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奈良がロケ地となった映画

【奈良×ロケ地:映画編】『男はつらいよ』

まずは、半世紀にわたってシリーズが公開され、幅広いファンを獲得している映画『男はつらいよ』の第1作。旅先の寅次郎が、御前様と娘の冬子にばったり出会うのが東大寺二月堂奈良公園の浮見堂では、記念写真を撮られる御前様が「チーズ」を「バター」と言い間違えて観客の笑いを誘います。

また、シリーズ第39作『男はつらいよ 寅次郎物語』では、吉野町の旅館金峯山寺がロケ地として使われています。

【奈良×ロケ地:映画編】『麥秋』と『羅生門』

同じく松竹映画で、世界的に評価の高い小津安二郎監督の作品『麥秋(ばくしゅう)』。作品の終盤、初老にさしかかった夫婦が人生を振り返りながら麦畑を眺める場面で映るのが、大和三山のひとつである耳成山(みみなしやま)。同作は、2004年の第1回奈良名作映画祭でも上映されています。

巨匠の作品としては、春日山原始林の神秘的な光景が要所に描かれる、黒澤明監督の『羅生門』もはずせません。

【奈良×ロケ地:映画編】『殯の森』と『萌の朱雀』

グループホームに暮らす認知症の男性と介護福祉士の交流を描く河瀨直美監督作『殯(もがり)の森』。同作は、公開年の2007年にカンヌ国際映画祭で審査委員特別大賞を受賞。ロケ地となったのは奈良市田原地区で、広大な茶畑や原生林の大杉が印象的に登場します。

介護士を演じた尾野真千子は、その10年前の同監督作『萌の朱雀(すざく)』でデビューを果たしました。こちらのロケ地は西吉野村(現在は五條市)

【奈良×ロケ地:映画編】『陰陽師』

幻術を操って死霊や鬼と戦う安倍晴明(あべのせいめい)の活躍を描いた夢枕獏の伝奇小説を映画化した『陰陽師』には、平城宮跡に復元された朱雀門が、平安京の朱雀門として登場。安倍晴明が源博雅(みなもとのひろまさ)と都大路を歩く場面の背景として映ります。

【奈良×ロケ地:映画編】『ラスト サムライ』

明治初期の日本に生きる武士たちを描いたトム・クルーズ主演『ラスト サムライ』は、渡辺謙がアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたことで知られますが、アメリカ軍人と心を通わせる士族の勝元盛次が治める土地が「吉野の国」という設定です。

ただし、ロケのほとんどがニュージーランドで行われています。

奈良にロケ地のあるドラマや特撮作品

【奈良×ロケ地:特撮編】『ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説』

昭和41(1966)年に放送された特撮テレビシリーズのリメイク版『ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説』では、天理市にある山の辺の道と古墳群がロケ地となりました。古代史の謎に浦島伝説や天女伝説を合わせたような話なので、物語に真実味を帯びさせる風景として選ばれたのでしょう。

【奈良×ロケ地:ドラマ編】『鹿男あをによし』

奈良のシンボルである鹿そのものを登場させたのは、万城目学の小説をドラマ化した『鹿男あをによし』です。奈良県の女子校で理科を教える主人公が、人間の言葉を話す鹿に出会うところから話が展開するファンタジーコメディで、若草山東大寺境内、飛火野、朱雀門など、さまざまな場所でロケが行われています。

【奈良×ロケ地:ドラマ編】朝ドラの舞台・奈良県

「朝ドラ」の通称で知られるNHKの「連続テレビ小説」。奈良県も何度かロケ地となっています。

実業家で教育者の広岡浅子の生涯をモデルにした『あさが来た』では、橿原(かしはら)市の今井町が波瑠演じる主人公あさの実家がある町として登場。ドラマではあさの旧姓は「今井」となっています。

料理と家族に愛情を注ぐめ以子を杏が演じた『ごちそうさん』。め以子が通う東京の女学校という設定で、奈良女子大学がロケ地となりました。

和菓子職人として成長していく女性の半生を竹内結子が演じた『あすか』では、明日香村が主人公あすかの故郷に。稲渕の棚田石舞台古墳酒船石(さかふねいし)遺跡などでロケが行われました。

奈良は小説の舞台にもなっている

【奈良が舞台の小説】浅見光彦シリーズ『天河伝説殺人事件』

小説では、内田康夫による推理小説、浅見光彦シリーズのなかの『天河伝説殺人事件』が、天川村の天河大弁財天社を舞台としています。厳島(いつくしま)竹生島(ちくぶしま)などと並ぶ日本5大弁財天で音楽や芸能の神様として有名な神社です。

【奈良が舞台の小説】十津川警部シリーズ『十津川村天誅殺人事件』

西村京太郎の推理小説シリーズである十津川警部シリーズには、『十津川村天誅殺人事件』があります。殺人事件の捜査のために十津川 警部が訪れるのは、十津川村。犯人らしき人物が「十津川」と名乗った事実をつかんだことから、警部はみずからの名を騙られたことに驚きながらも、「十津川とは、奈良の十津川村では」と考えます。

ちなみに、十津川警部自身は、十津川村の出身ではなく東京都出身の設定となっています。

さて、奈良はこのようにさまざまな作品で物語の舞台にされていますが、古都特有の歴史と古代ミステリーに通じる神秘性が、多くの創り手たちの想像力を刺激するのかもしれません。

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見どころ―目次より抜粋

Part.1 地図、地形で読み解く奈良の大地
・実は人工的に作られた山だった? 古代史の舞台・大和三山
・人々の営みに密接してきた 生駒山がもたらした恩恵とは?
・大和平野を潤す大動脈 吉野川分水は300年越しに完成 ほか

Part.2 奈良を駆ける交通網
・生駒市と東大阪市にまたがる 暗峠の急勾配は法令地オーバー
・営業期間わずか9年間! 大仏鉄道を阻んだ急勾配
・3度の変更の末、駅開業が転がりこんだ!?なぜ、王寺町が鉄道の町になった? ほか

Part.3 奈良で動いた歴史の瞬間
・古墳の密集地帯・奈良盆地 なぜ古墳が造られなくなった?
・大化の改新だけではない! 中大兄皇子が変えた時間の概念
・秀吉が催した5000人規模の大宴会 吉野の花見で笑いをとった伊達政宗 ほか

Part.4 奈良で生まれた産業や文化
・全国で2校の国立女子大学 奈良女子大学設立の背景には岡倉天心
・古くから言い伝えがあった 天川村と手塚治虫作『火の鳥』の関係は?
・実は奈良盆地の気候が肝! 広陵町が靴下生産量日本一の理由 ほか

<コラム>
データで分かる全39市町村 人口、農業・水産業、観光
吉田初三郎が描いた奈良の鳥瞰図
映画・ドラマ・小説…… 奈良県とエンタメ作品

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