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植物化石が成羽町では保存状態よく大量に産出される

植物は動物の骨などと比べると軟らかく腐りやすいため、化石として残りにくいのです。そのため、一つの地域から新種を含む多くの種類の植物化石がよい保存状態で大量に産出するのは大変珍しいことです。この地域で植物化石が多く残っている理由として、平野に広大な森林が広がっていたこと、植物が落とす葉の量は動物の数よりもはるかに多かったためと考えられています。

植物化石は全体の3分の1が新種! 世界の基準を産出する成羽町

成羽の植物化石は114種確認されていますが、そのうち新種は38種に上ります。約1/3が新種というのは驚きです。これほど新種の化石が同じ地域から産出されることは世界でも非常にまれです。成羽から産出された植物化石群は「Nariwa Flora ナリワフローラ」と呼ばれ、新種として認められた化石は、タイプ標本(その種を決定するもととなった最初の標本)として、世界の基準となっています。

成羽町の植物化石①:ハウスマンニア ナリワエンシス

「ハウスマンニア ナリワエンシス」は成羽植物化石の中で、最初に新種と認定されました。地名をとって命名された化石も多くあります。

成羽町の植物化石②:ハウスマンニア デンタータ

「ハウスマンニア デンタータ」は成羽植物群を代表する植物化石です。ほぼ完全に葉全体が残っており、胞子嚢が小さな黒点として広がっているのが確認できます。シダ植物のヤブレガサウラボシ科の特徴が分かる標本です。

植物化石の実物が見られる成羽町の「高梁市成羽美術館」

「成羽の化石層」は岡山県の天然記念物に指定され、地域で自由に化石を発掘することは禁止されています。高梁市成羽美術館には、成羽で産出された三畳紀の植物や貝など、貴重な化石の実物が数多く展示されています。

高梁市成羽美術館

住所
岡山県高梁市成羽町下原1068-3
交通
JR伯備線備中高梁駅から備北バス成羽方面行きで20分、成羽下車、たいこまるプラザ隣
料金
展覧会により異なる(障がい者手帳持参で本人と介護者1名無料)

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Part.1 地図で読み解く岡山の大地

・瀬戸内海はどうやってできた?岡山県の成り立ち
・美作はなぜ西日本有数の温泉地なのか
・岡山県指定天然記念物井倉洞はどうやってできた?
・山から貝の化石がとれる不思議
・その大きさは世界2位! 児島湖はなぜ造られたのか?
・「晴れの国岡山」は「天文王国おかやま」だった!
・笠岡市がカブトガニ有数の生息地になった理由

…などなど岡山のダイナミックな自然のポイントを解説。

Part.2 岡山を走る充実の交通網

・瀬戸大橋が鉄道と併用できた理由
・西日本唯一の臨海鉄道線「水島臨海鉄道」の変遷を知る
・わずか16年で廃線になった、幻の三蟠鉄道
・津山扇形機関車庫から見る、岡山県の鉄道の歴史
・山陽新幹線は岡山発が多い?交通の要所・岡山駅のスゴさ
・日本で最も短い路面電車が地元で愛される理由

…などなど岡山ならではの鉄道事情を網羅。

Part.3 岡山で動いた歴史の瞬間

・伝説の城「鬼ノ城」は古代日本の防衛ラインだった
・巨大古墳群からひもとく吉備国と大和朝廷の関係
・戦国大名・宇喜多直家は、邑久郡の小領主だった
・難攻不落の備中高松城を、血を流さずに攻め落とせ!
・宇喜多秀家が基礎を築き池田家が整備した城下町
・岡山藩藩主の憩いの場として築かれた大庭園・後楽園

…などなど、激動の岡山の歴史に興味を惹きつける。

Part.4 岡山で生まれた産業や文化

・古墳時代から受け継がれる備前焼
・岡山県の名産品・白桃は、なぜこんなにおいしいのか?
・蒜山原野の開拓とジャージー牛導入の歴史
・養蚕・イグサ・綿・デニム…。岡山が誇る繊維業
・瀬戸内工業地域・水島コンビナートの誕生秘話
・倉敷市が一大観光地に成長した理由
・刀工集団・長船派は、どのようにして生まれたのか

…などなど岡山の発展の歩みをたどる。

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