近年注目を集めている『この世界の片隅に』は、広島の漁師町・江波で生まれ育った主人公・すずが軍港の街・呉に嫁ぎ、戦時下の日常を生きる物語。

舞台は広島市と呉市で、広島県産業奨励館や紙屋町交差点、呉本通や二河公園（にこうこうえん）など、昭和初期の様子が丁寧に描かれています。

2016（平成28）年11月より劇場アニメーション映画が全国公開され、2019（令和元）年には追加シーンを加えた『この世界の（さらにいくつもの）片隅に』が公開されています。

瀬戸内海の情景は、宮崎駿監督の心も捉えています。2004（平成16）年に福山市鞆の浦を訪れた監督は、この景色を非常に気に入り、鞆の浦の海が見える崖の上の一軒家に滞在し、『崖の上のポニョ』の作品構想を膨らませたと言われています。

広島といえば、独特の「広島弁」が特徴的です。マンガや映像作品では、特に方言が強調されることが多く、「広島弁はこわい」というイメージを持たれることも少なくありません。

その発端となった作品が『仁義なき戦い』です。昭和20年代に広島で発生した「広島抗争」をモデルにした映画で、広島弁でのやりとりが特徴的です。

同様に広島弁が目立つのが、『カバチタレ！』です。広島市にある行政書士事務所に勤める主人公が、法律知識を用いて依頼人を守っていくストーリーで、「広島県広島市中央区」という架空の町が舞台です。主人公は広島弁を使いませんが、事務所所長や主人公の先輩たちはみな広島弁で会話しています。ちなみに「カバチタレ」とは、「文句やへりくつを言う人」という意味の広島弁です。

アニメとのコラボレーションで地域活性化を図る市町も少なくありません。写真が大好きな女子高生と、彼女を取りまく人々の日常を描いた「たまゆら」は、竹原市が舞台。広島市と竹原市を結ぶ高速バス「かぐや姫号」の中には、「たまゆら」の主人公をラッピングした車両もあるのだとか。

大河ドラマ『毛利元就』や『平清盛』、連続テレビ小説『マッサン』も広島でロケが行われています。

地形、交通、歴史、産業…あらゆる角度から広島を分析！

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