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横浜とは似て非なる変化を遂げた神戸駅周辺

少年B:
そもそも、兵庫津って地図上に書いてあります……?

今和泉:
書いてないんですよね。兵庫津は駅名に残ってないどころか、町名にも残っておらず……。地図で見るとこのあたりです。2001年に地下鉄の駅(中央市場前駅)ができるまで、駅もありませんでした。

▲古来から兵庫津と言われていた、現在の中央市場前駅周辺(クリックで拡大)

少年B:
さぞかし古い街だろうと思ったら、イオンモール……?

今和泉:
ここは埋立地で、古い街はこっちじゃなくて……と言いたいところなんですが、ここがまさかの古い街だったんです。1965年の地図を見ると「船大工町」「新在家町」等、江戸時代以前からあったような町名が書かれていますが、そこには道がありません。

少年B:
町があるのに道がないなんて、そんな場所があるんですね……!

今和泉:
不穏ですよね。じつはここ、戦前は細い道がはりめぐらされており、家や店の小さな建物が密集していました。江戸時代から続く中心市街地でしたが、戦後になると米軍に接収されてしまいます。その後、中央卸売市場が作られ、縮小し閉場した後、跡地にイオンモールが開業します。

少年B:
激動の昭和史だ……!

▲神戸駅周辺の変化。川崎重工の造船所は今でも現役だ(クリックで拡大)

今和泉:
それでは神戸駅を見てみましょうか。神戸駅の南東は、現在はハーバーランドという商業施設群がありますが、1965年の地図を見ると、ここは貨物駅(湊川駅)だったようです。

少年B:
激変しましたね。完全に横浜みなとみらいだ。

今和泉:
神戸と横浜、まさに同じ時代に似た流れが起こっています。

しかし、よく見てみると違いがあるんですよね。1965年の地図と2023年の地図を見比べてみると、貨物駅と三菱倉庫がハーバーランドになっただけで、ハーバーランドの南側にある川崎重工業の造船所は現役です。

少年B:
みなとみらいには工場がほとんど残らなかったですもんねぇ……。ハーバーランドはみなとみらいみたいな感じなんでしょうか?

今和泉:
みなとみらいに比べると面積は狭くて、あくまで商業施設群です。当初は百貨店もありましたが、今は少しテーマパークと観光要素の入ったモール、という感じ。

少し非日常の雰囲気が漂うところですが、来ているのは地元民だと思います。神戸駅寄りは閑散としていて、海に近づくと賑わうというのは、横浜と逆かもしれません。

少年B:
駅に近いほうが人気がないのも不思議な気がしますね……。なぜ???

今和泉:
そもそも神戸駅があまり使われていないのはありますが、それより神戸の海沿いは、ちゃんと海が見えるんですよね。みなとみらいは海は近いけど、海が広く見える感じは薄くないですか?

少年B:
確かに……。みなとみらいはどっちかというと、建物や街並みがアピールポイントな気がします。海が見えるポイントもあるけど、全部が全部見えるってわけじゃないですよね。

今和泉:
その点、神戸は港や船、海といったものが直接見えるんです。これは大きなアドバンテージだと思いますよ。あとで話しますが、フェリーも結構出ています。

神戸港の変化を追う

1965年の地図を見てみると、現在のJR神戸線(東海道本線)より海側に引かれていた鉄道の貨物線にも注目したいですね。今は貨物線のルートと重なるように、阪神高速道路ができてます。

▲海側に張り巡らされていた国鉄の貨物線(黄色で着色)。現在は阪神高速ができている(クリックで拡大)

少年B:
それにしても貨物線の分岐がすごい。神戸港のあたり、うねり具合が芸術的ですよ。

今和泉:
そのあたりは、今はだいぶ印象が違いますね。新港町と小野浜町は用途としてはそのまま倉庫ですが、小野浜町の突堤の間が埋められています。HAA神戸は中古車のオートオークションの会場のようです。

▲小野浜町の変化。突堤と鉄道はなくなり阪神高速道路ができているが、倉庫は今でも現役だ(クリックで拡大)

少年B:
ほんとだ、港の形がだいぶ変わったし、貨物線が道路になってる。

今和泉:
船と鉄道の荷捌きがなくなり、倉庫はトラックだけで完結するようになった、ということですね。でも、阪神高速道路や神戸空港は近いので、倉庫としての立地は引き続きいいようで。

少年B:
立地がいいから倉庫がなくならなかったんですね。でも、みなとみらいみたいにビジネス街にならなかったのはなぜでしょう。

今和泉:
企業活動は首都への一極集中もあって、東京のオフィス需要が溢れ出す形で、横浜や千葉、埼玉に副都心が作られた流れがありました。しかし京阪神ではこの流れはなかったんですよね。

少年B:
なるほど。大阪から需要が溢れなかったと……。

今和泉:
一方の新港町は、倉庫が残ってると言いましたが、第1~4突堤にあった官設倉庫が消えてますね。民間の倉庫は残るけど、公営のものは消えるという。港はフェリー乗り場になり、今でも現役で使われています。

少年B:
横浜は港町と言いつつ、そんなにフェリーが出てない印象ですが、こっちはどうなんですか?

▲第1〜4突堤は、鉄道はなくなったが港は現役だ(クリックで拡大)

今和泉:
今の地図はどこに向かうフェリーかも書かれているのが良いですよね。神戸ー高松間のジャンボフェリーは今も1日4往復出てますね。最安1880円+神戸港までのバス代210円の計2090円で三ノ宮駅から高松に行けるんです。私も何回か乗りました。

少年B:
やっす! 最高じゃないですか。

今和泉:
神戸港からは小豆島や宮崎、さらには上海行きのフェリーも出ています。上海への航路は相部屋の2等室で片道2万円、2日間の旅です。時間もお金もかかるし、正直あまり一般的とは言えないコースですが、貴重な日中間の客船ですね。

昔は境港ートンヘ—ウラジオストク便がありましたが、今ではこの大阪・神戸ー上海が日本から出る最長距離の国際フェリーだと思います。

少年B:
ほえ~! そんな便があるんですね。知らなかった。

今和泉:
残ってるのがすごいですよ。かつて飛行機が高かった時代は安い交通手段でしたが、いまはLCCがありますからね……。近くて早い福岡ー釜山のフェリーとはちょっと事情が違います。

少年B:
うーん、そう言われると逆に、ちょっと乗ってみたくなりますね……!

人工島・ポートアイランドには何がある?

今和泉:
神戸港から南に行くと、ポートアイランドです。神戸市は都市部の北側に山があるんですが、そこを削った土で埋め立てたという話があります。それができるのが神戸の強みですね。

少年B:
ポートアイランドには何があるんですか?

▲2023年のポートアイランド(クリックで拡大)

今和泉:
倉庫街と学校、病院……。こちらも横浜とは似て非なる発展の仕方ですね。住宅団地もあるし、人も住んでいます。貨物船はこちらに移ったはずです。

少年B:
この先に空港もあるんですね。知らなかった。

今和泉:
関空や伊丹に比べればマイナーですが、三宮から電車1本で行けて、神戸空港駅から空港ターミナルが激近なので、個人的におすすめですよ、神戸空港。

羽田や成田ほど歩かないし、上下の移動もないので楽です。ちなみに、関空との間には神戸ー関空ベイ・シャトルという高速艇が1日16往復しています。

少年B:
空港同士のアクセスという意味では、羽田ー成田間の「エアポート快特」みたいな感じでしょうか。

今和泉:
東京だとそんなのもありますが、船ですよ。陸路だと大阪経由で大回りになるので、海を通ったほうが早いという。

私も乗ったことはありませんが、神戸から関空発着の国際便に乗る人が乗っている可能性があります。意外と距離が短くて、30分ほどで着くんですよ。

少年B:
それは便利ですね。そもそも、これだけ近くに3つも空港があるのもうらやましいな……!

今和泉:
関東だと、茨城空港はちょっと離れてますからねぇ。

そして、船橋編のときにも話しましたが、ポートアイランドにもIKEAがあります。IKEAって、「わざわざ行く場所」じゃありませんか? ちょっと遠くても、まとめ買いをしに行くようなイメージが。

少年B:
あー、ありますね。日用品だけど、日頃しょっちゅう見に行く場所じゃなくて、気合いを入れて回る感じのお店というか。

今和泉:
ですよね。それが中心地の三宮からそこそこ近い距離にあるのがいいんですよ。ポートアイランドは当初誘致に困っていて、閑散としていた時代があったんですが、IKEAに救われた印象があります。

少年B:
こんなに中心地から近いところが閑散としてたなんて、信じられないですね。どうして。

今和泉:
バブル後に阪神淡路大震災があったので、それが痛手になってるんだと思います。

少年B:
あー、なるほど。多大な被害をもたらしてしまったんですねぇ……。

今和泉:
ちなみに、あのスパコン「京」もポートアイランド内の理化学研究所にあるんですよ。震災後の巻き返しとして、空港・大学・研究所を誘致して、今のポートアイランドがあると言えるでしょう。消費者目線ではIKEAの印象がデカいんですが。

少年B:
IKEAの存在感……!

垂水区・須磨区の山側はガラッと変わった

▲1965年の神戸市西部の地図(クリックで拡大)

少年B:
さっき、ポートアイランドを埋め立てた土は山から持ってきたと言ってましたが、どのあたりから持ってきたんですか?

今和泉:
ここから先は西部の地図になります。地下鉄西神・山手線の名谷から西神中央あたりにかけて広がっているニュータウンですね。古地図と見比べてください。

▲名谷〜総合運動公園駅間、奥畑付近の変化。全てが変化している(クリックで拡大)

少年B:
1965年の名谷、今とまったく違いますね。これ、人は住んでたんですか……?

今和泉:
地名があるし、バス停もあるってことは人は住んでるんですよ。ただ、山間の集落みたいな感じでしょう。バスの終点になってる「奥畑」は今もあります。ほら。

少年B:
本当だ……。近くにダイソーやコーナンが入ったでっかい関西スーパーがあるし、団地もめっちゃありますね。60年前と比べると信じられない発展っぷりだ……!

あ、でも待ってください。奥畑バス停の近くにある大歳神社、移動してません? 1965年は地図の右下にあるのに、2023年では右上に移動してます。

今和泉:
神社は基本動かないので、新しい道路ができたことで、見え方が変わってるだけです。ほら、奥畑公民館が昔のバス停の位置です。

少年B:
新道ができてるのか……。たしかに、福田川の位置を見ればわかることでした。

今和泉:
このあたりは本当に面影がないですからね。高校もできているし、ほっともっとフィールドもこのあたりです。我々の世代だと、「グリーンスタジアム神戸」といったほうがいいかもしれません。

少年B:
「がんばろう神戸」だ。イチローがいた時代のオリックスですね。そして、高校って須磨翔風高校なんですね……。プロ野球選手も輩出している高校ですよ。わたしの好きな阪神タイガースにもOBの才木選手がいます。

今和泉:
そちらは知りませんでしたが、そう考えると、意外と野球と縁がある地域なんですね。ところで、このニュータウンはとても広くて、ここから10km以上先まで地下鉄が続きます。

少年B:
終点は西神中央なんですね。ところで、このエリアは1965年の地図には載ってませんよね。何ででしょう。

今和泉:
このときは山ばかりで都市化していなかったからでしょう……。見比べてみて下さい。

▲現在の須磨ニュータウンは山の中だったが、西神ニュータウンは地図に収められていなかった。

少年B:
1965年は、都市化してたのは海側のわずかな範囲だったんですね……。

今和泉:
わずかと言っても2kmですからね。ここから10km近く内陸まで開発されたので、なかなか大規模なニュータウン開発ですよね。はい、これがさきほどの文脈回収でした。これが神戸市の歴史の肝というか。

少年B:
文脈回収……?

今和泉:
さきほど、ポートアイランドを紹介した際に、山の土を削って埋め立てた話をしました。山の土と言っても、中心部の北側にある六甲山の土は削っていません。そう、このニュータウン開発で削った土が埋立地に使われたんですよね。なかなか壮大ですよね。

少年B:
山から海へ土を運んで…それにしても、どっちも都市化したのはすごいですね。

今和泉:
もともと平地が少なかったからこそ編み出すことになった技でしょうね。

神戸市には字が多く残る

▲鈴蘭台・谷上の変化(クリックで拡大)

少年B:
三宮の北側にも、山の向こうに住宅地があります。ここも同じような流れでしょうか?

今和泉:
ここはそれより少し前に、小規模に少しずつ開発されましたが、あまり便利でなかったこともあり、西神・須磨ニュータウンほどの勢いにはならず……。

少年B:
鈴蘭台は神戸電鉄が通ってますし近いですよね? 便利そうに見えますが、どうしてそうなっちゃったんでしょう。

今和泉:
神戸電鉄は終点が新開地なんですよ。阪急や阪神に接続する神戸高速鉄道には乗り換えられるけど、会社を何社も跨ぐので運賃が高くなります。JRに乗り換えられればそれはそれで便利だったんですが、そこも叶わず。

神戸駅に乗り入れていれば違ったと思うんですが。鈴蘭台付近に実家がある友人によると、三宮からバスを使うのが便利らしいです。

少年B:
あーっ、千葉ニュータウンみたいな現象が起きてるんですね。でも、最近市営地下鉄に変わって運賃が安くなった路線がありませんでしたっけ?

今和泉:
谷上駅と新神戸駅を結ぶ北神線ですね。これが2020年に市営地下鉄になって安くなりました。それまでは北神急行電鉄が運営していたので、谷上から先は神戸電鉄、谷上ー新神戸間は北神急行電鉄、新神戸ー三宮間は市営地下鉄と、ここも料金が二重でかかっていました。

少年B:
谷上駅から先は便利になったけど、鈴蘭台って谷上駅より手前なんですよね……。うーん。

今和泉:
ではその鈴蘭台を見てみましょうか。「関西の軽井沢」のキャッチフレーズで分譲され、イメージに合う花の「スズラン」から命名されたところですが、開発は戦前です。

▲鈴蘭台駅周辺の変化。須磨・西神ニュータウンとは異なり、既に宅地開発されている。

少年B:
こちらは鉄道も道路もあって、当時から人が住んでいる感じがしますね。でも字又サビとか字ナメラ本山とか……。この字ってなんですか?

今和泉:
字(あざ)は古くからの集落に細かく振られた地名です。

少年B:
これは、今もあるんですか……?

今和泉:
全国的に、高度成長期以降に激減しています。字って人の動きが見えるんです。一本松は松の木が1本だけあったんだろうなとか、水呑だと水を飲む場所があったのかなと。興味深いですよね。

新興住宅地に字があるのはとても珍しいですが、「字鈴蘭台」は、分譲住宅地造成後の地名ですよね。明治以降でも戦前に新しく字が作られたのは、私も驚きました。

少年B:
字って新しく作れるんだ!?

今和泉:
と、いう驚きがありますよね。私も詳しくないですが、新規に字が作られるケースはそうそうないんじゃないかな……。

神戸はわりかし字が残っていたようです。一番東にある東灘区の地名も、字とは書いてないけど、恐らく字でしょうね。

少年B:
梅林とかザフクケ原とかですね。言われてみればフォントが同じですもんね。

▲1965年の東灘区には字が多く残っていた。人気の住宅地、岡本駅周辺(クリックで拡大)

今和泉:
線路沿いのスダレや出口、地蔵跡なんかもそうだと思います。神戸市東灘区出身者が言うには、2000年代前半まで字が残ってたのだとか。

字は農村部には比較的残ってるけど、大都市にはないんですよ。古くからの住宅地で、こんなに字が密集してるのがすごい。路面電車の電停の前に字がある、みたいなことはあまりないと思います。

少年B:
え、路面電車? そんなのもあるんですか???

阪神は路面電車も走らせていた

▲東灘区役所付近。1965年の地図からは阪神電鉄国道線の文字が見える(クリックで拡大)

今和泉:
東西を結ぶ幹線道路(国鉄2号線)の上を通っている線がありますよね。それが阪神国道線といって、当時野田ー東神戸間を走っていた路面電車なんです。

路面電車は廃止されましたが、今でも後継のバスは走っています。最近までかなりの本数で走ってましたが、最近は本数が減ってしまいました……。

少年B:
大阪ー神戸間って、JRに阪急、阪神が競合してる激戦区じゃないですか。阪神はすでに本線があるのに、さらに路面電車まで走らせてたんですか!?

今和泉:
26kmの距離を約2時間かけて走っていたようです。なんでも、国道2号の建設計画を聞いて、他の会社の電車が走るなら自分のところで作ってしまえと計画したみたいですよ。

少年B:
ワイルドがすぎる。

今和泉:
本線とは直通しておらず、野田で阪神の本線に、東神戸では神戸市電の東部国道線に乗り換えができたそうです。1969年に廃止されたそうなので、この4年後ですね。

少年B:
待ってください。国鉄(現在のJR)線の北側にも何やら線路がありますが……。

▲1965年の東灘区。狭い範囲に5本の線路が見える(クリックで拡大)

今和泉:
そちらは、同じ路面電車ですが、阪神電鉄ではなく神戸市電の石屋川線です。ちなみに、市電石屋川線が通っていた水道筋は、今でも活気のある商店街ですね。

少年B:
ってことは、六甲道ー三宮の間に5本も鉄道が並走してたのか……。すごいですね。

今和泉:
関東ではありえない密度ですよね。関東だと、せいぜいJRと京急の2本ぐらいでしょう。東京—横浜と考えると東急もありますが、距離的に少し遠いので、阪神間とは比べ物にならないと思います。

少年B:
なんでそんなことが起こるんでしょう。

今和泉:
平地がないからです。関東は平野なんで土地があるんですが、神戸は最初に言ったように、北側がすぐ山になってますからね……。

少年B:
神戸特有の事情ってことですね。おもしろいなぁ。

今和泉:
鉄道と路面電車をほぼ同じ区間で走らせたのは珍しいケースでしょう。他に似たような例は大阪市〜堺市間くらいですが、いずれも関西です。

▲須磨海浜公園(須磨海水浴場)の変化(クリックで拡大)

今和泉:
最後に、横浜にないものということで、市内に海水浴ができる砂浜があるのも魅力です。

少年B:
横浜の砂浜はほとんど埋め立てられてますよね……。あれ? 見比べると、ちょっと砂浜の形が変わってませんか!?

今和泉:
そうなんです。神戸は埋め立ててはいないんですが、砂浜を人工的に整備しています。波の力を弱める効果もあるようです。

少年B:
へぇー、そんな効果まで。東西の港町として並び称される神戸と横浜ですが、こうして見るとだいぶ違うんですね。おもしろいなぁ。

特徴的な地理的条件と人々の生活が見える神戸市

横浜と同じような時代に、同じような流れが起きた神戸市。しかし、神戸特有の地理的条件等の影響から、似て非なる形での発展を遂げたと言ってもいいでしょう。海と山が近く、平地が少ない土地だからこそ、阪神間に競合路線がいくつも生まれ、山地を切り拓き、土砂を埋め立てて人工島を作ったのです。

また、古地図からは数多くの字も見つかり、神戸という街に住んでいた人たちの生活を想像するのも楽しそうです。神戸に行った際は、過去の風景に思いをはせてみるのもいいかもしれません。

今和泉さんの地図話はまだまだ続きます。

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

筆者
少年B

1985年生まれのフリーライター。地図自体に造詣が深いわけではないが、地図を見ながら「こことここの間に道路ができたら便利だなぁ」などと妄想を膨らませるのが趣味のひとつ。(Twitter:@raira21

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