬の廃線
・昭和に活躍した歴史ある蒸気機関車! 貴重なSLに今も乗れる理由は?
・群馬から東京ディズニーリゾートまで行ける! 日本一のサイクリングロード ほか

Part.3 群馬にまつわる歴史の話

・現・みどり市で見つかった歴史的大発見! 岩宿遺跡はどうして有名なの?
・溶岩の絶景の裏には、歴史的犠牲があった 天明の大飢饉は浅間山が一因!?
・世界遺産は富岡製糸場だけじゃない! 絹産業遺産群とはどんなところ? ほか

Part.4 群馬で育まれた文化や産業

・焼きまんじゅうやうどんは火山が育んだ!? 群馬で生まれた粉ものグルメ
・群馬県民に愛されるマスコットキャラクター ぐんまちゃんは実は2代目!
・「西に西陣、東に桐生」といわれる機どころ 桐生の織物の文化と歴史 ほか

コラム

・データで分かる全35市町村 人口の増減、観光、農業・工業
・吉田初三郎が描いた群馬の鳥瞰図
・上毛かるたにも登場する 群馬が誇る、ゆかりのある偉人
・まだまだある、群馬が誇る日本一! 群馬で見つけた日本で一番〇〇なもの

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